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172.燻製『携帯食料と言えばこれ』

 一先ず、焼き貝で全員のお腹がいっぱいになった。


 そして、食事と同時進行で非常食も〈製作〉している。


 〔携帯コンロ〕〔万能調味料〕に生肉を載せて、更に拾った枝も乗っけていくと〔燻製ささみ〕と出たので、多分さっきの連中が落とした生肉は鶏肉だったんだろう。


 ろくに確認せずに肉だからととりあえず調理してしまったが、多分食べれる。


 出来た分だけ人数で分け合えば、いざ火を起こせない状況でも空腹で困る事は無いだろう。


 あとは……。


 「水が欲しいよね!川か井戸でもないかな?」


 「いや、先に闇商人見つけるんじゃないのかよ?」


 「タツの言う通り、闇商人さえ見つければその辺もどうにかなるだろ」


 自分は水を探すつもりだったんだが、ここは一旦黙っておくか。


 一応瓶も作ってあるし、汲める場所さえあれば何とでもなると思うんだけども?


 「ラビはどう思う?」


 「ん~どっちにしても歩いて見つけるしかないんだし、進んでみたらいいんじゃない?」


 「お前はただ色々と拾いたいだけだろ?」


 「いや、でもラビの言う通りだな。進むしかないのに変に選択肢を狭めるのも勿体ないか?」


 何だかんだと話はまとまり、また再び森の中を隠れながら進む事に……。


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 道中、右を見ても左を見ても素材だらけで、宝の山!


 自分のアイテムボックスだけではしまい切れない素材をP.W.やG.R.やタツにも分けて持って貰い、いい感じに隠れられる場所があれば、アイテムに変換していく。


 「おい……一応目立たない所でやってるのは分かってるけどよ。あんまり時間かけんなって!どこから狙われるか分からんだろうが!」


 「大丈夫じゃない?ラビは割と遠くまで把握してるっぽいし!」


 「ああ……っていうか、そもそもタツが狙撃手って事は、ラビがスポッターって役割分担じゃないのか?」


 「すぽった?」


 アイテムづくりに専念してる所に、聞いた事ない単語が飛び込んできて、思わず手が止まる。


 「いや、俺は一応ソロ狙撃手だけど?始めたばかりの頃に誰かつけるか?って先輩には言われたけど、足引っ張るのも悪いし、とりあえず自立してからって事にしてあるんだわ」


 「へぇ?じゃあタツも自前で索敵能力鍛えてそうなものなのに?」


 「アレじゃないか?遠距離特化で、広範囲に圧掛けるタイプのスタンダードスタイル」


 「すぽったがいないと、スタンダード???」


 「スキル構成は内緒だけど、まぁ開けた場所の方が得意ではあるよ」


 「ふーん?じゃあ、多分強いTEAMかクランに所属してんだねぇ。スナイパーに相手の動きを制限させて、ポイントは接近戦で取るって事でしょ?個の能力が高くないと無理だもんねぇ」


 「あんまり、分析するなって!偶々手を組んでるだけなのに根掘り葉掘り悪い癖だぞ」


 うん、よく分かんないけど、確かタツって強い先輩かなんかに付いていって教わってる筈だし、多分そんな感じなんだろう。


 話を聞きながら手を動かしてる内に、色々準備が出来てきた。


 一番助かったのは〔弓罠〕を始めとした<設置>できる罠が揃ってきた事。


 道中の蜘蛛以外にも蛇やなんかに出会って、毒だけでなく麻痺も可能になったのが大きい。


 酸はまだ見つかってないから防御こそ下げられないけど、普通にこのフィールドの毒も麻痺も効果が高いっぽいし、いけるでしょ!


 あと、問題は金属系の敵が出ない事かな~。武器類のアップデートができない!木材も木の敵から取得できるようなサイズのあるものが出てこないし、武器のグレードアップだけはさせないつもりなんだろうか?


 「あ?終わったのか?じゃあそろそろ行くぞ!何だかんだ弾もそろそろ無くなるし、早いとこ闇商人見つけねーと!」


 そう言って、さっさと歩きだすタツだが、


 「ちょっと待った」


 「あ?!何だよ!まだ何かあるのか?」


 いや、間に合わないや。


 すぐさま、左手にデリンジャーと右手にナイフを抜いて、タツに向かっていく。


 「へ?」


 タツが変な声を出したと同時に、ペシャッと上から押しつぶされた。


 姿もちゃんと確認せずにナイフを投げつけると、肩口に刺さったが、相手はちょっとよろめいただけでタツをきっちりホールドし、タツの頭に当てた銃はぶれない。


 「待て……いい腕だが、次は無い」


 P.W.は銃を構えてはいるが、まだ敵に銃口は向いていない。


 G.R.もまだ銃口は下を向いているまま、止まった。


 「今の、どうやったの?」


 「ラビ?」


 「聞いて教えてくれるわけ無いだろ……」


 「AGIとVITとSTRを上げてると出てくるアクロバット系の派生スキルだ」


 かなり曖昧な質問をしたっていうのに、まるでこちらの心を読んだかのようにちゃんと答えてくれる。


 っていうのも、相手は今どう考えても木の上から降ってきたのだが、どうやって木の上に登って、そこから落っこちれるのか、不思議でしょうがなかった。


 ちなみに落ちてきたのは落下特有の音がしたからなのだが、それにしても凄い身のこなしだ。


 「それで、要求は何だ?殺さないって事は何かあるんだろ?」


 自分が、感心しているとG.R.が代表して話を進めてくれる。


 「ああ、Killメダルが欲しいんだが、持ってないか?」


 また、知らない単語が出てしまった。


 着るめだるっていうのはどういう物だろうか?着ぐるみ的なやつか!

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