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66.仕掛『猿に恨みはないが今は狼犬の仲間なので』

 街に戻りまず最初に確認したのは〔軽量ザック(旧型)〕だが、これはナイロンのような化学繊維で出来たバックパックだった。


 ちなみに入る量は5×5で今の木のバックパックと同じだが重量がかなり軽めだ。コレならば武器類をグレードアップして重量が増しても少し余裕が出来るかもしれないし、乗り換え時だろう。


 とりあえず木のバックパックをアイテムボックスにしまってみて、気がつく。


 木のバックパックにアイテムを入れたままアイテムボックスにしまえる事。


 ちょっと分かりづらいが、要はすぐには使わない生産用素材を木のバックパックに入れたまま、アイテムボックスの一マス分に丸ごとしまいこめる。


 ちなみに木のバックパックに入れてある生産用素材は、一回木のバックパックを取り出してからじゃないと引き出せないので、普段は絶対使わない物を入れておいた方がいい。


 後、試してみて分かったがバックパックinバックパックは出来なかった。


 元々謎空間に全てを収納できるアイテムボックスが5×5の25マスに、25マスのバックパックを25個入れられるようなものなので、最大625種のアイテムが入る事になる。ちなみにアイテムも物によって1マス99個入る物もあれば、バックパックや作業台のように1個で一マス使う物もある。


 まぁ、でもすぐに使いたい物も当然あるし、何でもかんでも詰め込めばいい訳じゃない。背中に背負うバックパックは、物も出しやすいし出来るだけすぐに使う物を入れておこう。


 アイテムボックスももしかしたら死に戻った時にバックパック丸ごと一個落とす事もあるかもしれないし、安易に何でもかんでも詰め込むのはやめておく。それでもかなりアイテムの整理がついたし、助かった。


 お次に〔信頼の牙〕だが、これはグレードアップアイテムで〔狼犬精鋭の首飾り〕


 となり、VIT+5 AGI+5 SNS+5 移動補正(微)とかなりの性能となった。


 そして〔アオダモ〕だが、これは木の素材だったのだが少々小ぶりに見える。


 しかし、中々に丈夫そうで何に使えるか色々みてみた所、ナイフの柄に丁度良さそうだ。


 <製造>でナイフをグレードアップした所、DEX+3 SNS+5となりコレもかなりいい物だと言えるだろう。


 更に経験値を入手した事でレベルが上がったのだが、果たしてどのステータスを上げるべきか、それが問題だ。


 今後装備重量が上がっていくならSTRは必須と考えていいだろう。しかも近接格闘や物を投げる時にも必要になってくるし、今回のように猿に飛び掛られる事も想定するなれば、あればあるだけ欲しい。


 ただそれを言うならVITも大事だ。耐久力があれば、ちょっとやそっと飛び掛られても焦る必要もないし、うっかり敵地に踏み込んだとしても、冷静に対応できる余裕が出るんじゃなかろうか?


 しかし現状自分は生産用のDEXと<聞耳>用のSNSを重視している。


 敵に見つかる前に敵を発見し、罠を張って待つスタイルにもだいぶ慣れて気がするし、ここはSNSを上げて更に索敵能力や感覚系のスキルを探っていくのも悪くはないんじゃないか?


 前者のSTRとVITは装備を頼って底上げして、スキルに必要なSNSとDEXが無難……と言いたい所だが、問題はAGIだな。


 今回の戦闘で思い知ったけど、敵が多い場合リロードスピードが遅いと単発式のクロスボウはかなりきつい。


 確かAGIはリロードスピードと関わりがあった筈だし、ここで上げる選択もあると思う。問題はイヤーマフを手に入れてから、後悔しないかという事だ。


 イヤーマフを手に入れて普通に銃を撃てるようになった場合、クロスボウから普通のサブマシンガンやアサルトライフルなんかに乗り換える事も十分にありうるし、その場合AGIを上げた事を後悔……しなさそうだな?


 リロードが早くなれば銃だって助かるし、移動速度が速くなればその分逃げたり隠れたりもしやすい筈だ。


 ここは一回まるっとAGIに5振ってみるか!


 <移動>のスキルが取得可能になったが、SPは一旦保留にしておこう。


 ここで一旦ログアウトし、ゲーム外で宿題や食事を済ませて、時間の流れの違うゲーム内の夜を待つ。


 ちなみにゲーム内の時間はホームページを見れば分かるという事を最近発見した。


 程よいタイミングで再ログインし、森の灰毛狼の待つ広場に向かえば、既に傷ついた狼たちは解散していた。


 そこで声の高い方の灰毛狼に声をかけると、前と同じクエスト受諾のウインドウが表示されたので、了承する。


 すると以前街のお使いクエストで見た矢印がミニMAP現れたので現地へ向うと、どうやら狼犬用の渡河地点のようだ。


 今は夜の所為か野猿の見張りも少ないが、しかしここを真っ直ぐ川を渡ったら流石にバレるだろう。


 少し回り込むように野猿の警戒が手薄な地点からこっそり川を渡り、元の地点近くの低木の陰に伏せる。


 ちょうど川の向こう岸に狼犬達が集まり始めるのが見え、近隣から気配を感じたのか野猿達も少し騒がしい。


 ここは狼犬達が無事に川を渡れるように自分が細工をした方がいいだろう。


 眠り薬混入の猿用餌を取り出し、そこら中にばら撒いていく。コツコツ溜め込んだ甲斐あって、結構な数を小さい猿達が集めて、猿山に持って行った。


 更に野猿達もコソコソとおこぼれに預かるように、一個二個くすねてはコソコソと食べ、そこらでコロンと眠りこける。


 そんな折、川の対岸に灰毛狼が合流した。

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