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第3話:テンプレのかたまりが、やってきた


──魔法学の授業中。


「魔法とは精神を集中し、詠唱により現象を発生させるものです。使う属性により──」


教師の声が続く中、わたしはノートに“パン=右でもふわふわ”と書いていた。


すると、隣のナツキがぼそりとつぶやいた。


「チャクラの方が強くね?」


「……は?」


「だってさ、詠唱とかめんどくね?気で燃やせばよくね?」


「……それ、気じゃなくて気のせいでは?」



「はあい! お静かに! 授業中ですわよ!」


声と共に、ドアが開く。


そこに立っていたのは、完璧な髪型に完璧な笑み、完璧なフリルをまとった少女。


「お待たせしました、私こそが――」


ドンッ!!


突如、窓ガラスが割れた。風と共に誰かが飛び込んできた。


「すまぬ、遅れた! 魔道門が閉ざされていた故!」


刀を背負い、着物を着た謎の侍女――もとい、女侍が着地と同時に正座。


教師は言った。


「……授業、崩壊したな」



教室がざわつく中、ナツキがフェイント気味に立ち上がる。


「おい! なんだこのカオス!? いや、チャクラとか言ってた俺が言うのもアレだけどよ!」


アリシアがスッと前へ出る。


「私はアリシア・フェルナティス。こちらのクラスの“悪役令嬢”枠を担当させていただく者ですわ」


「……そんな役職あったんだ?」


ナツキが引き気味で呟く。


アリシアは余裕の笑みで、リヴィアの方を見る。


「できれば、このクラスの悪役令嬢の方と交流を……」


「パンは右でも左でも美味しいです」


「……交流は、またの機会にいたしますわ」



そのとき、窓から乱入してきた女侍がすっと手を挙げた。


「我こそは、東の国より来たりし者。名はアヤメ。魔法は好かぬ。武士道は左から入るもの」


「は?」


「すなわち、フィージョンは左より!」


「ちょっと待って! フィージョンは別の話だよね!?」


ナツキが突っ込む横で、セラがメモを取り始めた。


「なるほど……武士道は左から入る……」

「セラ、信じすぎっ!」



 【質問コーナー】


Q. アリシア様はいつ断罪されるのですか?

アリシア「失礼ですわね」

リヴィア「パンを焦がしたら……?」

ナツキ「罪、軽すぎだろ!」



 【ED風即興作詞】


♪『魔法は詠唱 チャクラは呼吸

でも一番強いのは 転校生のメンタル』


♪『悪役だらけの教室で

パンの話だけ浮いている』


歌:アリシアとリヴィア(女侍コーラス)

作詞:ナツキ(ノリでやった)


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