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OLサツキ、初級編三日目は更なる奥へ

挿絵(By みてみん)

 朝食を済ませた一行は、ダンジョンの次のフロアへと降りて行った。


「ユラ、このダンジョンって地下何回まであるの?」


 今日もサツキは前衛だが、今日はウルスラと並んでいる。ウルスラが昨日は暇そうに見えたから、と前衛に誘ったら、尻尾を振る犬の様な勢いでやって来ると、アールをドン! と突き飛ばし前衛に収まっていた。


 アールは渋々後衛に移動して行った。ちょっと乱暴ではあったけど結果オーライだ。これできっと今日のユラはご機嫌に違いない。皮肉屋だから、そこは変わらないかもしれないけど。


「このダンジョンは試験用に使う初級も初級のダンジョンだから、浅めの地下二十五階でラスボス倒しておしまい」


 ほら、ポーカーフェイスだけどちゃんと嫌味なく答えてくれる。やはりサツキの読みは当たっていたに違いない。でもバレたのが分かると嫌がりそうだから、ここは必死で隠さねば。


「じゃあお風呂はもう一回入れるのね!」

「ウルスラもお風呂好きなのね」


 ふふ、とサツキは隣のウルスラに笑いかける。


「旅の疲れはやっぱりお風呂が一番効果的だもんね」

「まあ歩くもんね。正直ここまで歩き続けるとは、想像してなかったもん」

「まあ普通に暮らしてたらこんなに歩く機会ないものねえ」


 ダンジョンはとにかくひたすら歩く。休憩とバトル以外はただひたすら歩いた。サツキ本来の身体だったら、一日と持たなさそうだった。


「しっかしすっかり懐かれちゃったわね」


 ウルスラが、サツキに繋がれた黄緑色の手を見て呆れた様に笑った。そう、ラムだ。テイムされたアールの方に行くのかと思いきや、ラムが一緒に行くのを選んだのはサツキだったのだ。昨日はアールも前衛にいたから、てっきりアールといたいのだと思っていたのだが。


「テイマーが懐かれないって笑えるよな」

「ユラって本当俺に厳しいよなー」


 ユラは真顔で言い切った。


「違う。俺は自分にしか甘くないんだ」

「ユラらしいわー」


 ウルスラはそう言うとサツキに笑いかけた。サツキも笑顔で応えて。


「あ!」


 アールを振り返った。アールがなになに? といった表情で目を輝かせている。


 サツキは、アールの後ろをしょんぼりとついて行く緑色のスライムを指差した。


「アール、その子の名前はもう付けたの?」

「あ!」


 アールが慌てて後ろを振り返った。緑色のスライムの雰囲気が暗いと思ったら、やっぱり忘れていたらしい。可哀想に。


「テイムの能力があってもテイマーに向いているかとは別問題なんだな」

「サツキの方が向いてそうよね」


 二人は相変わらず容赦ない。アールは焦った様に交互に皆を見る。


「ど、どうしよう、俺全然名前なんて分かんないよ!」

「一晩考えて格好いい名前付けてあげるって約束してたじゃない。可哀想に」

「だ、だってさあ……あ、サツキ! サツキなら考えられるよな!? これは先生からの課題です!」

「え」


 こいつ、人に丸投げしやがった。サツキは唖然とした。

次回はリアムバージョン。

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