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アイツのせいで平凡な日常は終わった  作者: 金色の銀メッキ
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第5話

こんにちは金色の銀メッキです。武器の中で短剣とか短刀が特に好きです。

ジルオと団長が買ってきたのは、フード付の大きな緑のマントと頭部を覆える鉄のヘルム、二の腕まで覆える皮の手袋、密着性の高い皮のレギンス、青いマフラーだった。

「なんかダサくない…?」

梨南子はげっそりした様子で呟いた。

「まあダンジョンにオシャレはいらねぇよ!」

「俺と団長さんのセンスだぜ」

クレスチアとジルオは清々しい顔で腕を組んで言う。団長は何も聞いてなかったかのように淡々としている。

「で、この装備にウチの着てるセーラー服合わせるんでしょ?」

「まあ着て見なされ。ハンターに捕まるよりかマシだろ!」

梨南子もハンターに捕まるよりかは謎めいた格好をする方がマシだと思ったのか渋々と着た。ヘルムを被った梨南子は

「重い重い重いー!!!!」

とよろめいて座り込んでしまった。

「こんなの着て歩き回れないです…」

梨南子は真剣にせめてヘルムだけは取り替えてくれと懇願した。

「しょうがないな、俺の仮面コレクションから1つあげる」

ジルオが自分の部屋の扉を開けた。どこかの民族のもののような装飾品や仮面や服がたくさん並べられていた。

「うわこの部屋で寝てて、夜怖くないの?」

「全然」

仮面で埋め尽くされた壁を梨南子は端から眺める。

「このお面…ウチの元いた国にこんなお面あった…」

「狐面が気に入った?じゃあこれあげるよ、もう1つあるから」

ジルオは少し惜しそうに、真っ白な顔に所々赤く塗られたつり目の狐の仮面を外した。梨南子はさっそくそれをつけた。サイズはぴったりで梨南子の肌も隠れている。

「これならさっきの鉄のやつより軽い!こりゃあいい」

梨南子は身軽そうに飛び跳ねた。

「ね!団長さん!さっそくダンジョン行こうよ!」

「そう言うと思ってこれを買ってきました。初めて見ましたがなかなか扱いやすそうでしたので。資金で買えそうなランクの剣は重くて扱いにくいのがほとんどですがこの剣はそれよりずっと軽いですよ」

そう言って団長が取り出した剣を見て梨南子は驚きの声をあげた。

「これ!刀じゃん!凄い凄い、真剣初めて見たよテンション上がるわぁ!!!」

「喜んでもらえたようで良かったです」


4人は早速難易度が最も低い「ラナウェイ洞窟入り口付近」に出かけることにした。ラナウェイ洞窟は貧民街エータの隣の林を抜けた場所にある。ラナウェイ洞窟の入り口の付近には小さくて力の弱い魔物が多いので初心者の練習に持ってこいなのだ。失敗して攻撃を受けてしまってもそんな重傷になることは滅多にない。

「凄い凄い、これスライム?マジでプニプニしてるじゃん!!」

「あんまり触りすぎると敵と認識されて攻撃されるぞ、気をつけろ!」

「まずはスライム倒してみなよ、スライムは魔物の中でも最弱クラスだしいけるかもよ」

梨南子は恐る恐る刀でスライムを刺した。

「あーだめだめ、一気に真っ二つにしなきゃだめだよ。こんな感じ」

ジルオが矢でスライムを射る。凄まじい勢いの矢は空気を切る音を立てながらスライムを貫き、スライムはバラバラになった。飛び散ったスライム片をジルオは集める。

「うげっジルっち強すぎ」

「思いっきりそのカタナってやつで切ったらいいと思うよ」

梨南子は他のスライムに近付き思いっきり刀を縦に振り下ろした。スライムは真っ二つに割れてそれっきり動かなくなった。

「討伐成功おめでとう!」

「こ、これがウチの初討伐…ほんとうにファンタジーの世界に来たんだ」

梨南子は日が暮れるまでスライム狩りをしていた。

「すっかり暗いし帰ろう」

「他の冒険者ももう居ないね、俺らだけだね」

梨南子の横について教えたりしているジルオとクレスチアは呑気に会話をしていた。

「ねー団長、帰りましょそろそろ」

「3人とも伏せてください!」

クレスチアはジルオと梨南子を強引に押し倒し自分も倒れた。その直後3人の頭上を恐ろしい速さの何かが掠めた。団長が投げナイフを取り出して林の方向へ、闇に投げた。投げた方向から金属と金属がぶつかる音がした。さらにその方向から声がした。

「腑抜けた訓練の割にはやるじゃないか貴様ら」

「お引き取り願えますか?こちらは無駄な戦いをしたくないのです」

「ほう、私を誰だと心得る?ヒューマン風情が偉そうな口を利くでないわ!」

高いところから人のような物が飛び降り、猛烈な速さで走りながら矢を発射している。

「リナコ下がれ!」

クレスチアが剣を抜き矢を弾くが全て弾けずにジルオの肩に刺さる。

「うっ…」

「ジルオ?!」

「喋る余裕はないぞゴミ共!」

クレスチアには斧を持ってこっちに飛びかかろうとするシルエットが見えた。その素早さに対応しきれずクレスチアの剣も間に合わない。死を覚悟してクレスチアは目を閉じた。

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