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6.地味『これが相棒との出会いであり全ての始まり』

 街中をどれだけ歩いただろうか?ずっと歩き詰めれば流石に街の構造も少しは分ってくるし、一々簡易MAPを開かずとも余裕が出てきた。


 まぁ、マスドライバー?の位置を起点に考えて、周囲を見渡せば何となく分るという程度の事だが。


 一応お使いクエストばかりと言えども侮るなかれ、ちゃんとレベルも上がり、そしてステータス画面を開いて、ちゃんとSTRにボーナスも振っている。


 ちなみにこのゲームのステータスだが、割りとシンプルな物だった。


 STR:筋力 主に装備重量に関する要求ステータスだが、格闘戦やアイテムボックスの限界にも関係する

 VIT:体力 主にHPに当るゲージと防具関係の装備要求に関わるが、身体的状態異常の耐性にも関係する

 AGI:俊敏 主に移動速度及び回避に関わるが、一部銃砲のドローやその他行動スピードに関係する

 DEX:器用 主に命中精度及び製作に関わるが、トラップ処理等の演算にも関係する

 SNS:感覚 主に状況把握及び知識に関わるが、敵や罠、隠蔽物発見にも関係する


 という事だ。


 勿論自分はちゃんと他人の忠告を聞くので、クロスボウを装備する為にSTRに振ったが、次にどうするか?それが問題だ。


 はっきり言って、全部必要ステータスである事は否めない!たった五個のステータス!されど五個だ!


 多分皆武器や戦闘スタイルに合わせて特化しているに違いない、じゃあ現状まともに銃も撃てない自分は?


 平均タイプって選択もあるにはあるが、果たしてそんなに自分が器用かと問われれば、首を振らざるを得ない。


 寧ろ、不器用ながら何とか中高一貫の男子校に入って、何とか面倒事やいじめから逃れて、静かに過ごしてる。それが今の自分だ。


 ステータスについて頭を抱えながら、例の新人に優しい店へと向かった。


 「お!何だ?ちゃんとお使いクエストで来たのか?お前のクロスボウまだちゃんとあるぜ!って言うか暇だったから、ちゃんと完璧な状態に仕上げておいたからな!」


 金髪の線の細いエンジニア風の男が、自分の姿を見るなり声をかけてくれる。


 「ありがとうございます。これ500クレジットです」


 と、あっちこっち行ってやっと稼いだ500クレジットを渡すのはちょっと躊躇ったものの、それでも自分の両手に納まるクロスボウは妙に安心感を感じる。


 「よし!いいか?まずここを引くとそう!バネに繋がった糸が引っ掛かるんだ!んでな、ここにボルトってか矢を装填する……ああ!大丈夫だ!矢は50本無料でやるから好きに使えよ(クロスボウなんかに金払わせただけで罪悪感が……)」


 両手にずっしりと来る自分の相棒、クロスボウを持つと不思議と一種の全能感と言うのだろうか?何でもやれるって気がしてくる。


 そこにまた奥から赤髪の男がやってきた。


 「ふーん、ちゃんとお使いクエストこなしたんだな。俺はジョン、FPSでリボルバー一丁提げてる時点でお察しかと思うが、名無しの男さ」


 「多分通じてないぞ?俺はコット、何度も言うように新人に優しいガンスミスだ。んでこいつが……」


 名無しの男?何かいでたちがガンマンって言うか、火星にそぐわない荒野のカウボーイみたいだし、まさか?


 「用心棒ですか?」


 「!!分るのか?ちょっとネタのつもりだったんだが……このご時勢にマカロニウエスタンが分かる奴がいるなんて!いやでも……分かるよな!ディテクティブスペシャルなんて使うくらいだし、SAAの良さとか、男のあり方の原点って言うかさ」


 「テンション上がり過ぎて、何言ってるか分からなくなってるし、ちょっと引いちゃってるじゃんかよ。まぁ、一応コンビであちこち色んな街をうろついてるんだ。はっきり言ってこのゲームの王道の遊び方じゃない。まあでもよろしくな」


 「ラビです。こちらこそよろしくお願いします。あの……グリップに蛇の刻印がないのは?」


 「そいつは、まだ踏み込まないでくれ……お前の事は既に信用しているが、そこに踏み込まれると新人に余計な重荷を背負わせちまう」


 「はいはい、リボルバー使いってのはやっぱり変わってるな。いやまあ当たり前か、リボルバーにクロスボウだもんな。変態の一種か……まあいいや。さっきも言った通りあちこち街を移動してるから、この新人の街にも定期的に来るし、何かあったらいつでも相談に来ればいいさ。何かコイツもお前の事気に入ったみたいだし」


 「あ、はい……」


 「分るぜ!俺には、な!攻撃力の低いクロスボウをあえて使う理由がさ。このゲームの仕様上ハンドガンの有効射程はかなり狭い、ディテクティブスペシャルなら尚更だ。そもそもディテクティブスペシャルは撃ち合う銃じゃない。話のラスト、悪あがきする犯人に死ぬか自らの罪を認めるか、最後通牒の為に出す代物さ。つまりそういうことだろ?」


 「うん……普段はクールを装ってるくせに、こういう所があるんだよ。でも悪い奴じゃないからさ」


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 初めてのVR一日目、ひたすら街中を歩き回り、変な2人組みと知り合った。


 FPSなのに二発試射場で撃ったきり、今後はクロスボウで進める事になりそうだ。


 前途多難な気がするのに、不思議と左脇に当る感触が、安心感を与えてくれる。

ここまでが、オープニング的な話なのですが、相変わらず作者の悪い癖と言いますか、派手なシーンはないです。


現時点で、上手く自分の事を話せないタイプの主人公と、陰口を叩くタイプの嫌なライバルと軸になる2人に尊敬できそうな雰囲気が全くないのですが、この2人の欠点をいかに可愛く見せるかが、今回の作者の挑戦ポイントだと現時点では思っています。


更に主人公の味方になってくれそうな2人組ですが、主人公の成長に上手く絡められればな~って感じですね。


何となく思いつきですが、現時点での作者の思いを残しておきます。

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