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37.調合『お婆ちゃんの話は長い』

 ディテクティブスペシャルが戻って来た事で、やっと身の回りが整い、ある程度自分の形と言うかあるべき姿のベースが出来たんじゃないだろうか?


 でもまだまだ新人、こんな所で留まっていても仕方ない。


 上を目指すべくまず手に入れたのは<調合>だ。


 他にも気になるスキルはいっぱいあるが、現状自分のスキルは


 Pパッシブ <察知>

 PA  <聞耳>

 Aアクティブ<製作><精密><製造><解体><調合><設置>


 と、かなりアクティブだらけ、と見えて実際にはセット枠はPとA二つづつしかないので、コレでいいのだ。


 外で狩りをしている時は、


 P <察知><聞耳>

 A <解体><設置>


 に対して、街中で準備する時はアクティブを入れ替えて使っている。


 あまり外で入れ替え何かやっていると、いつ敵に襲撃されるか分らないし、現状はこれが安定している。


 本当はAにもう一枠あると<精密>も入れられて、スキルを使用する度一定時間命中率が上がるのだが、今は仕方ない。生産でも効率が上がるらしいし、街中用に使って行こう。


 さて<調合>に戻るが、コレは今後自分にとって生命線となるスキルになる可能性がある。


 そしてこれに必要な道具は〔調合台〕だ。


 今まで無料で工房を借りていたがコレはそれこそ新人の為の救済措置。生産の第一歩である<製作>を通して基本的な生産ルールを学ぶ施設だったので、これからは自分専用の生産設備を持つ事になるのだ。


 ちなみに今自分が持っているのは〔簡易作業台〕と〔服飾作業台〕の二つ。片方はただの木の机で、もう一つはミシンとなっている。


 まぁまだ自分の力量では〔簡易作業台〕で大抵の物は作れるらしいが、汎用から徐々に専門に向って行くと言う事で、おいおい〔調合台〕も手に入れていく予定だ。


 さて、それでは作業……とは行かない!自分はまだ始めて間もないゲームでとても重要な事を学んだ。


 何かする前にNPCに一応話を聞いておいた方がいい!コレだ!


 <調合>を試すならまず絶対行くべき場所がある。普段〔毒液〕や何かを保管する瓶を買ってるお店だ。何気に足しげく通っているので、すっかり顔馴染みと言ってもいいのではなかろうか?


 「こんにちは~!御話伺いたいんですけど~!」


 「客じゃないなら帰りな」


 相変わらず気難しいお婆さんだが、自分は知っている。このゲームのNPCは何故か皆教えたがりで、何も聞いてなくても訪ねて行けば勝手に色んな情報をくれるのだ。


 「<調合>を手に入れたので、必要な物は買っていくつもりなんですけど、必要なものが分らなくて」


 「なんだいなんだい!欲しい物もないのに来たのかい?仕方ないね!まず一つ目に、あんた〔ボルト〕と〔仕掛け矢〕使い分けてるのに、何で矢筒は一個なんだい?二つ装備するか、改造して一つの矢筒に分けて矢を入れられるようにしたらどうだい?重量に問題があるなら〔改造ボルト〕にしてもいい。枝から作った矢じゃ早晩使い物にならなくなるよ」


 うん、いきなりヒントをくれたんだけど、自分の装備に対する駄目出しだった。


 「あの……〔改造ボルト〕ってどうやって作るんですか?」


 「そんなものは<製作>スキルレベルを上げて、工場区画で拾える〔シャフト〕と〔廃品〕で作れるよ!銃砲店で売ってるボルトみたいに金属削り出しじゃなくて、中空にする事で矢の内部に火薬や薬液を入れられるから、〔蜂の針〕なんかよりよっぽど薬効が強くなるからね。ただし消耗も増えるよ」


 火薬って言った?それじゃ、爆発する矢も作れたりするのか?確か空中ドローンが落とす火薬袋も、アレって上から落とすだけで軽い爆発を起こしてダメージを与える物だって聞いたし、そういう事か!


 コレは早速手に入れねば!余ってしまう〔仕掛け矢〕は罠用に使っちゃえばいいし、全く問題ない!


 「じゃぁ、早速……」


 「二つ目に〔毒矢〕や〔麻痺矢〕もいいけどね。瓶のまま投げつけても効果はあるから、上手く使い分けな。時には雑でも早さが重要な時もあるよ」


 確かに今まで一々薬液に矢の先端を浸してからセットして、一発目使ったらあとは店売りの〔ボルト〕で対応していた。しかしこれからはもっと柔軟で素早い対応を求められると言う事だろう。


 「よし!それじゃあ……」


 「三つ目やっと<調合>の話だね面倒くさい。まずは回復かね?〔Gハーブ〕は基本的にHPの回復に使う素材だけど、似たようなハーブに〔Rハーブ〕〔Bハーブ〕〔Pハーブ〕〔Yハーブ〕……まあ色違いのハーブなんだけどね。これが火星に適応した草の中でも人様の役に立つ薬の元さ。地球のお高く留まった連中は最新ナノテクノロジー何とかの救命何とかって薬使ってるがね。あんな高い物私らには気軽に仕えないよ」


 「えっと?そのハーブによって薬効が違うって事ですか?」


 「それは<製作>レベルさね。<調合>なら混ぜ合わせる事で薬効の強い物を作れるって話をしたかったのさ。まぁ環境実験区の方から外に出られるようになればいずれ見つかるから、色々試してみな。失敗も経験の内さ」


 なるほど!今はHPの自然回復スピードが上がる〔錠剤(自然治癒)〕しかないけど、もっと回復力の上がる物も作れるって事か!高性能ポーションとかもしかしたら作れるのか?救命なんとか?って言うのも気になるけど、自分はどうやらハーブ混ぜろって話だし、他のハーブも是非とも探さねば!


 「分りました!それでは……」


 「あとは、毒関連だねぇ……」


 

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