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166.食事『まずは食べて考える』

 全くてのかかる困った幼馴染だ。


 イベント開始早々に2人組に見つかってしまったのだろう。


 様子を見る限り岸壁ギリギリまで寄って、海の中を覗き込んでいるように見えるのは、何が目的なのだろうか?


 一番考えやすいのはヒントを見つけて、謎解きをしたって可能性か?


 自分はただ運だけで見つけてしまったが、海の中にお宝があるのは確認できたのだし、その線が濃厚。


 もう一個はタツが自分が海にいる事を喋らされて、自分を探している可能性だ。それも無いとは言えないだろう。


 そうなるとこの場合、どうやって襲撃するのが正しいのか?


 海に気が逸れている隙に一気に駆け寄る?あまり現実的じゃない。


 じゃあどうするかと言えば、まずこっそり海へと潜って行く。


 三人が覗き込んでいる辺りまで近づくと、ちゃんと海中からでも波に歪んだ姿ながらどこにいるかちゃんと見えた。


 とりあえずまだ息は続くので、ゆっくりと追うと、一人の影が少し離れ海に顔が付きそうなほど近づいて覗き込んで来た。


 そこに、向かって一気に泳ぎ海から顔をだし、そのまま目の前の人物の首を左手で抱え込み、右手でナイフを突き出す。


 「うわ!」


 叫びながら、大きく仰け反って、左手から抜け出た相手が、勢いで尻もちを付き足を投げ出したので、今度はその左足首を左手で掴む。


 そのまま、左足を引っ張る勢いで海から出て、ナイフを逆手に持ち替えつつ一気に覆いかぶさる。


 すると、右側から何かが激突してきて、横に転がされた。


 よく見たら自分が襲撃していた人物とよく似た髪色の大柄な男が、勢い余ってその場に転んだところだった。


 「タツ!今!」


 「じゃねぇ!ちょっと待て!仲間だ!」


 「はぁ?!」


 タツが突拍子もない事を言うので、勢いがそがれてしまった。


 勢いのまま突き刺すつもりが、構えてしまって飛び込むタイミングを見失い、居ついてしまう。


 「この人が相方なの?」


 「はぁはぁはぁ……躊躇が微塵も無いんだが……」


 「間違いない。ラビも一旦待て、さっきそこで手を組んだんだ」


 「手を組む?」


 「一時的に仲間になるって事」


 「いや、だからそれは分かるだろ。一応今の所……」


 「一旦4人チームって事だ。それで今ラビを探してたって訳」


 「本来は敵同士だけど、敵が減るまでは仲間になるって事?」


 「うんうん!とりあえず見つかったし、一旦隠れようか?」


 「……そうだな。こんな目立つところで喋てるのはよくないか」


 「いや、襲われたのに二人は気にしないのか?」


 「タツが捕まってるのかと思ったんだから仕方ないじゃん」


 「うん、仕方ないよ。それにナイフ一本であれだけやれるんだし、ここは仲間になってた方が良いと思うよ」


 「同感だな。とりあえず森に入ろう。せめて遮蔽物があった方がいい。いくらまだ序盤で銃を持ってるプレイヤーが少ないっていってもな」


 大柄の男の意見に従うように皆森に行くようなので、自分も後ろをついて行く。


 森の中は妙に暗く感じるが、すぐに慣れ、所々に生えてる草が気になり毟る。


 「ねぇ?今、何拾ってたの?」


 「これは〔Gハーブ〕HP回復用の薬になる葉っぱかな」


 周囲を見渡すとそこら中の地面が光っており、素材収集スポットになっていた。


 〔枝〕〔葉〕〔Pハーブ〕〔Yハーブ〕〔Oハーブ〕〔食用ハーブ〕〔茶葉〕〔粘土〕〔砂〕……


 何でもあるじゃん!


 「おい!ラビ!遅れてるぞ!」


 「分かってるけど、何もない状況でこれだけ素材が集まるなら拾っておかなきゃ!」


 「何だ?そっちのラビ?でいいのか?あんたは採集系に強いのか?」


 「強いって訳じゃないですけど、素材は集めてますよ」


 「ねえ!食べれるものは落ちてない?多分そろそろ一回食事しないとまずいじゃない?」


 言われてステータスを確認すると、確かに空腹度がかなり危険な水域にきている。


 「いったん食事しないとな。どこで食う?」


 周囲を見渡すと、森の中に大きな岩があり、ちょうど身を隠す遮蔽物によさそうな気がした。


 すると皆同じ思いだったのか目が合い、そのままその岩まで歩いていく。


 岩は、やや斜めに傾いているのだが、不思議と倒れてくるような不安もなく、何とも具合がいい。


 そこに向かい合うように座り込み〔携帯コンロ〕〔万能調味料〕〔使い捨て食器〕それに拾った貝類を取り出す。


 どうやら〔携帯コンロ〕は料理専用の作業台の一種っぽい。


 そこに素材を並べれば、あら不思議鍋もないのにスープに始まり、焼き貝から刺身までリストに並ぶ。


 多分だけども、素材を潤沢に揃えられないイベント専用の調理アイテムなんだろう。


 自分じゃ到底作れなさそうなものでも<製作>があれば割と何でも作れそうだ。


 とはいえ、今の所貝しかないし、貝のスープと最初に配られたパンでも齧っておこう。


 一個貝のスープを取り出して、食べようとすると、やたら視線を感じる。


 「何を一人で美味そうなもの食ってんだよ」


 「あ?食べる?」


 タツの一言に、応えるとどうやら皆も食べたかったらしいので、同じものを作って渡す。


 とりあえず、リストに出てきたクラムチャウダーにしてみたんだけども、結構おいしい気がする?


 〔万能調味料〕が万能すぎるとか、そういう事を言ったら罰が当たるだろう。


 まずは海で冷えた体を温め、これからどうするのか、方針を固めて行こうか。

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