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16.乱獲『元手を減らし出来るだけ稼ぐ』

 地下道でまず試すべきは〔毒餌〕だ!


 こいつは獣の肉を〔餌〕に変えて、その後毒液を混ぜるだけ!〔毒液〕一瓶で10個まで作れるのだが、効率がいいのやら悪いのやら。


 とりあえず〔毒餌〕を地面に置いて、少しはなれた所でクロスボウを構えて待つ。ちなみにセットしているのは〔毒木矢〕だ。


 すると、どこからともなく集まってきたドブネズミが3匹〔毒餌〕に群がり、食べ始めた。


 そして、少し様子を窺っていると、コロッ、コロッ、コロッと死んでしまう。


 それぞれ触れて手に入るアイテムは〔鼠肉〕〔鼠皮〕ばっかりだが、狸の肉と蜂の毒だけで30クレジット以上の収入になった。


 更に結構遠いものの、薄暗い通路の向こうに赤い目が見えたので、目の間を狙って矢を放つと走ってこちらに向ってくるドブネズミだが、二本目の矢を番えている内に倒れて死んでしまった。


 また死体をルートし、アイテムを拾っている内に遠くに見えたドブネズミを撃ちぬき、それを拾いに行く。


 周囲にドブネズミがいなくなったら〔毒餌〕を撒けば、どこからともなく現れて食いついて、コロッと逝くし、見えたら見えたで〔毒木矢〕を当てれば走っている内に死んでしまう。


 なんとも呆気ないというかなんと言うか……毒って有りだなって、実感した。


 矢は弾に比べて安いし、自分のような新人でもあっさり作れるくらいコスパがいい。


 銃を撃つと耳が痛くなるからってそれだけの理由で、クロスボウを選択したんだが、初期装備のチョイスとしては間違ってなかったんじゃないか?


 そんな事を考えつつ〔毒餌〕を使いきった所で、引き上げる。あまり追い込んで死に戻っても面白くないし、引き時が肝心だろう。


 保安官舎に持ってけば750クレジットと前回の半分だが、まあ悪くはない。


 当面は材料集めに環境実験区画とドブネズミ狩りの繰り返しがいいだろうか?まずは当面の資金集めと装備の充実をはかる所から、じっくりとやって行けばいい。


 そんな事を考えつつちょっとだけ残しておいた〔鼠皮〕と〔鼠肉〕と〔鼠歯〕を持って皮毛骨肉店へと向かう。


 この前行ってみた感じだと、自分が売った素材に対応して、掘り出し物?が買える様な雰囲気だった。


 つまり、まだ売った事のない鼠ドロップを売れば、もしかしたら少しは面白い物が手に入るかもしれない!そんな期待を胸に素材を売ると、案の定新たな売り物が増えた。


 一つは皮の帽子。フライトキャップとでもいうのだろうか?耳当てがついていて、折り畳めるようになっている便利な帽子だ。これは即購入!


 もう一つは〔餌〕だったが、これは自分で作れるので、止めておく。


 最後に皮紐で鼠の歯を吊っただけの首から提げるお守りが出たのだが、VIT+1の効果と言う事で、これも購入した。


 帽子とお守りを装備したが、ポンチョとミスマッチな気もする。


 しかし、最初はこんなものだろうと諦めて、店を後にするといつの間にか新人に優しいガンスミスの店が開いていた。


 「こんばんは?」


 「お?お~!クロスボウの!何だよ~ちゃんと頑張ってんじゃないか!いや変なネタ装備売っちまったし心配してたんだぜ!」


 「そうだったんですか?でも矢って安いし、当面はこれで金策頑張ろうかと思うんですけど……」


 「そ、そうか?まあそれでいいならいいけどよ!それよりお前……ラビだったか?その装備の仕方はおかしいぞ?」


 急に装備の仕方を指摘されるが、自分では全く変だと思っていない。もしかして装備のミスマッチの事か?


 「ポンチョとかこの辺は手に入った物を間に合わせで装備してるので……」


 「違う違う!そのクロスボウ!街中なのに手で持ち歩いてるのか!って」


 確かにクロスボウを買って以来ずっと手に持っている。なんなら両耳を押さえたい時ですら、片手で片耳を押さえる事しか出来なかった。


 自分の不信感が伝わったのか、コットさんが話を続ける。


 「前にも言ったが、アイテムボックスに初期の汎用ホルダーが有るよな?その中にただの紐みたいなベルトがあるだろ?」


 言われて確認すると確かにアイテムボックスに入ってたので、取り出す。


 「そう!それ!ライフル系とか大きな物はそれで吊って肩に掛けるんだよ」


 「あの……矢のケースも掛けてるので、掛ける場所が……」


 「それも指摘するつもりだった。そのケースベルト通せる場所が有るだろ?ほらコレ!」


 言いながら、矢筒を腰のベルトに通すのを手伝ってもらい、クロスボウの器具に肩に吊る用のベルトをくっつけるのも手伝ってもらう。


 「よし!様になったんじゃねぇの~?」


 「凄い!こんな両手が空いた状態で移動できるなんて!」


 「それが普通なんだがな~……まあいいか!また困った事があったらいつでも相談に来いよ!」


 困っている時に限って空いてない新人に優しいガンスミスの店だが、これからも定期的に覗いてみよう。


 何しろ、困ってなくとも自分が思いつきもしない事を教えてくれるかもしれないし、何より知り合いのプレイヤーがいるというのが心強い。

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