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170.飢餓『なんか仲間が増えてくんだけど?』

 う~ん……凄くいい!


 蜘蛛から手に入れた毒だが、やたら効きがいいっていうか、かなり強力っぽい。


 問題があるとしたら、装備が初心者服に戻ってるせいで、投げても飛距離があまり出ないって事くらいか。


 さっきは崖上からだったからいいけども、同じ高さの相手にぶつけるのは、結構近距離じゃないと厳しいかも?って感じ。


 とりあえず、今毒で倒した二人からドロップ品を漁ると、出てきたのは白いコイン30枚とライフルとはまた違った感じの銃?


 シンプルな形なんだけど、なんでか砲身が二つ付いてる……?


 あっ!なんか西部劇で見た事あるかも!ショットガンだ!短く切って銃の下手な若い相棒とかに持たせてたような……そんなーシーンが頭をよぎる。


 「おい!そんな無警戒で進んでたら危ないぞ!」


 「いや、でも特に気配とか感じないし……」


 「気配って?何かそう言うの感じるタイプなのラビって?」


 「人影とか、物音とかそういうのだろ。それにしたって気配を消すスキルもあるんだから気を付けた方がいいぞ」


 そう言えば、自分も思いっきりそれ使ってた。


 今後はもっと気を付けようと心に誓うと、自分が持っていた銃に皆が目を向けてきた。


 「今回のドロップはそれって訳か」


 「うん、後は白いコインアイテムボックスに入れると〔白金貨〕って出るね」


 「じゃあ、今回はG.R.が持っとく?得意武器だし」


 「いいのか?見た所型式は分からんけど、水平二連ショットガンっぽいな」


 まぁ、得意武器ならとG.R.にショットガンを渡し、一緒にドロップした弾も渡しておく。


 「そんな時間経ってないと思ったけど、結構銃持ってる奴も増えてきたな」


 「でも、金貨をドロップしなかったって事は、金貨をそもそも拾ってないか、金貨で買ったかって事なんじゃないの?」


 「でも、持ち物全部ドロップするかもわからないからね~」


 「確か情報だと、かなりドロップ率はいいはずだ。何しろこの島で拾ったもので生活してるんだから、全部落としたって誰も損しない訳だからな」


 「でもフルドロップではないんだな」


 「フルドロップだったらナイフも拾えそうだよね」


 「確かにラビはナイフあった方が良さそうだし、ナイフ落としてくれてもいいよね!」


 「フルドロップじゃない理由は、仮に死に戻っても参加賞代わりにこの島で拾ったものは持ち帰れるからさ。だから銃器と金貨に関してはほぼフルドロップじゃなかったか?道具系は使用の回数制限あったろ?戻って通常プレイで使うと便利すぎるからって話だったと思うが……」


 な!〔万能調味料〕や〔使い捨て食器〕って持ち帰れるの?!!!


 どうしよう……出来るだけケチりたい!


 そんな事を思ったら、そろそろ空腹度が減ってきている事に気づいてしまう。


 どうにか、皆に忘れさせられないだろうか……?


 「なぁ、とりあえず、一旦隠れて飯にした方がよくないか?」


 黙れタツ!自分は持って帰りたいんだ!〔万能調味料〕と〔使い捨て食器〕を!


 「とりあえず、先に闇商人見つけないと………」


 「確かに連戦で、気が付いてなかったけど結構時間経ってるじゃん!危ない危ない!ナイスタツ!」


 「そうだな、一旦隠れて食事にしよう」


 くっ!ダメだったか!まぁ、仕方ないか。


 とりあえず、貝と〔携帯コンロ〕〔万能調味料〕〔使い捨て食器〕を取り出して、適当に良さげな物を選ぶ。


 「今の所、食材は貝しかないから他の食材も手に入れたい所だよな」


 「うん、目ぼしいのはスープと貝の燻製と貝の焼いたやつなんだけど、とりあえず焼き貝でいいよね?」


 「焼き貝!ハマグリがあったらいいな~!」


 「個人的にはサザエが好きなんだが、あるか?」


 どうやら二人は貝好きらしい。そしてサザエだけない!残念。


 あっという間に調理が完了して食べようとした瞬間、


 ガサガサ……


 背後から気配を感じ、貝を持ったまま低木の影に伏せる。


 どうやら自分の動きで全てを察してくれたのか、皆も一斉に近くの茂みに飛び込んだ。


 偶然か狙ったのか、隣に転がったP.W.がハマグリを一つ取り、口に放り込んだところで、自分が調理していた携帯コンロに人影が近づく。


 味わうようにハマグリを噛みしめながら、P.W.が箱のようなサブマシンガンを取り出して構える。


 すると、


 「待ってくれ!敵意は無い!」


 人影の方から声が掛かり、どうしようかとP.W.と目を合わせる。


 ちょっと気まずい間が空き、他の場所に隠れてたG.R.が代表して声を上げてくれた。


 「どういう事だ?下手に動いたら撃つぞ?」


 「分かってる。このまま手を挙げて話すよ。簡単な話、手を組まないか?」


 「条件による」


 「だよな。そりゃそうだ。だけど話ができる相手で良かったよ。実は相方がもうやられててさ。俺一人なんだが、食料も無くて、そうしない内に今度は空腹デバフでHPが削られ始めるって所なんだわ」


 「ほっといても死ぬって事か?」


 「ああ!銃もないし、このまま死に戻ってもいいんだが、運がいいのか悪いのかヒントだけはやたら拾っちまってさ。ヒントと交換で飯手に入れられないかなってそういう提案なんだわ」


 「手を組むってのは?」


 「まぁ、それはあんたらが良ければって話さ。一人じゃどこまで生き残れるか分からんし……」


 「分かった、俺が先に代表して出て丸腰か確認する。他の銃口があんたに向けられてる」


 そう言いながら、G.R.が人影に近づいていく。

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