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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第七章 異世界生活編03 魔術師の街
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< 07 魔術師の街02 >


変な男が居た。

その男は【鑑定】が出来なかった。

こんな事は初めてだ。

一体いったい、どの様にして【鑑定】させない様にしているのだろうか?

普通、ステータスを見せたくない場合は、ステータスを偽装ぎそうする。

その方が、『何かを隠している』とは気付かれないからだ。

【鑑定】を出来なくするなど、『後ろめたい事が在る』と言っている様なもので、悪手あくしゅでしかないと思うのだが…。

それと、その男が無造作に持っている袋は、【マジックバッグ】の様に思える。

お金持ちにも、強そうにも見えないその男が持てるような代物しろものではないと思う。

どうにも、チグハグな感じがする男だ。

魔術研究会に勧誘かんゆうしたが、組織に入る事が嫌いな様だった。

勧誘を諦め、次に街に入って来た男を勧誘する。

この男も、魔術研究会に入ってくれる気が無さそうだったので、早々(そうそう)に勧誘の仕事を切り上げた。

そして、相方あいかたを応援の要請ようせいに走らせ、俺は先ほどの男の後を付けることにした。


その男は魔道具屋へ行き魔石を売ろうとしたが、買い取りを拒否された様だ。

この街では、魔石の買い取りは、冒険者ギルドか魔術局でしか出来ないからな。

『どちらに売りに行くのかな?』と思ったが、魔石を売ること自体を諦めた様だった。

加入をすすめられるのをいやがったのかもしれない。


男は露店へ行き、タオルや下着を買った。

せっけんも買ったところを見ると、他の街へ行くつもりなのだろうか?

出来れば魔術研究会に勧誘したいのだが。


露店の店主とトラブルを起こしている魔術師が居た。

最近、こういう非常識なやからが多くなった気がする。

困ったものだ。

魔術師バカがあの男にからんだ。

魔術師バカが魔法の詠唱を始めた。

こんな人の多いところで、何を考えているんだ。

しかも、相手のすぐそばで詠唱を始めるとか、バカ過ぎるだろう。

あの男は何もしようとしない。

予想外の出来事に、呆気あっけにとられているのだろうか?

【ファイヤーアロー】が放たれた。

だが、すぐに消滅した。

魔法を消滅させられたのか?

再び詠唱を始める魔術師バカ

再び放たれる【ファイヤーアロー】。

そして、再び消滅させられる【ファイヤーアロー】。

消え方からさっするに、どうやらあの男は、何らかの結界を張っている様だ。

再び詠唱を始める魔術師バカ

【ファイヤーアロー】が宙に現れたところで、パタリと魔術師バカが倒れた。

魔力切れだろう。

情けない。

何が”至高の存在”か。

ただのバカではないか。

俺は、誘われるままに加入した魔術研究会への疑問が、大きくなるのを感じた。


男は、何事なにごとも無かったかの様に歩き去って行った。

俺は男の後を追った。


(一部修正しました。2019.11.24)

冒頭の、ナナシのことを鑑定できなかった部分。

ここは、『魔法を無効化する魔道具が一部の者たちの間に普及している』表現になっていましたが、ここをゴッソリと変更しました。

ずっと後に出てくる話と、整合性が取れなくなってしまっていたので。

ついでに、ルビの追加と、「」の一部を『』に変更しました。


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