表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『  』と呼ばれた少年  作者: リフ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/46

エピローグ

「はぁ……」


 俺は宿屋レリジョンの居室のベッドに横になった。

 隣にはラジエルが上ってきて丸くなる。

 そっと手を伸ばし、温かくて柔らかい白毛を撫でてみる。


「時間が過ぎるのは早いな」


 俺はこの三日間を思う。

 与えられた期日は瞬く間に過ぎていった。

 そして昨日の朝、マァ達はファーレスさんの所へ行くと言って部屋を出ていった。

 実にあっさりとした別れだった。


「どうしよう」


 二人部屋だからマァ達がいなくなると急に広く感じる。

 一人部屋に移った方がいいのは分かってる。

 それでも俺は部屋を変える気にはなれなかった。


 コンコンコンッ


「ん? はーい」


 今日って掃除の日だったか?

 俺はラジエルをスキルに戻し、ドアを開けて外を見る。


「どなたで……は?」


 そこには別れたはずのマァが立っていた。



 俺達は椅子に座ると向かい合う。


「何でまだこの街に?」


 昨日ファーレスさんと一緒に街を出たと思ってたんだけど……。

 呼び出したラジエルとハッズはベッドの方で遊んでいる。


「それはメグルと一緒にいるためよ」


 ん?


「私、気付いちゃったのよ」


 マァは得意げな顔で言う。


「意思を伝えるだけなら手紙でも十分だって!」


 だからファーレスには手紙を持ち帰らせたわ、と続ける。


「いやいや! そこは直接親に言うべきだろ!?」


 俺は想像と違う展開に戸惑う。


「それにファーレスさんはそれで納得したのか?」


 確か連れ戻しに来たって言ってたし。


「だから頑張って説得したのよ……まさかあんなに頭が固いとは思わなかったわ」


 いや、それが普通の反応だから。

 逆に説得出来たのが凄いよ。


「それにメグルは私がいないと依頼もこなせないじゃない?」


 それは流石に大袈裟だと思う。

 でも言葉が分からないしな……。


「学校へ行くのだって、今じゃなくていいわ」


 試験に合格すればいつでも入学は出来るらしい。


「だからこれからも一緒にいてあげる!」


 マァのその笑顔に、俺は一体何を返せるだろう。


「ありがとう」


 そうだな。

 彼女には幸せになってもらおう。

 いつか振り返った時に一緒に過ごせてよかったと思えるくらいに。


「これからも一緒だ」


 俺も笑顔で伝える。

 きっと俺の幸せもそこにあるから――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ