第13話 鑑定玉の違いとこれから
星渡 巡
年齢:18歳
SP:35/100
通常スキル:【気配遮断】【短剣術】
「ん?」
俺の知っている鑑定玉とは表示が違うな。項目が随分と少ない。
試しに【気配遮断】に意識を集中してみたが内容も表示されなかった。
「もしかしてクラスⅢだから?」
周りに聞こえないように呟く。
俺の持ってる鑑定玉はクラスⅤだし、その違いが出ているのかもしれない。
試しにこの鑑定玉自体を鑑定してみる。
《鑑定玉》クラス:Ⅲ 品質:良
うん、まず効果の説明がない。
それに俺の鑑定玉とは品質も違う。
「ちょっと、大丈夫?」
マァが小声で訊いてくる。
「大丈夫だ、問題ない」
ここが受付である事を思い出し、これ以上見るのを止めた。
「確認が終わったわ、書類を持ってきてもらえる?」
マァがカウンターの奥に向かって言うと、さっき受付をしてくれた職員が来た。
「ではこちらにご記入をお願いします」
俺達は書類をそれぞれもらう。
「終わりましたら再度お呼び下さい」
そして職員は受付からいなくなった。
俺の書類はマァに書いてもらう。
周りに聞こえないよう耳打ちしたが、SPとスキルの所で少し驚いていた。どっちも教えてなかったからな。
固有スキルと装備スキルに関しては言わない。この鑑定玉では表示されなかったし、効果的にもかなり目立つ。こっちは隠さないと余計な面倒に巻き込まれそうだ。
「これでいい?」
マァは俺の手を握りながら書類を渡してきた。
「ありがとう。大丈夫だ」
俺は試しにマァの手を一瞬離すと、書類の文字が全く知らない文字になった。
「そう」
マァは俺の手を再び握り、二人分の書類をまとめて受付に置く。
「書類の記入が終わったわ」
マァがそう声を掛けると職員が戻ってくる。
「では身分証を作って参ります。少々お待ち下さい」
職員はその書類を持って受付を離れた。
「ねぇ、メグル」
「ん?」
マァは緩く波打った青髪を耳に掛けるとこちらを見た。
「身分証を受け取ったらまず宿をとるわ」
「ああ」
「でね、出来ればこれからも一緒に行動したいのよ」
「一緒に」
「そう、お互い助け合える部分があると思うの」
俺は言語の壁があるし、この世界の常識も知らない。既にここまでマァに頼り切りだから、これからも一緒にいてくれるのは助かる。
逆にマァは国を出てきたから周りに知り合いがいない。森での出来事のように一人では犯罪者に狙われる可能性もある。
確かにお互いに補える部分はありそうだった。
「どうかしら?」
こちらを覗き込むマァの瞳は微かに揺れている。
断られるか不安なのかもしれない。
「ああ、こちらこそ」
その瞳に俺は力強く頷き、笑顔を返した。




