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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第六章 異世界生活編02 最初の街
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< 03 街と街の間 新魔法披露 >


街を出て、東へ向かって歩く。

初めて訪れた異世界の街だったのだが、のんびりとは暮らせなさそうな街だった。

だから、さっさと見切りを付けて、街から出た。

さて、どうするか。

「拠点に戻って、昼飯を食べるかなぁ。」と、思ったら、「荒野に行きましょう。お見せしたい魔法が在ります。」と、頭の中で【多重思考さん】に言われた。

門番さんから見えなくなるあたりまで歩いてから、【多重思考さん】に指定された【目玉(仮称。魔法で作られた目)】を目印に、俺は転移した。


荒野に来た。

ここは、【火属性魔法】と【風属性魔法】の担当している人(?)たちが、魔法の試し打ちをしていた場所だと頭の中で教えてくれた。

うん、そうだと思ったよ。

地面がボッコボコだもんな。(苦笑)

俺は目の前の惨状に背を向けて、昼飯の準備を始めた。

お腹が空いたからね。

現実逃避ぢゃナイデスヨー。


いつもの昼飯を、いつもの手順で済ませて、ボッコボコな荒野を見る。

「………………。」

何か言いたくなったが、言葉を飲み込んだ。

【多重思考さん】たちがしたことだが、自分の一部だから、モヤモヤした気分になる。

「荒野だからいいよね。」と、自分を納得させた。(納得させんなや)


目の前には、岩がいくつか在った。

さっき、俺が来た時には無かった気がする。

「魔法をお見せする為に【転移魔法】で持ってきました。」と、頭の中で説明してくれた。

「では、新しく作った魔法の説明をします。ずは、【火属性魔法グループ】です。」

いつの間にか、【火属性魔法グループ】と言う呼び名が出来ていた様だ。

「では、いきます。ご覧くd「ヒャッハー!!」」

おそらく【火属性魔法グループ】の人(?)のものとおぼしき声が聞こえた後、見ていた岩のはしが、ズバッと切れた。

ドスン ドタン

切り取られた部分が落ちて、倒れた。

その様子は、まるでジャガイモの端を切り落としたかの様に見えた。岩なんだけど。

「【火属性魔法】だよね? 全然火が見えなかったんだけど…。」

「むしろ【風属性魔法】の【風刃】の様に見えたんだけどさっ。どうなってんの?」

頭の中で説明された。

超高温の【ファイヤー】を刃の様な形にして飛ばして、触れた物を蒸発させることで、何でも切れる様になった、とのことだった。

うん。俺の知ってる【火属性魔法】と違う。

頭のおかしい【火属性魔法】だった。

もう一度、岩を切るのを見せてもらい、小さい球形にして、岩に穴をけるのも見せてもらって、【火属性魔法グループ】の発表は終わった。

なかなか凶悪な魔法だった。

だが、岩の切り出しとか穴明けとか、そういったものに有効活用が出来そうな魔法だった。

有効な活用方法が有ろうとも、凶悪な事に変わりは無いが。


「次は、【風属性魔法グループ】です。先ほどの岩の、向かって右後方の岩をご覧ください。」

頭の中でそう言われたので、その方向に目をやる。

それと思われる岩を見ると、空中に”↓”と”コレ”という文字が浮かんでいた。

「あの文字は何?」と頭の中に疑問を浮かべると、「【闇属性魔法さん】が空中に文字を浮かべています。」と説明された。

「【闇属性魔法さん】?」

頭の中に、新たな疑問を浮かべる。

「【闇属性魔法グループ】は【精神魔法グループ】と【闇属性魔法さん】に分かれました。」と説明してくれた。

【多重思考さん】たちが魔法の実験や研究なんかをしている様だったのだが、研究する内容が少ないモノから多いモノに人(?)が流れていった結果なのだろう。

まぁ、いいや。

「始めてくれ。」と頭の中でお願いすると、「結界を張り次第しだい始めます。」と返事があった。

空中に”物理無効結界”の文字が見えた。

結界に文字を書いてくれた様だ。

結界は目に見えないから、地味に助かる。

【闇属性魔法さん】は、気配りが出来る人(?)の様だ。

もう一つ、少し遠い位置にも”物理無効結界”の文字が見えた。

二重に結界を張った様だ。

二重に結界が張られた事に、緊張が走る。

「え? 何が起こんの? 大丈夫だよね?」

不安になりながら岩を見ていたら、「いくぜー、ヒャッハー!!」って声が頭の中でした後、岩が爆発した。

「俺の知ってる【風属性魔法】と違う!」

結界に弾かれる石を見ながら、俺は叫んでいた。

「爆発する【風属性魔法】って、何なの?!」

「爆発って、【火属性魔法】っぽいイメージがあるんだけどっ!」

頭の中で説明される。

「【転移魔法】で岩の中の一部を抜き取って、そこに”すっごく圧縮した空気”を【転移魔法】で送り込んだ。」とのことだった。

「うん。俺の知ってる【風属性魔法】と違う。」

【風属性魔法】って言ったら、”スパッ”ってしたり、”びゅわー”ってしたりするイメージだよね。

そんなイメージと、さらに風の精霊さんが、”ふわふわ””ひらひら”したりするイメージを、頭の中に思い浮かべる。

そうしたら、俺の思い描いたそのイメージを一撃で吹き飛ばす様なことを、頭の中で言われた。

「でも、風の精霊さんでも、いっぱい集めて、ぎゅうぅぅぅって圧縮したら、核融合とか起こしてドカンといきませんかね?」

「逃げてー、風の精霊さん逃げてー、超逃げてー!」

【風属性魔法グループ】さんは、ヤバイ人(?)たちでした。


精神的に疲れたので、新魔法披露は、これでおひらきにしました。


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