頑張れ! 令和ちゃん
ノリ三割、勢い七割です。
令和ちゃん「ごがつ〜ごがつ〜ぽっかぽか〜」
平成「ちょっ、ちょっとまって令和ちゃん……気温、今何度にしてる?」
令和ちゃん「れいわね、しってるんだよ? ごがつは『さつき』っていうんでしょ? にほんには『さつきばれ』ってことばがあるんだよ!」
平成「うん、そうだね偉い偉い……じゃなくて、その日本の気温は今何度になってるの?」
令和ちゃん「もーっ! へいせいにいちゃ、ひとのはなしはちゃんとさいごまできいて! えっとね、『さつきばれ』だから、おひさまいっぱいのぽっかぽかにしたの!」
平成「そ、それで、何度にしたのかな?」
令和ちゃん「えっとねー、さんじゅうろくど!」
平成「なん……だと……」
昭和「暑い! 何だこの暑さは!」
平成「あっ、昭和さん、こ、これはですね……」
令和ちゃん「あー! しょうわおじちゃ! えっとねー、いまね、さつきばれでぽっかぽかだよ!」
昭和「……おい平成、お前は俺の時と違って引退のタイミング決まっとったよなあ」
平成「は、はい……」
昭和「引継ぎする時間もたっぷりあっただろうが……教育がなっとらん、これだからゆとり世代は……」
令和ちゃん「あれ? だめだったの? しょうわおじちゃ、ぽっかぽか、きらい?」
昭和「いや、俺はあったかいの大好きだぞ」
平成「ぅおい!」
昭和「なんだ」
平成「教育がなんだって言うならちゃんと叱ってくれませんか」
昭和「アホか、怒ったら俺が嫌われるだろうが」
平成「ええ……と、とりあえず令和ちゃん、気温下げてみようか」
令和ちゃん「えー? でもみんな、ぽっかぽかのほうがいいでしょ? ねー、しょうわおじちゃ!」
昭和「ねーっ」
平成「ねーっじゃないから昭和さん、話をややこしくしないで下さい……令和ちゃん、これだとあったかいじゃなくてアツアツになっちゃうの、この温度は七月まで待とうね」
令和ちゃん「ぽっかぽかでいいかんじだったのに……」
昭和「大丈夫、夏になったらいっぱいぽかぽかにしよう」
令和ちゃん「うん! よんじゅうよんどにする!」
平成「日本列島を地獄にするのは勘弁して下さい……」
令和ちゃん「とりあえずへいせいにいちゃのいうとおりにするね……あれ? どれをさげればいいんだっけ?」
平成「温度だよ」
令和ちゃん「えっと、これかな?」
平成「あっちょっと待ってそれは千葉付近の海洋プレート動かすやつ」
令和ちゃん「え? ちがうの?」
昭和「……平成、お前が付いておきながら……新元号早々に地震起こすなやあああ!!」
平成「理不尽すぎるっ!!」
令和ちゃん「じしん? ぐらぐらってするの? たのしそう!」
平成「もうやめて国民の体力はゼロよ!」
〜〜〜
昭和「おお、令和か」
令和ちゃん「あっ、しょうわおじちゃ! あのね、れいわね、いまおべんきょうしてるの!」
昭和「おーよしよし、令和は偉いなあ」
令和ちゃん「むふー」
昭和「よし、せっかくだから少し勉強の手伝いをしてやろう」
令和ちゃん「ほんとに? やったー!」
昭和「まずは元号の略称からいこうか。例えば昭和はS、平成はH、令和はRって書くんだ」
令和ちゃん「へー」
昭和「次は西暦と和暦の変換をやってみようか。西暦の下二桁から018を引くと、令和の和暦になるんだぞ」
令和ちゃん「すごい! しょうわおじちゃかしこいね!」
昭和「ああ、平成とは年季が違うからな」
令和ちゃん「せっかくだから、ふたついっしょにおぼえよう! れいわはRでじゅうはちを引くから……『R-18』だね!」
昭和「そ、そうだな……いや令和、その覚え方は止めたほうがいい」
令和ちゃん「どうして? 『R-18』ってなにかあるの?」
昭和「い、いや別に……って待て令和ちゃんスマホで何をしている」
令和ちゃん「もじがよめなくても『がぞーけんさく』ならだいじょうぶって、へいせいにいちゃがいってたの……あっ」
昭和「……平成ぃいいい!」
〜
平成「ハックシュン! うう……なんか凄い理不尽な怒られ方をされてる気がする……」
〜
昭和「ところで平成はどうしたんだ」
令和ちゃん「へいせいにいちゃ? あ、へいせいにいちゃは『H』だね!」
昭和「おうそうだな、ちゃんと覚えてて偉いぞ……それにしても、平成が『H』……ふふっ……」
令和ちゃん「えっち? えいちじゃないの?」
昭和「あ、い、いやどっちでも読むんだが、出来ればエイチの方がいい」
令和ちゃん「なんで? えっちってどういういみなの?」
昭和「な、何でもない、何でもないからそのスマホを止めてくれ」
令和ちゃん「えー? 『がぞーけんさく』べんりだよ? ほら、すぐにわかる……あっ」
昭和「……へぇえええいぃいいいせぇえええいぃいいい!!」
〜
平成「ハ、ハ、ハックシュンッ!! うう……なんか更に理不尽な理由で怒られてるような……」
オチなし。
『ゴテルと呼ばれた魔女』の方もよろしくお願いします。