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I break and dance

作者: ガミ ナオト


 白い部屋にひとり掛けのソファ。ワタシは虚の意識でだらりと腰掛けている。壁から床に垂れて無造作に張り巡らされた電子コードは絡んでいて、どの情報線か全く持って分からない。

 分からないけれども、必要だからワタシに繋がっているのだ。一部は必要ないのだろうけど絡まっていて外しようがない。本当は外してしまいたい。狂う原因はそれなのだから。

 己を人間として捉えてない。ヒトの形をしたデバイスだと思っている。人間的な生活をしていても何かを探し当てるのに検索を掛けてる気分になる上、別の意識に変わる時は新しいタブを開いている。

 それが幾つも立ち上がる。

 タスクが増えればタブもソフトも増えていく。徐々に機体は重たくなっていき、動きは鈍くなり、熱くなってゆく。

 本当は考えるのを辞めたい。シャットダウンしたい。けれども終わらないのだ。

 嫌になってソファから立ち上がり、音楽を鳴らして酷く踊る。

 情報が……情報が頭一杯だ……。

 絡まったコードの上で足を取られながらもつま先を鳴らす。赤く染まっても加速する回転と飛んだ時の打撃が響く。もしかしたら、ウイルスソフトでも拾って来たかもしれない。

 タブもソフトも閉じても閉じてもエラーを起こして立ち上がりっぱなしだ。エラー音がずっと響いている。

 頭も足元も止めてくれ。切り離してくれ。辛い。とてもうるさい。

 ……今まで作り上げたモノが一部破損しても構わない。本体一つ生きていれば良いのだ。

 心惜しいけれども、今の機体は優秀だ。復元出来る可能性は大いにある。

 強制的にシャットダウンしてしまおう。

 充分に寝て、更新してコードを片付けてもらおう。手伝ってくれる人はいる。ストレージを空けて身を軽くしよう。

 苦しさの中、意を決してプラグを抜くと一瞬にして夢に落ちる。

 しばらく寝てます。そう言い残して。

 

何か混乱してる、息詰まってる時の意識って機械的で、誰かとの会話にしても検索してるなと思ったので一気に書きました。


紙媒体にする時に細かいところを書き足します。

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