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OLサツキ、初級編三日目の無理難題

挿絵(By みてみん)

 ラムだって必死で絞り出して辿り着いた名前だというのに、これ以上名前を考えるなんてもう無理だ。自分のネーミングセンスのなさは、昨日嫌という程自覚したばかりだし、そもそもこのモンスター達はアールがテイムしたやつだ。


 なので、ささやかな抵抗を試みる。


「そもそも、この子が男の子か女の子かもわからないし!」

「男だよこいつ」


 ユラがあっさりと答えた。


「な、何でそんなの分かるのよ」

「だって俺天才だもん」


 しれっとした表情でそんなことを言われたら、もう何も言い返せなかった。


「あー、だからラムと合体しなかったんだな」


 アールが納得した様に頷いた。そういえばウルスラの尻に喜んで身を差し出していた。確かに男なのかもしれなかった。


 仕方なく、男の子っぽい名前を考える。スライム、ライムくん。これじゃなんか迫力がない。


 ミドリスライム、ドス。うん、怖い。絶対違う。ヤクザ映画じゃないんだし。


 リス。違う生き物だ。そうだ、ミドリとスライムを反対にして、スライムミドリ、スイミー。一人だけ色違うやつね、て、そうじゃない。


「うううう」

「さ、サツキ、大丈夫?」


 ウルスラが声を掛けてくれたが、見てくれあの緑色のスライムの期待に満ちた表情を。人相は悪いが、希望に満ち溢れている。今更止めるわけにはいかないだろう。


「す、す、す、ど、須藤さん!」

「何それ」


 ユラのつっこみはこの際無視することにした。どうせこの世界には須藤さんなんていないだろうし、これで行こう。よし!


 サツキはビシッと人差し指で緑色のスライムを差した。


「君の名前は今日から須藤さんよ!」

「えー……」


 アールが嫌そうな顔をしているが、緑色のスライムは満足した様でぼよんぼよん伸びている。多分跳ねているつもりなのだろう。


 そして、昨夜のラムの様に光り出した。


「えっどうしたんだお前!」


 アールが驚いている。しっかりしろテイマー。何で飼い主でもないサツキの方が詳しいんだ。


「レベルアップしてるの」


 この子は一体どんな姿になるんだろうか。ほんの少し、期待してみる。


 光が段々消え失せ、そこに現れたのは。


「変わってないじゃん」


 ユラが感想を述べた。いやいや、絶対何か変化はある筈だ。サツキは目を凝らして観察をする。


「名前が微妙だったからなー」


 さっきからうるさいなこいつ。


「あ! 違い発見よ!」


 ジロジロと須藤さんを見ていたウルスラが、何かを発見した様だ。


 ウルスラが須藤さんの背中を指差した。


「背びれが出来てる!」

「え?」


 サツキが背中側に回ると、そこには確かにあの怪獣映画に出てくるあいつの様な背びれが生えていた。

次回はリアムバージョン。

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