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22.認知『素材屋とは?』

 何だかんだ工場入り口周辺のドローンは何とか倒せるようになり、一安心だ。


 ちなみに空中ドローンに関しては、ファン部分を片方ピンポイントで打ち抜けば、ゆっくり落ちてきて<解体>できる事も分かり、材料関係を手に入れる事も出来た。


 程ほどの所で街に帰還し、新人に優しいガンスミスの店に向う。


 何しろ何の目的も無く工場でドローンを倒したわけじゃない。自分のディテクティブスペシャルとクロスボウを強くできる可能性があると踏んでのことだ。


 そしてその為にはドローンから手に入る部品が必要だというので、まず集められるだけ集めてきた。


 これで足りなければまた狩に行けばいいし、新たな目標にするだけの事。何より新人に優しいガンスミスの店はいつでも開いているわけではないので、出来るだけの事はやっておいた方がいい筈だ。


 そんなこんな店に近づくとどうやら開いている様だが、先客もいるらしい。


 ちょっと離れて<聞耳>で様子を窺ってみると、どうやら女の子2人組み?


 「ね~!な~んでよ~!新人に優しいって看板は嘘だったの~?」


 「いや、待てって!落ち着いて聞けっての!確かに俺は新人じゃガンスミスと渡りをつけるのも難しいだろうし、だからと言って放置してたら、新規プレイヤーが減ってゲーム自体が寂れると思って、こうやって未だに定期的にこの街に顔は出してるさ!」


 「あの……そうですよね。でも、私達の武器はアップグレードできないんですか?」


 「そうだよ!何で私達は駄目なの?」


 「いや、だ~か~ら~!客を選り好みしてる訳じゃないっての!素材が足りないんだってば!」


 「え?でも……」


 「だから〔廃品〕だったら山程持ってきたじゃん!工場のドローンから取れるドロップ品が必要なんでしょ?これじゃ足りない?」


 「そうじゃないって!ちゃんと聞いてくれよ。今の君達の装備はあそこの銃砲店で買った物だろ?つまり〔廃品〕だけで組み上げたでっち上げ品って設定なんだ。それを少しづつ正規品に近い素材に改造していくと、段階に応じて武器も強くなるわけだ。射的距離が伸びたり、より強力な弾が使えたりとかだな」


 「はい!確かに攻略にはそうなってました」


 「だから、金属で出来てるっぽいドロップ品を集められるだけ集めたじゃん!」


 「それだと、駄目なんだよ!例えば〔金属板〕でもあればだな!フレームを入れ替えて、強力な弾を撃てる強度が出るし、中身の部品を入れ替えて連射も効くようになる。〔簡易動力〕や〔簡易回路〕は機関銃系に使われるし、〔火薬玉〕やら〔粉金属〕でも持ってくれば、生き物によく効く〔軟頭弾〕なんてのも作れるって訳だ」


 「まずは〔金属板〕かぁ……」


 「え~……どれも一つも持ってないんだけど、もっと難易度の高い場所に行かなきゃ駄目?」


 「いや、違うんだって。クリーナーっているだろ?あいつらからでも採れるんだが、こんな序盤の街に素材屋なんてないからさ。どこかで有志を募るしか方法がないんだって!だから少し時間がかかるぞって言ってるの!意地悪したいんじゃなくて、損を覚悟で手伝ってくれる奴がいないか探すって言ってるんだよ」


 「損をさせてしまうのは、申し訳ないんですけど……素材を集めて本当に損するんですか?」


 「そうだよ!ちゃんと買うよ!別にただで頂戴なんて言ってないし!」


 「はぁ……あのな。ドローンを<解体>して素材を得るには攻撃をしすぎずに無力化する必要があるんだ。基本的なところだとチャフグレネードだが、コイツはここで売ってる最低ラインのものでも500クレジットはする代物さ。素材を数集めようとしたら幾ら掛かると思う?」


 「え?そんな……何でそんな酷い仕様……」


 「皆はどうしてるんですか?そんな簡単に手に入らないもの」


 「一つはどこかのクランに入って融通してもらう事か?将来の成長を見越した投資だな。もしくは多少死に戻る事も覚悟でもう少し奥にいるボスや何かを倒して手に入るドロップ武器を使うだ。コレは思い通りのものが手に入るわけじゃないし、寧ろ手に入れた物に自分を合わせる形になる。あとは何とかお金稼いで、自分でチャフ使って無力化して<解体>するだな」


 「待って、何とかなるならお願いした方がいいんじゃない?」


 「そうだよね。それまでお金貯めておく?」


 「あ、あの……」


 話を聞いていて、思わず横から入ってしまった。


 「おう!ラビか!悪いな今取り込んでてな!まだ時間有るなら少ししてから来てくれよ」


 「あっ!この前の変な人!」


 「え!駄目だよ。そんな……ごめんなさいすぐ終わるから」


 「いや……〔金属板〕とか持ってますけど?」


 「え?ええ!譲って!ちゃんと買うから!」


 「ほ、本当に?ってちゃんと謝った方がいいよ。変な人って……」


 「いやちょっと待て!確かに女の子の前で格好つけたいのは分るが、安くは無いだろ。幾らで売る気なんだよ。この子らも新人なんだぞ」


 「え?べ、別に高いお金使って手に入れたわけじゃないし、幾らでも」


 「高くないわけ無いだろ!その腰のチャフ使ったんだろ?そういうのは人によっては足元見られるし駄目だぞちゃんと言わないと!」


 「これは……ただのお守り代わりで、罠で集めました」


 「わ、罠って……なんでまた……まぁいいや。あまりスキルビルドを人前で話すもんじゃないし、それはまた後でにしようか。じゃあこの2人で出せる金額つったら〔金属板〕5枚で500クレジットとかどうだ?」


 「別にいいですよ。まだ店売りはしてないですけど、そんなに高くはないですよね?」


 「一応店売り価格にあわせたんだけどな……本当に最低価格だが、悪いけど融通してくれ」


 言われるままにアイテムボックスから取り出し、コットさんに渡すと代わりに500クレジット受け取った。


 「ありがとう素材屋さん」


 「さっきはごめんね!これで少し強くなるし、何かあったらいつでも言ってよ!ところでどうやって〔金属板〕集めるの?」


 「罠か……あっ!飛行ドローンだったらプロペラを狙い撃ちすれば、偶に〔金属板〕も落とします」


 「え?私サブマシンガンだし」


 「私はグレネードランチャー」


 「どっちも素材集めには向いてないんだよ。でもまぁ、これで取り敢えずは何とかなるな」

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