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野良の魔王ですが。  作者: オレンジジュース
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第1.5話

主人公のいる森に一番近い街であるグランバ王国では門番の二人が雑談をしていた。

1人は怖い顔で周囲を見ており、長年勤めたのだろう事が伺える。背丈は180cmほどあるだろうか。その大柄な身長よりも長い槍は手入れされているが、長年愛用していることが容易に想像が着くほど擦り傷がある。


「確か、あそこの森ってカエラズの森って言われているんですよね?」


唐突な新人の質問に眉をひそめるベテラン門番。なにを当然なことを聞くのかと。

新人教育を行うために考えを改めた。質問することはいい事であると。ならば正確な情報を教えようと思った。


「そうだな。不帰。一度入れば帰っては来れないということで有名な森だ。極たまに森から魔物・・・魔王が出てくることがあるから常に二人の見張りを立てている。」

「森だけのために?」


新人の門番といっても、腕はある青年は自分の経験にならない仕事に不満を持っているようだった。元々門番に志願する者は喧嘩が強いことが多い。


「まあ、外壁を回ってここら辺から街に不法侵入を試みるやつもいるからその見張りがメインだな。」

「僕はただ平凡に暮らせればいいんですよ。今世ではね。」

「お?なにか言ったか?」


青年のつぶやきはベテランの門番には聞こえていないようだった。どうやら、戦う回数の少ない配置に文句はないらしい。


「なんだか、最近の森はなにか騒がしい気がするんだ。気を引き締めろよ。」

「???」




ダンジョンの中は少しじめじめしていて、全体的に暗い。前と後ろに魔法で光の玉を出しているから問題はないけど。けど、暗い所は光の玉で照らしてもどこか暗いのだ。警戒もなく進んでいる。少年の目的はダンジョンの最下層に到達することだ。


それは突然のことだった。まだ幼い主人公には感知できない攻撃。単純だが、それは矢だった。


「ぐぁ!!いだい!いたいよ!」


冷静になれるほど経験はない。まだ彼は幼いのである。痛みという強烈な経験によって彼はそれ以外考えることができない。しかし、矢は一本だけではない。ここはダンジョンなのである。

矢を放っているのはゴブリン。背丈は110cmほどで小柄である。一体一体は強くないが、集団で戦う事と人間に近い能力を持っている。罠や物理による遠距離攻撃も行ってきて、多種多様な攻撃手段を有しているため、厄介であるといえる。



「痛い!痛いよ!」

どこから矢が!?見えなかった!肩に刺さってる!こういう時はどうするんだっけ!抜くんだよね?痛いけど。

「いだい!」

二本目だ!まだ打ってきてる!どうしよう。壁!壁を作ろう!えっと、痛くて集中できない!

逃げよう!とりあえず逃げるんだ!

「え!さっきはいなかったよね!」

後ろにもいた!ゴブリンだ!でもさっきのやつとは違うのかな?こっちは剣を持ってる。

やっぱり壁だ!壁!魔法を使わなきゃ!

土魔法だから・・・いたい!また!

ゴブリンが向かってきてる!とりあえず殴ろう!


シドは魔法をすぐに使えず、持っている杖で殴ることにした。

魔法の発動方法は何種類かあり、それぞれの人に合ったやり方がある。一番効率的な方法は完全に想像力(感覚)で魔法を行使する方法である。シドもこのやり方が性に合っていた。

杖で殴る際に無意識に杖に魔力が乗っている。それが火となってゴブリンを殴ることに成功した。小柄なゴブリンの持つ剣よりもリーチのある杖だからこそ殴ることができたのである。

しかし、肩に矢が刺さっているため、片腕での殴打であり、そこまでの攻撃力はない。

通路の奥に目をやると別の個体も来ているようだ。


シドの第一回目の死はこうして訪れた。



目が覚めるとそこは洞窟だった。防具は破れ、解れ、腹はもう見えてしまっているが、血は付いていない。そう。血液ごと体内に引き返したのである。

シドは魔物であった。正確に言うならば、魔王種である。シドの種族は全員魔王種である。死んでも蘇ることができ、保持している魔力の量が多い。

シドの種族の成人は主に剣で戦う。魔法を瞬時に連発し、剣で敵を切り伏せる。多少の傷は気にせず、自分で治癒するという最強の戦闘種族であった。また、死んでも復活することができるということから育児放棄気味なのは欠点である。さらに言えば非常に子どもが生まれにくい。


「失敗しちゃった…痛かったなぁ」

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