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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第七章 異世界生活編03 魔術師の街
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< 03 始まり03 誕生 魔術師の街 >


街の中心地に近い一角いっかくに、建物を建設するという公示こうじがあった。

わざわざ公示がされた事に、いつもと何かが違う、何か特別な事が行われるのではないかと、人々の興味を誘った。


工事が始まる当日、招かれた建設業関係者と見物人の前で副領主が挨拶する。

「これからこの街が変わっていく。」と。

「今日がその始まりだ。」と。

皆が注目する中、建設工事が始まった。

それは普通の建設工事とは、ちょっと違っていた。

見物人たちの前で、魔術師が魔法で地面をならし、石を敷いて基礎を作っていく。

別の魔術師が土ゴーレムを作り出し、柱を立て、梁を渡し、たいして時間も掛からずに建物の簡単な骨組みが出来上がった。

副領主は魔術師たちが素晴らしい技術を持っていること、魔術師たちがこの街に有用なことを話し、この街の更なる発展の為に、魔術師たちを多くこの街に集めると宣言した。


その後、その建物はかなりの早さで建てられていった。

その様子を眺める見物人は、毎日沢山居た。

そして、「魔術師はすごいな。」と、言い合っていた。

デモンストレーションは成功だった。

副領主は満足した様子だった。


建物が内装を残して完成すると、更に別の建物が建てられ始めた。

もちろん、事前に公示し、注目が集まる様にしてから、ゴーレムを使い工事をしていった。

ここにも毎日見物人が訪れた。


複数の建物が完成した。

作られた建物は、魔術師たちが魔道具やポーションなどを作る工房や研究室。

それと魔術師たちの為の寮などだと、街の住人たちに知らされた。

建物の完成と前後して、他の街から魔術師たちがやって来た。

他の街で行っていた宣伝を見て、やって来た魔術師たちだった。


魔術師たちを優遇する政策が発表された。

ず、魔術師たちには住居が格安で提供された。

冒険者たちには、魔物の討伐や素材の採取の依頼を副領主が出した。

その依頼は、魔術師を含むパーティーしか受けられないという制限があったが、依頼主が副領主であったし、パーティー内に一人でも魔術師が居ればよかったので、特に問題にはならなかった。

そうして集められた魔石や素材は、魔道具やポーションの作製に回され、それらの作製の為に多くの魔術師が雇われた。

また、魔道具やポーションの研究の為にも魔術師が雇われた。

最初に雇われていた土魔法を得意とする魔術師やゴーレムを使える魔術師たちも含めて、かなりの人数の魔術師たちが、この街で仕事をする様になった。

しかし、街の人たちから仕事を奪う事は少なく、街の中に建物が建てられる様子が街が発展していく様に感じられて、街の人たちには歓迎された。

そして、この街の様子がある程度広まると、最初は信じていなかった魔術師たちも、続々と移住してくる様になった。


魔道具やポーションを作る為の素材を採取する依頼が増える事で、冒険者たちも仕事が増えた。

街の住人が増えた事と仕事が増えた事の経済効果は、街全体におよんだ。

街の多くの人たちが魔術師たちに感謝する様になり、そのことが、さらに魔術師を呼び寄せた。

すべての歯車が噛み合い、良い作用を及ぼしている様だった。


領主の館の近くにも、新たに建物が完成した。

その建物は新たに作られた役所で、”魔術局”と名付けられた。

建物の完成と魔術局の発足ほっそくを祝う式典で、副領主が宣言した。

「この街は、”魔術師の街”だ。」と。

「この街は、魔術師たちと共に、これからも発展し続けていく。」と。

そして、新しく発足する魔術局の局長に就く男が紹介された。


王都から呼び寄せられた、副領主の信頼があつい、あの魔術師の男だった。


訂正 11/04

”魔術師の街”とうたう場面が無かったので、最後の方にその場面を追加、修正しました。


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