OLサツキ、初級編二日目の特訓開始
ユラの手にうねうねと絡み付いた真っ黄色の何かを茹でると、それはとてもフルーティーな林檎の上にグレープフルーツが乗った様な不思議な味がした。
「美味しい!」
サツキが感動すると、ユラが小さく笑って教えてくれた。
「これは陸足早イソギンチャクって言うんだ。足が早いから捕まえるの大変なんだけど、今回はアールのスライムがいたから早かったよ」
アールがえ? という顔をする。
「俺のスライムをどう使ったの?」
「投げ付けて身体に取り込んだ」
ユラについて行ったらしい赤色のスライムが、ゲッソリとした笑いをみせた。これを投げたのか。そういえば赤色は何味なんだろう、そう思ったが、こんな不細工な顔でも何だか愛着が湧いてきたので聞くのは控えることにした。
「ちょっと体液減っちゃったけど、ま、いいだろ」
「ユラお前俺のスライムに何してるんだよおおっ」
「うるせえな」
「アールうるさい」
「ウルスラまで……」
悲しそうな目でサツキを見てきたので、ふ、と目を逸らした。
「リアムまで……」
アールは面倒くさい。それが何となく分かった朝だった。
「さてと! じゃあ今日はお風呂目指して頑張りましょ!」
「あ、私今日イルミナ使っちゃった」
「そうでした……じゃあお風呂は明日の朝一! 皆! 行くわよ!」
おー! とやりたいところだったが、暗い奴が一人いてそんな雰囲気ではない。
「はーい」
とりあえず、小さくだが手を上げると、ウルスラが笑顔になった。その笑顔は本当に輝く一輪の花で、サツキは何だか誇らしくなったのだった。
一行は次のフロアへと向かう。あのスライム達はどこまでついて来るのだろう。階段を降りる際スライムを観察していると、何だかスライム同士相談をしている様だ。
赤いスライムは、五階に残ることを決めた様だった。恐らくユラに投げられたストレスに耐えられなかったのだろう。
緑色のスライムは、ついて行くことを決めた様だ。昨晩ウルスラの尻に敷かれ下卑た笑いを見せたあいつだ。
青色と透明、それに黄色のスライムはぷるぷると相談を続けている。透明は首らしきパーツを横に振った。何かの交渉が決裂した様だ。
青色と黄色が頷き合う。おや合流するのか? と思い微笑ましく様子を窺っていると、なんとお互い触手な様な物をにゅっと出す。それがどんどん互いの身体を突き刺して行く。
正直気持ち悪い。
アールは目をキラキラさせてその様子を固唾を呑んで見守っている。ユラは欠伸をしている。ウルスラは……見てもいない。サツキを見てにっこりしている。
サツキは温かく様子を見守る。すると、二匹のスライムが合体し、黄緑色の透き通った幼い女の子が現れた。
次回はリアムバージョン、明日書きます!




