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179.交渉2「意外といい人で助かった」

 「うん、碌なものが無い」


 露店を先程よりもじっくり一個一個見て回ったものの、感想は以上だ。


 「はっ!そりゃあね」


 ふと、誰に言うでもないような声が聞こえたので振り向くと、露店を出して座り込んでる小柄な人物がいた。


 目が合うと、何となく自分の独り言に独り言で答えたんだなと言うのが雰囲気で分かる。


 「あの、何でいいものが置いてないんでしょうか?」


 「え?あ?そりゃだってこれから戦う間柄なのにそんないい物なんて渡すわけないじゃん?」


 言われてみればその通りだ。


 拾ったものを何でもカンデモ売ってたら、そりゃ自分に不利になるに決まってる。


 って事は多分、みんな自分で欲しい物を買う為に必要なお金を手に入れる為、最低限だけ売り買いをしてるって事か?


 でもそれならば、こんな数の露店を出す必要も無いはず?


 「えっと……不利になるのが分かってて、なんで皆して売り物出してるんですかね?」


 「……まじで言ってる?」


 「はい」


 「もしかして初心者?」


 「どうなんでしょう?このイベントは初めてです」


 「ふーん、よく予選生き延びたね。まあいっか!当然ながら皆お金が必要だから売り物をしてる訳だけど、露店に並んでるような物なら、別に宝箱の一個でも拾ってれば十分に買えるから、不思議に思ってるんでしょ?」


 「そうです」


 「だろうねぇ、露店に投げ売りされてるような適当な装備品買っちゃうくらいだもんね」


 自分の服装を上から下までまじまじと見ていう感想がそれなのだから、よっぽど酷いのだろう。


 「上手くすれば、いい物も買えるって事ですか?」


 「うん、そうだね。上手くするも何も交渉するしかないんだけどさ」


 「ああ、交渉ですか……」


 「苦手そうだね。まぁ初心者じゃ仕方ないか。露店を見るとさ、食べ物露店は食べ物露店、機械部品は機械部品みたいに分かれてない?」


 「言われてみれば?」


 「つまりその類の物を持ってますよって事、でも手の内は全部明かせないから後は欲しい物を直接交渉するしかないって訳」


 「……でも欲しい物を言ったら、こっちの手の内もバレるって事になります?」


 「正解!そこは察しがいいね。だから予選で手に入れたカードで本選をどう戦うか考えて必要な物を集める時間が今って訳だ。君は何が欲しいんだい?」


 「クロスボウですかね」


 「残念!クロスボウは持ってないね」


 「中が空洞になってるシャフトか、蜂の針は?」


 「ああ、デバフ系の矢を作りたいのかな?使い手は初めて見るけども、それならあっちの金属廃材を置いてる露店で売ってたかな」


 「じゃあ次はあそこに行くとして、ここでは何売ってますか?」


 「こっちの欲しい物が出せるなら教えてもいいけど、食料って何がある?」


 「干し肉ですかね。後は貝だったらこの場で調理してもいいですよ」


 「寧ろさ、その調理器具売ってくれない?」


 「え……」


 どうしよう、凄く持ち帰りたい品なのに、これを求められるとは思ってなかった。


 とりあえず、本選がどれくらいの時間かかるものかは分からない物の、干し肉はあるし、貝もあるだけ日持ちする物に変えちゃえば、渡してもいいか?


 「残り回数、何回以上とか条件ありますか?」


 「ああ、そこはちゃんと騙さずに聞いてくれるのか、何か見た目通りいい人だね。20回もあればいいよ」


 「分かりました」


 そう言って、貝類を全部日持ちする乾き物に変えて、調理器具と万能調味料を渡す。


 「え?思った以上にいい物じゃん。って言うか万能調味料って、イベントアイテムじゃレア寄りだよ?本当にいいの?」


 「約束なので、売ります」


 「ふーん……仕方ないこっちも手の内晒しますかね……うちはトラップ屋だよ」


 「罠ですか?」


 「うん、それ以外にトラップって何がある?水道管は流石に売らないよ?」


 何で水道管の話が出てきたのかは分からないけど、罠だったら凄く助かる。


 「ちなみにどんな罠がありますか?」


 「まぁ、色々だね。手元の素材を組み合わせればいろいろ作れるし……何か随分と興味持つけど、トラップ欲しいの?」


 「欲しいです」


 「珍しいね君」


 「そうなんですか?」


 「そりゃね<設置>なんて使うのは本当に限られてるからね。TEAM活動してる連中なら拠点防御とかで一人くらい使える奴がいるかもって位だけど、そう言うのって大抵自作も出来るもんだからね」


 「自分もある程度は作れるんですけど、必要な素材が全然足りなくて」


 「へぇ……縁があるね。トラップ使い同士、少しは面倒見てやんきゃいけないかぁ」


 「何か、すみません」


 「いいよいいよ。それで普段はどんな罠使うの?」


 「えっと、弓罠とか毒系が多いです。金属と酸があれば毒ガスとか、後は海中のクラゲとか魚から獲れる素材とかで色々って感じです」


 「……アナログだね……クレイモア地雷とかじゃないんだ?」


 「くれいもあ?」


 「うん、いいや。絶対分からないって顔してるから大丈夫!気にしないで!じゃあこういうのどう?」


 そう言って渡してくるのは、何か1㎝位の小さい玉?


 「何に使うんですか」


 「撒いておくと、踏んだら割れて破裂音がする」


 「はぁ……」


 「うん、他に何か……」


 「それ、凄くいいじゃないですか!」


 「へ?」


 要は適当に撒いて置くだけで敵の接近が分かるって事だ!糸引っ張って音を鳴らす装置作るより、ずっと手早く仕掛けられるし、完璧じゃん!

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