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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第六章 異世界生活編02 最初の街
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< 04end 小休止 魔法怖えぇ >


荒野での新魔法披露を終えて疲れた俺は、拠点に戻って来た。

昨夜寝た小屋の隣に、建物が建てられている。

朝から作業を始めて、今、昼過ぎなのだが、基礎工事をえ、柱を立てえていた。

ゴーレムたちが頑張ってくれている。

丸太に腰掛け、その作業をぼんやりと眺めることにした。


いた時間を利用して、【多重思考さん】から隣街の情報を貰う。

いちいち、情報を小出しにして貰うのは、【目玉(仮称。魔法で作られた目)】が多いため、その情報を一度に貰うと頭がパンクすると言われたからだ。

【目玉(仮称)】は、現在146個あった。

いつの間にか増えていました。(てへ)

なんでも、「拠点を作るなら和室が必要ですよね。畳が作られているか、探してきます。」とのことで、【多重思考さん】たちが【目玉(仮称)】と【多重思考】を増やして、情報収集の為に遠くに派遣していました。

他にも、米や醤油や味噌も探してくれている。

見付かれば嬉しいよね。

それはそれとして。

【多重思考さん】に貰った情報によると、隣街は”魔術師の街”と名乗っている様だ。

魔術師が威張いばっていて、街の人たちとの関係は、あまり良くなさそうに見えるとの事だった。

うーん。

ごとけて、のんびり過ごしたい俺には、住みにくい街の様な気がするなぁ。

明日、実際に行ってみて確認するか。

行ってみないと分からないよね。

うん。


【多重思考さん】に、「確認してほしいことが有ります。」と、頭の中で言われた。

また、魔石かなと思い、【無限収納】の中の魔石の数を、無意識の内に確認した。

確認したら魔石の総数が400個を超えていた。

何種類かある様だが、一番多いゴブリンの魔石が300個を超えていた。

ゴブリン乱獲し過ぎぢゃね?

絶滅しちゃいませんかね?

そう思ったら、「そんなことではありません。」と、頭の中で言われた。

ゴブリンの絶滅は、”そんなこと”呼ばわりですか…。

「【ステータス】の魔法が二種類在る事に気が付きました。」

そう、【多重思考さん】に頭の中で言われた。

言われたのだが、「そっちの方が、”そんなこと”なんぢゃないの?」って、思った。

頭の中で、「ふぅ、やれやれだぜ。」って感情がするのは、俺の気の所為せいだよね?

「俺はおかしくないはずだ。」と思い、詳しいことを頭の中で訊く。

街に入る時に、水晶玉に触れてステータスの確認をされた。

その時に使われていた魔法は、【鑑定】だったとのこと。

うん、それは別におかしくはないよね。

【多重思考さん】は、【ステータス】の魔法でも確認できるのに、なぜ【鑑定】の魔法を使ってステータスを見るのか疑問に思ったんだそうだ。

そして、【ステータス】の魔法が二つ在ることに気が付いたとのこと。

自分のステータスしか見れない魔法と、他人のステータスも見れる魔法と。

この二つの【ステータス】の魔法を見比べて、片方の【ステータス】の魔法は、恐ろしい事が出来ることが分かったとのことだった。

「恐ろしいことかぁ…。」

「聞きたくないなぁ。」

「その【ステータス】の魔ほ「聞きたくないって言ってるぢゃん。」」

「聞きなさいっ。」

「……はい。」

押し切られた。

【多重思考さん】に。

【多重思考】って自分の一部だよね?

どうなってんだろうね?

それはそれとして。

自分の発見を他人に聞いて欲しい人って居るよね。大学にも居たよ。俺も含めて。(てへ)

「その【ステータス】の魔法ですが、ステータスの値を変更する事が出来ます。自分のも、他人のも。」

「………………。」

「ステータスの値を変更する事が出来る…。」

そう口に出して言って、考える。

STRやVITやAGIの値を小さい値に書き換えて弱体化させる様子を、頭の中で思い浮かべる。

え、それってヤバくない?

マジそれ?

ちょーヤバくない?

「この魔法を使えば、余裕で”俺TUEEEE”出来ます。無敵です。」

「この先、”俺TUEEEE”するのに必要な魔法です。(キリッ)」

【多重思考さん】に、そう断言された。

「俺は”俺TUEEEE”する気なんて無いよっ!」

「俺の目標は、ごとけて、のんびり過ごすことだからねっ。」

頭の中で、「ふぅ、やれやれだぜ。」って感情がしてるのは、俺の気の所為せいだよね? 俺の気の所為せいだよね?!

「俺は”俺TUEEEE”する気なんて無いよっ!」

俺はハッキリと【多重思考さん】に言った。


森の中に来た。

先ほど聞いた、”恐ろしい【ステータス】の魔法”の確認と、その魔法を【魔法無効】の結界で防ぐ事が出来るかどうかの確認をする為だ。

50mほど先に、ゴブリンが一体居る。

このゴブリンに実験台になってもらおう。

ゴブリンを見ながら【ステータス】の魔法を発動しよう。

「普通の【ステータス】の魔法は、自身のステータスを見る為の魔法なのではないか?」と言う疑問があったので、ゴブリンに意識を集中しながら【ステータス】の魔法を発動する。

こうすることで、普通でないほうの”恐ろしい【ステータス】の魔法”が発動するのではないかと考えたからだ。

ゴブリンの”ステータスの一覧”が表示された。

なるほど、普通でない方の”恐ろしい【ステータス】の魔法”が発動した様だ。

ステータスの数値が表示されている場所が四角いボックスに囲まれていて、数値を入力したり書き換えたり出来そうな見た目になっている。

MPの値が”5/5”となっている。

左右両方の数字がボックスに囲まれている。

左側の値が現在の値で、右側の値が最大値だろうね。

右側の最大値と思われる値を、頭の中で”1”に書き換えるイメージをする。

すると”1/1”と、ボックスの中のその値が書き換わった。

ゴブリンを見ると、何の異常も起きていない様だ。

もう一度、MPの値を書き換える。

今度は左側の値を”0”にしてみる。

前もって【多重思考さん】に、「MPの値を”0”にすれば気絶するので、指一本動かすことなく”俺TUEEEE”出来ますよ。」と、言われていたからだ。

「”俺TUEEEE”する気なんて無いよっ!」って、何度も言ってるのにね。

ゴブリンを見ながら、ゴブリンのMPの値を”0/1”にした。

ゴブリンは倒れた。

「………………。」

え? マジこれ?

ヤバイぢゃん。

ちょーヤバイぢゃん。

魔法怖えぇ。

魔法ちょー怖えぇ。

俺は、今、自分がしたことに戦慄せんりつした。

HPの値を”0”にしたらどうなるのかは、怖くて確認する気になりませんでした。

倒れているゴブリンは、【頭のおかしい火魔法】で首を刎ねて、燃やして始末しました。


別のゴブリンの居るところにやって来た。

今度は、先ほどの”恐ろしい【ステータス】の魔法”を、【魔法無効】の結界で防ぐ事が出来るかどうかの確認をする。

40mほど先に居るゴブリンを中心に、【魔法無効】の結界を張る。

次に、ゴブリンを見ながら【ステータス】の魔法を発動する。

発動しなかった。

もう一度やる。

やっぱり発動しなかった。

良かった。

【魔法無効】の結界で防げた事にホッとした。

ホッとしていたら、ゴブリンが俺に気付いた。

こちらに向かって来る。

ちょっと試したい事を思い付いたので、ゴブリンが結界の範囲を抜けたところで、ゴブリンを見ながら【ステータス】の魔法を発動した。

ゴブリンの”ステータスの一覧”が表示される。

DEXとAGIの値を、それぞれ”0”に書き換えた。

こちらに向かって走っていたゴブリンが転んだ。

起き上がり、こちらに向かって走ろうとするゴブリン。

しかし、すぐに転んだ。

再び立ち上がり、こちらに向かって歩く。

歩き方がぎこちなく感じた。

「………………。」

ぎこちなく歩くゴブリンを見る。

この魔法はヤバイ。

より一層、そう感じた。

歩くのが下手なゴブリンは、【頭のおかしい火魔法】で頭を撃ち抜いて、燃やして始末しました。


この世界に在る魔法はヤバイ。

ヒャッハー!な人(?)たちが作った魔法も含めてね。

【魔法無効】の結界は、この世界で生きていく上で必要不可欠だ。

とても手放せない。

そう思った。


魔法怖えぇ。


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”恐ろしい【ステータス】の魔法”は、ナナシが途中まで作って気絶して、その後、???さんが魔改造した魔法です。

現在、この魔法はナナシしか使える人が居ません。

使えるのは、【全魔法使用可能】のスキルのお陰です。

ナナシは、誰でも使える魔法だと誤解していますが、それに気付くことはないでしょう。

他の人は、この魔法の存在すら知らず、存在を知る方法を知っている人も居ないので、他の人が使える様になることはありません。


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