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186.会敵『ネギどころじゃない』

 「お頭!そちらは危険です!」


 「え?あっそうなの?」


 「確か地雷を埋めていた筈なので、迂闊に踏むと一発です。もし木に登れるなら上を行った方が……」


 「登れないから回り道しようか」


 影丸さんと食材探しに来たものの、森の中は牡丹さんが仕掛けまくった爆発物の所為で、ただ歩くだけもままならない。


 って言うか結構念入りというか、やたら細かいというか、ちょっと粘着質な位、徹底的に仕掛けてある。


 ため息一つついて、慎重に木々の間を抜けていく。


 「お頭!」


 「何?また何か仕掛けられてるの?」


 「NINJAのクラスについて教えていただきたいのですが?」


 「ああ~別に自分も偶々だしな」


 「場所はどちらで?」


 「黄金の森だっけ?メープルシロップの採れるところなんだけど」


 「あっあんな場所にそんな隠しクエストがあったのか!」


 「そう言えば、何もある訳じゃないので有名なんだっけ?」


 「ある訳じゃないという日本語はよく分かりませんが、確かにメープルシロップが取れるだけなので、物好きしか行かないので有名ですね。後は序盤の木材系集めとか?ただ<木工>を取得するプレイヤーがそもそも少ないですから、海外でも人がいないです」


 「自分はステータス補強とか武器のグレードアップで結構木材はお世話になるんだけど」


 「確かに獣素材や木材はステータス補強として使われますけども、どうしても武器や防具としての性能自体は落ちがちですから、よっぽど偏ったステータスのプレイヤーじゃないと使わないんじゃないでしょうか?」


 「じゃあ、影丸さんも普段は結構がっちり装備?」


 「忍にあるまじきですが、それなりに金属防具を装備してます」


 「武器は?」


 「炮烙火矢の代わりに手榴弾を使ったり、煙玉の代わりのスモークグレネード、火縄銃を使ったという記録もありますからライフルも使います火炎放射器も使うか迷ったのですが、流石にサイズが大きすぎて忍が持つにはおかしいと思ったのでやめました。刃物はこだわって結構な種類揃えてます」


 なるほど、一応忍者をモデルにして、装備は選んでるけど結構普通の装備の様だ。


 「自分は、クロスボウと投げナイフと毒類と罠だから念の為、手榴弾とチャフも持ってるけど」


 「忍すぎる……さすがお頭!」


 別に忍者っぽさを狙ったとかじゃなく、偶々成り行きでそうなっただけなんだが、まあ仕方ない。


 それよりも、


 「ちょっと待って影丸さん」


 先を行く影丸さんを止めて、木陰に身を潜める。


 「どうされましたか?」


 小声で訪ねてくる影丸さんだが、耳を澄ませると誰かの声が聞こえてきた。


 「うわ……なにこれ?やばぁ……サバイバルでここまでの爆弾揃えるとかありえなくない?」


 「仕掛け方が甘いから見つけられたけど、確かにやべぇな。メドゥーサでも参加してたか?今回のイベント」


 「え~?いなかった気がするけど?それにあそこはいつも三姉妹で動いてんじゃないの?タッグバトルなんか出ないと思うんだけど?」


 「だよな。にしてもこれは異常な数だな。何考えてこんなに仕掛けてんだ?」


 「本選だから、あるだけ仕掛けたとかじゃないの?とにかく生き残れるだけ生き残るみたいな?」


 「生き残るだけじゃ意味無いだろうが?プレイヤー倒して、メダル回収して意味があるんだから」


 「予選でよっぽど儲けたとか?」


 「それで、回収しなかったらさっさと死んだって同じだろ?」


 「じゃあ、何でこんなに仕掛けたのよ?」


 「それが分からないから、困ってんだろうが」


 そんな会話が聞こえてくるのだが、どうやら隠れる気はないのか、どんどんこちらに近づいてくる。


 「お頭自分は上から」


 小声でそれだけ言うと、木の上にスルスルと上っていく影丸さん。


 自分はナイフと毒瓶を引き抜き、木陰で静かに待つ。


 かなり声が近づいてきたと思い、いつでも投げやすいように軽くナイフを持ち替える。


 「おい!そこに隠れてる奴!」


 急に大きな声がして、思わず体がビクッと反応した。


 「え?誰かいるの?」


 「ああ、この距離まで<看破>が効かないとなると<隠形>かなんかの使い手だろ」


 どうやらすぐに撃って来る様子ではないのだが、果たしてどうしたもんだろうか?


 「どうする?撃っちゃう?」


 木陰から出るに出れない状況に、緊張で口が乾く気がする。


 その時、唐突に爆発音が鳴り響いた。


 「何だ?急に!」

 「え?やだ?」


 自分も心臓が飛び出るかと思ったが、同時に聞こえた狼狽する声に、木陰から飛び出して敵影を確認すると、後ろを振り返って自分から目線を逸らしているのが確認できる。


 すぐさま、一人の後頭部の急所に向けてナイフを投げつけ、もう一人に毒瓶を当てる。


 そのまま、転がり込むように別の木陰に入り込む。


 「え?何?冷た!」


 「……」


 「え?何で何も言わな……ナイフ?嘘?」


 「くっ……」


 「大丈夫?」


 「ああ、思ったよりダメージが入ったが、所詮はナイフだ一瞬動きを止めるだけだったな」


 「ああ、良かった~。やっぱり誰か隠れてたんだ?」


 「爆発音がしたって事は、仲間もいるって事だろ?前後で挟まれてるって訳か」


 「え?ヤバいじゃん」


 「ああ、どうするか……」


 「どう……す……」


 バサッと、草の上に人の倒れ込む音がした。


 「おい!何だよ急に!え?……死んでる」


 更に、そこにもう一つ何かが落下する音が聞こえた。


 「あなたも死になさい」


 影丸さんの声と共に、森が静かになった。

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