35 シンデレラの告白
シンデレラは泣きじゃくりながら、とんでもないことを告白し出した。
「私の方こそ、嘘つきで卑怯者だわ。シンデレラの役は、お話に縛られるって聞いて逃げたくなって、あのパレードの日、お姉様が王子様を好きになったのに気がついて、どうにか役を入れ替われないか、なんて画策していたんだから」
「あれ?待って? ……それって、最初から私の王子様への気持ちを知っていたってこと?」
まっまさか、あんな最初の日から、シンデレラに私の恋心がバレバレだったってこと?!カーッと熱くなる頬を両手で押さえるが、動揺を隠せない。
「お姉様がいない時を見計らって、『どうにかしてお姉様を王子様と結婚させられないか?』って何度も家族会議したし……」
「えっ! ちょっと待って!?」
家族会議?家族で会議ってどういうことよ!?
そのメンバーってお父様とお母さんも入ってる……わよね?両親とも知っていたってこと?!
「まさかと思うけど、その家族会議に、執事さんとかメイドさん達は含まれていないでしょうね?」
「含まれてるわよ、もちろん。家族みたいなものでしょ」
「えええっ!」
こともなげに言うシンデレラに、私はパニックを起こしかけた。
「なかなかいいアイデアが出ないんで、私の名付けの仙女役さんにも相談して……あの人お姉さまのことも知ってるから、結構ノリノリで考えてくれたわ」
「やめて――――――!!!!」
私の心の奥底に秘めた(はずの)恋が、そんなに沢山の人の間で情報共有されてたとか、ありえないんですが――!!!
ヘロヘロになった私は、勇気を出してシンデレラに聞いた。
「他には?他には誰にもその話していないでしょうね?」
「え?したわよ。お姉様がいないうちに、《混沌の森》でペロー狼さんとかいつものメンバーに。でもダメね、男の人って。ニヤニヤしてるだけで、全然いいアイデアが出ないの」
………………私は、死んだ。
ああ、王子様。私のお墓の前で、泣かないで下さいね……。
「でも、案ずるより生むが易しって本当ね。ちょっと目を離した隙に、こんなに上手くものごとが進むなんて、思ってもみなかったわ。ねえお姉様……お姉様?!」
シンデレラが私の死体を揺さぶるが、起き上がることが出来ない。だって死んでるし。しばらくこのまま死なせて欲しい。
と、それまで黙って聞いていたクック船長が口を開いた。
「おい、シンデレラ。上手くいったかどうかは、まだ決まっていないぞ」
「え?」
「そうだね、まだ僕はジャボットからプロポーズの返事をもらっていない」
「そうか。そうですね。……ねえ、お姉様、起きて。生き返って」
無理。それに私が死んだのはあなたのせいよ。
「死んだヒロインを生き返らせる方法が、他の童話にもあるだろう?」
「『白雪姫』ね! 王子様のキス!」
「では……僕の出番か……いいのかな……」
「私が許します! いっちゃってください!」
「だめ――――――――!」
「「「あ、起きた」」」
もう、この人達、放っておくととこまでも暴走するんだから。




