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118.取引2『完全に見落としていた便利施設』

 コンパウンドボウについて十分に調べてみたが、どうやら滑車を利用することで、強い弓を効率よく引けるようにしたものらしい。


 はっきり言って、今の自分には必要ない気がする。


 何しろそんな強い弓の素材とかないし、資料を見ると特殊な素材の弦?ストリング?とかしなる部分のリム?とか。


 自分のクロスボウはシンプルに木製のしっかりした台座に金属の弓と矢の固定具が付いてるだけの物なんで、あんな複雑で重そうなものは当面無理だと思う。


 でも、一旦改造について考えると、ついつい何かできる事がないか考えてしまう自分もいる。


 例えば、連射可能にするとか?


 あまり意味ないか。何しろこのゲームじゃクロスボウじゃ大したダメージがでないし、いろんな矢を使い分ける事で意味が出てくるもんなんだから、何かメリットが薄い気がする。


 でも、弓を引きやすくして装填速度を上げるのはありかもしれない。


 だとすると、やっぱり滑車なのかな?


 「ふーむ……」


 「何を悩んでるんだ?」


 海を見ながら考え事をしていたら、コットさんに声をかけられた。


 「今日はジョンさんと一緒じゃないんですね」


 「ああ、別にいつも一緒って訳でもないからな。特にこの街はいきなり決闘吹っ掛けられるような事もないし」


 「そういえば、そんな事言ってましたね。実はクロスボウの改造でいろいろ考えてまして」


 「成る程な。ちなみにどうしたいんだ?」


 「弓を引きやすくして、装填時間を短くするのに、コンパウンドボウみたいにするのはありなのかな?って」


 「ん~微妙っちゃ微妙かもな。飛距離を伸ばすのに剛性の高い金属で作るってなら、寧ろおススメするんだが、引きやすくしたいだけなら、ちっと効果を感じにくいんじゃないか?」


 「やっぱりそうですか~……うん、改造案は一旦保留ですね」


 「クロスボウなんて使うやつは本当に珍しいからな。気長にやるのが一番だぞ?もしくはちゃんとした銃を手に入れるかな」


 「この街の銃砲店は見て回りましたけど、銃は格好いいもののトキメキがなくて」


 「まぁ、そうだろうよ。好き好んで一丁目からリボルバー選ぶ連中ってのはちょっと変わってるしさ」


 「ところで話は変わるんですけど、滑車ってどこで手に入るんですか?」


 「やっぱりコンパウンドボウに未練があるのか?」


 「いえ、この辺で手に入るみたいだったので、折角だからどんな素材が手に入るのか見てこようと思いまして」


 「成る程な!素材屋が板についてきたな。だが、ラビにはあまり向かないんじゃないか?」


 「そうなんですか?」


 「ああ、この街の狩りっていうと、多分政府の船に乗って集団で海上のドローン基地を襲撃する奴だろ。ドローンが集めた海中の資源を奪いに行くやつだ」


 「集団か……」


 「何となくイメージできたか?結局火力がものを言う狩場だからな。一斉にドローン基地に突入して、ドローンをなぎ倒すなんて、絶対ラビ向きじゃないだろ」


 まったくもってその通りだ。どうにもこの街とは合う気がしない。


 「ちなみにお店なんですけど……」


 「店?……ああ~ラビが行くような店な!この街にはない。政府側とどっぷり直結の街だから、せいぜいが飯屋位だろ。でも欲しい物があるんなら買えるだろ?」


 「え?お店がないのにどうやってです?」


 「そりゃ、街なんだから取引所があるじゃないか」


 「取引所?」


 「……本当に知らないのか?最初の街のマスドライバーにもあったろ?」


 「マスドライバーは分かりますけど、入った事は……」


 「まじかよ!今まで取引なしでここまでやってきたのか!ついてこい!」


 コットさんに言われ、そのままついていくと一番下層の物々しい基地に入っていく。


 こんな所に入って怒られないかとドキドキしたが、いざ入ってみると不揃いの服の人々、すなわちプレイヤーが平然と行きかっていた。


 武骨な作りながら近代的な雰囲気のする建物をコットさんの後ろについて歩いていくと、全面ガラス壁の向こうにATMの様なものが並んだ空間に辿り着いた。


 そのままガラス壁沿いに歩いていくと、よく磨かれた木のパネルに金の秤が埋め込まれた看板が見える。


 どうやらその看板の目の前がちょうどその部屋の入口らしい。


 「もしかして、ここが?」


 「そう、取引所だ。まぁ機械操作教えてやるから入ろうぜ」


 そのまま、無造作に部屋に入っていき、一つのATMをのぞき込む。


 すると『売る』『買う』の表示が出ていた。


 「どっちを選べばいいですかね?」


 「まぁ、自分の持ってる物を売りたかったら『売る』だし、持ってない物を買いたかったら『買う』だ。当たり前だけどな」


 とりあえず『売る』を選択すると、図書館で本を検索するようなタッチパネルが出てきた。


 多分売りたい物を入力しなければいけないのだろうと、とりあえず余っている羊毛を打ち込んでみると、10件ほど当たった。


 適当にタッチしてみると、取引個数と金額が出てくる。


 「う~んどれも高すぎますね」


 「いや、高く売る分にはラビの儲けになるんだからいいだろうが?」


 「羊の村に行けば山ほど採れるものなのに、100個で10万クレジットはボッタクリって怒られます」


 「いや怒られないと思うけどな……まぁ、そんな感じで売りたい物や買いたい物を検索して、これと思ったものがあったら、注文票っての押して、あそこのNPCのいるカウンターに持っていけば、取引ができる。もしくは登録したい場合は最初からあっちのカウンターに金なり品物なり持ち込む形だな」


 成る程な~よく考えたらプレイヤーの露店みたいなのも見かけた事ないし、そりゃMMOなんだからプレイヤー同士で取引できるような機能はあるよな。


 まぁ、コットさんみたいにあちこちに店を持ってる人もいるわけだけども。

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