④??.??.??
――――私はどうやら死んでしまったみたいです。
何があったのか思い出そうとも思考が停止してしまうのです。
じゃあ何故私が死んでしまった事が分かったのか。
それは簡単です。
断片的ですが、思考が今のようになる前に私が何をしたか覚えているからです。
何をした?
私は友達―――いや好きな人を突き飛ばしたのです。
どうして?
守るためです。
何から?
トラックです。
ほら、よくあるじゃないですか。
青信号の横断歩道渡ってたらトラックが突っ込んでくること。
え?ありませんか?
そうですか……。
まぁとにかくそんな感じで、彼をトラックに轢かれないよう突き飛ばしたんです。
そしたらどうなるか分かりますよね?
そう、元々いた彼の所に私が行くので、私が轢かれることになりますね。
轢かれた時の記憶は無いのですが、まぁ轢かれたと考えて合っていると思います。
その後は確か彼が寄ってきて叫んでた気がします。
ただただ叫ぶだけ。
何かの言葉を言っているのではなく、心の底からの叫び声だったと思います。
実は人工呼吸からの――――とかあるのでは?
と思っていたのですが、すでに手遅れだったみたいです。
残念です。
一応その時声を出そうとしたり、体を動かそうとしたのですが、動かなかったので、そういうことなのでしょうね。
それで今に至るわけです。
そういえばなんでこんなに冷静かって?
私も分からないのです。
ただなんか死に対して恐怖心がないというか、本当に死ぬ感じがしないというか。
もしかしたら白昼夢とかなのかもしれませんね。
でも彼には謝らないといけないですね。
彼の命は守れましたが私が死んだら彼は今後私に対して罪悪感を抱くかもしれない。
彼は優しかったですからね。
学校とかサボるのも罪悪感抱くらしいですし。
仮に夢だったとしたら1度謝りに行きますかね。
彼からしたらヤバいやつに思われそうですが。
他にも彼に気持ちを伝えたかったですね。
答えが怖いですけど。
そこで振られたら死にたくなっちゃいますね。
まぁもう死んでるんですけど。
―――そろそろ時間のようですね。
自分の体の周りが段々と光に包まれていく。
その光は眩しいものではなく、暖かさを感じる光だった。
まるで毛布にくるまれるかのような、そんなものだった。
そして完全に光に包まれたところで意識が無くなった。
―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―‐―
「――――ん、ここは……。」
目を覚ますとそこには見慣れた天井があった。
「なんだ……、本当に夢だったんだ……。」
この先も書く予定ではいますが、とりあえずひと段落です
次回からは新作(pixivの方と同じもの)を投稿していきます
この先もどうぞよろしくお願いします