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78.羊毛『なぁなぁで、結局羊狩り』

 荒くなる呼吸をゆっくり吐ききる事で、静かに抑えていく。


 ぶれる照準が定まり、ああ、ここだなとトリガーを引き絞る。


 「ちょっと待て!」


 え?


 「え?何?」


 「何だよ!急に!」


 「いや、多分誤解が生まれてる」


 急に待てに対応できた自分の人差し指を褒めたい、何しろあと1mmでも引いてたら完全に射出していた。


 「誤解って何だよ!」


 「いや、だから俺達は一方的にやられたお礼参りに来たんだろ?だけどさっきの口ぶりだと……」


 「素材屋さんは誰かに襲われてナーバスになってるって聞きました」


 「そうそう!新人の街からここまで遠くもないのに襲われて、何かすぐにビクッとなるの!」


 「俺達が襲った緑ポンチョじゃねぇの?」


 「違うだろどう考えたって……俺達は何も出来ずに返り討ちにされたんだぞ?寧ろいつどこでほくそ笑みながら撃ってくるか分からん危険人物を探してるんじゃないか?」


 いや、自分はそんな危険人物じゃない。


 「何も出来ずに?それってどうやって?」


 「ね?どういう相手だったの?緑ポンチョなんて幾らでもいるんだし!」


 「それはそうだけどよ。この村に来る奴なんて滅多にいないだろ?」


 「まぁ、俺達の敵はこの嬢ちゃん達じゃないんだしさ。一応遠くから見た限りの特徴じゃ、緑ポンチョしか分からなかったんだ。んで、それこそ本当に何されたかも分からん。いつの間にか二人共殺された


 「ええ?じゃあ、素材屋さんじゃないかもしれない」


 「だよね~!素材屋さんって強くないもんね多分」


 「そうなのか?」


 「出来ればその素材屋って奴の事もう少し教えてくれないか?俺達も分かる範囲で緑ポンチョの事教えるし」


 「ええ、でも会ったのは数回だもんね?いつも何でも私達が欲しい物持ってて……」


 「新人のスナイパーが凄い遠くから冗談で撃った弾が本当に当っちゃうくらい運が悪い」


 「違う!そいつじゃない!俺達が探してるのはもっと狡猾なヤバイやつだ。グレネード仕掛けたりとか、いざ襲い掛かろうとしたら、何故か体が動かなくなったりとか」


 「グレネードが炸裂したような危険な場所に潜伏してたりとか、とにかくヤバイ奴なんだ」


 いや、グレネードは偶々だし、動けなくなったのは仕掛けてた〔弓罠〕の麻痺矢だから。


 「……それってこの前コットさんから聞いた……二代目なんとか?」


 「アレだ!サイレントなんとか!」


 「サイレントキラーの事なら、違うぞ?有名なスナイパープレイヤーだし、流石に俺達だってスナイプでやられたなら分かる」


 「だな!そもそもサイレントキラーは罠なんて張らんし、得意フィールドも森とかだろ?」


 「違うんです!その初代さんを倒しちゃった人がいるらしいんです!」


 「そう!正体不明!何をされたかも分からない内に皆倒しちゃうだって!」


 サイレント?どっかで聞いたことある気もするけど、何だったっけ?とにかく危ない人がいるのか。


 「ソイツは緑ポンチョなのかよ?」


 「コットってあの迷探偵だろ?確かに俺達も世話になったけど、サイレントキラーが二代目なんて話……」


 「だから!誰も正体が分からないんです!でも、初代さんが二代目さんを任命したって!」


 「そうそう!そんなヤバイ人に狙われたんなら諦めなよ!自分達から襲い掛かったんでしょ?」


 その後もPK達と女子達の問答は続くが、すでに銃はしまい情報交換の様相になったので、静かにその場を立ち去る。


 そうして、草原のど真ん中に出ると風にたなびき、角度によって太陽に狩りを反射する大海原を彷彿とさせる大草原に出た。


 背の高い草の隙間から、時折見える真っ白い何かが、きっと羊なのだろうが、今の所その全貌を把握できない。


 ちなみに<聞き耳>は全力で使っている。いつあの二人組が襲い掛かってくるかもしれないし、草のざわめきの中に違和感を感じる音がないか、集中して拾っている。


 いざという時遮蔽物になりそうな、何かの残骸に背を預け、眠りキノコを混ぜた芋の餌を放る。


 羊だし多分草食だろうという予想だが、人とは食うか食われるかの関係の場合、肉食の事もあるし、そうなったらまた別の餌を用意しよう。


 そんな事を考えていると、数十秒も待たずに羊が三頭現れて、そのまま餌をがっつく。


 すると、その場に倒れこんだのだが、あからさまなZzzというエフェクトに寝ているのだと言う事が分かる。


 このまま狩ればいいのかな?と近づくと、どうやら<解体>できそうなのに、何故か出来ない?


 ちょっと腕を組み考えている内に思い当たった。


 折角ナイフを改造してもらったのに手に持っていなかったと、クロスボウを背に戻しナイフを抜けば、ちゃんと<解体>できた。


 まぁ<解体>と言っても〔羊毛〕を刈ると一瞬で山羊の様に毛の短くなった羊が起き上がり、どこかへと走り去っていく。


 とりあえず三匹の毛を刈っただけ〔羊毛〕×30になったのだが、結局いくつ必要なんだろうか?


 再度<聞き耳>で周囲の様子を窺うが、今の所誰も近づいてきてはいなさそうだ。


 ならばとまた餌を投げて、羊の毛を刈っていく。1000個もあればいいのだろうか?

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