表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/187

107.夜目『スキルを使うべきか装備を手に入れるべきか』

 夜間行動において一番手っ取り早い方法はスキルの<夜目>を取る事だろう。


 普通に何となくスキルを調べただけで出てきたのだが、SNS系の目に関するスキルであることはすぐ分かった。


 しかし、現状保留にしている。


 なぜなら既にSNS系のスキルは<聞き耳>を取っているので、これ以上索敵能力を上げることに意味があるのか?既に枠が埋まっているのにいちいち夜だけ付け替えるのか?


 と、ちょっと慎重にならざるを得ない部分があるから。


 仮に誰しもが<夜目>必須スキルだと言うのなら、もっとヒントがあってもよさそうなのに、今まで聞いたことがない気がする。


 何ならステータスのSNSを誰もが上げているのか疑問もある。


 ステータスにはSTR、VIT、AGI、DEX、SNSとあるのにSNSだけが必須という事があるだろうか?


 正直なところSTRとかVITを優先してあげるんじゃないだろうか?自分はその二つを犠牲にしてしまっているが、撃ち合うなら絶対前者を優先するはず。


 じゃあどうやって他のプレイヤー達は夜間戦闘を行っているのか……自分なりに調べた結果、ナイトビジョンという物があるらしい。


 とあるミリタリー系の雑誌を立ち読みしたら書いてあった。


 ちなみに自分は連絡用の端末は持っているが、未成年なので制限がかかっていて、戦争関連などはあまり見れない。


 多分センシティブな情報や画像などがあるのだろう。だからいつも本屋で立ち読みして調べている。


 ナイトビジョンの話に戻ると、どうやら夜間にちょっとした光を使うだけでものすごく増幅されて、煙草の火すら数百メートル先から見えるらしい。


 このゲームもきっとそうした装備があるから、あえてスキルを使用しない人も多いんじゃないか?っていうのが今の自分の予想だ。


 ジョンさんやコットさんがそういった物を使ってる風じゃないのは、多分街中を活動拠点にしてるからで、きっと森に入るような人ならそういう装備を持っているんじゃないか?


 そうなると自分の知り合いの中で森に入る人となれば……。


 変質者の人くらいだ……どうしよう。


 この思考でずっと堂々巡りしている。


 <夜目>を取ればただでさえいっぱいのスキルを圧迫するし、ナイトビジョンの情報を得ようとすれば、変質者と会わなければならない。


 これは、究極の選択だ。


 「テル~!どこなの~?テル~!私よ~!」


 どこからともなく聞こえてくる声に思わず、木陰に身を潜め周囲と伺う。


 すると遠目に変質者の姿を確認できた。


 すぐさま、ポンチョを脱いでしまい、帽子と面もとって、そそくさとその場を立ち去る。


 だって情報は欲しいけども、心の準備ができていない。


 今の自分はただのつなぎの通りすがり!


 そう思いながら周囲を見渡すと偶然にもメープルシロップ屋さんが目についたので逃げ込む。


 「あら!お客様いらっしゃいませ!もしかしてもう、メープルシロップをお持ちですか?」


 さすがはNPCだ。一目で自分の正体を見抜いてきた。


 「あ、あの……そうじゃないんですけど、変質者に追われてるので」


 「そうでしたか!それではごゆっくり店内でお過ごしください」


 いいんだ?


 ま、まあ相手はNPCだし、違和感があってもしょうがないんだけども。


 変質者に追われてるのに店内でごゆっくりお過ごしくださいって、変だよな?


 何はともあれ、危険から逃れる事は出来たっぽいし、それでいいか。


 えっと……何考えてたんだっけ?


 「そうだ!夜間戦闘だ!」


 つい思っていたことが口から洩れると、それまで平然としていたNPCが話しかけてくる。


 「夜間に見通しが悪くてお困りですか?」


 「え?あ……あ~はい」


 「そうでしたか!それではブルーベリーがとてもよく効きますよ!」


 「ブルーベリー?」


 「ご存じありませんでしたか?目によく効くのですけども、例えば蛾の粉にやられた時にはとても重宝しますね」


 ……うん、このゲームよく考えたら大体デバフのある所にそれを治す薬になる草も生えてるんだった。


 目にデバフをかけてくる蛾の粉があるんだから、当然それに対応する草も生えてるって事に気が付かなかったのはうかつだ。


 「すみません、ちなみにそのブルーベリーってどこに生えてますか?」


 「当店でも扱いがありますが加工したものになりますので、ブルーベリーを採取いただけるのであれば、とても助かります!」


 うん、メープルシロップと同じパターンだ。


 「分かりました。採ってきます」


 「ありがとうございます。それではブルーベリーを見つける目安なんですけども……割とどこにでも生えてます!」


 「え?そうなんですか?」


 「はい!ただ、慣れてない方には見分けをつけるのが難しいのが実情です」


 「そうなんですか」


 「はい!なので一番簡単な方法は森の動物達の後を追いかける事ですね!」


 「動物の後を?」


 「そうです。この森の動物達は大人しく自ら人を襲うようなことはあまりありませんが、じゃあ何を食べているか?って思いませんでしたか?」


 「え?ああ……今思いました」


 「それは良かったです!そうこの森の動物は木の実やベリーなんかを食べてますので、攻撃せずにそっと追えば、目によく効くブルーベリーも手に入りますよ!」


 「なるほど!分かりましたありがとうございます」


 「いえ、それではお気をつけて……」


 ヒントを聞き、意気揚々と森へと出かける。


 「変質者さんにもお気を付けくださいね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ