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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第五章 異世界生活編01 奮闘編
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< 11 無限収納 >


朝食を済ませた俺は、森に食料の調達に向かう。

既に【目玉(仮称。魔法で作られた目)】を使って、芋とリンゴっぽい果実を見付けてくれたとのこと。

【目玉(仮称)】を目印に【転移】が出来るのか確認する為に、【転移】を試みてみようと思う。

そう思ったら、周囲の警戒をしてもらっている【並列思考】さんに、ステータスの確認をする様にお願いされた。

疑問を思い浮かべる前に、理由が頭の中に浮かぶ。

「昨日、自身の体に掛けた【結界魔法】が、まだ有効になっているか確認してください。」とのことだった。

あぁ、そうか。

結界を張った時に魔力を消費したけど、結界の維持に魔力を消費していない様だったから、有効時間があるのかもしれないと思っていたね。

確認しておきたいよね。

「【ステータス】。」と、となえた。

目の前に”ステータスの一覧”が表示される。


”名前:”

”年齢:1日”

”性別:男”

”職業:魔術師”

”レベル:5”


”HP(Hit Point):****/****”

”MP(Magic Point):3981/****”

”STR(Strength):29”

”DEX(Dexterity):29”

”VIT(Vitality):28”

”AGI(Agility):252”

”INT(Intelligence):32”

”MND(Mind):32”

”LUK(Luck):15”


【スキル】:【全魔法使用可能】【魔法創造】【鑑定】【多重思考】【言語理解】

【耐性】:【毒耐性】【麻痺耐性】【状態異常耐性】【疲労耐性】【睡眠耐性】【乗り物酔い耐性】

【付与効果】:【暗視】

【加護】:【神サクラの加護(極小)】【神の寵愛】

【称号】:


昨日きのう掛けた【物理無効】と【魔法無効】の結界魔法については、記載が無いね。

それと、HPとMPの値がおかしいな。

体調がおかしいということはないので、値ではなく、表示がおかしいのかな?

他にも気になったことが有ったけど、取り敢えず、今はいいや。

今日も【物理無効】と【魔法無効】の結界魔法を自分の体に掛けておく。

【付与効果】のところに、【物理無効】と【魔法無効】の文字が追加されたことを確認して、”ステータスの一覧”を消した。


さて、森に食料の調達に行くか。

森の中に居る【目玉(仮称)】を目印に、そこに【転移】するイメージを頭に思い浮かべて、となえる。

「【転移】。」

景色が変わる。

俺は森の中に居た。

「よし、上手くいった。」

【目玉(仮称)】を目印にして【転移】が出来るのは良いね。

転移先の安全を、前もって確認できるし。

「うん。良いね。」

満足して、そう声が出た。

自分の立っている場所の周囲を見回す。

【目玉(仮称)】を使って見付けてくれていた芋が、すぐそばに在った。

芋を地面から掘り出そう。

「【分離】。」

地面の上に置かれる、葉から根っこまで一繋ひとつながりになった芋。

「すごく便利な魔法だよな…。」

便利過ぎて呆れてしまう。

小剣で芋を切り離して、【マジックバッグ】に仕舞った。

もう二か所で芋を収穫し、”リンゴの木”と言っていた木の場所に【転移】した。


”リンゴの木”の前に【転移】して来た。

木を見る。

「うん。リンゴに見えるね。」

既に【目玉(仮称)】を通して、【並列思考】さんが【鑑定】してくれていて、実が食べられるのは確認済みだ。

高いところにある実を、どうやって収穫しようかと思ったが、これも【分離】でいける気がした。

赤く熟しているっぽい実を10個ほど見ながら、「【分離】。」と、唱える。

俺の足元に赤い実が転がる。

同じ事をもう一回して、20個ほどの赤い実を収穫した。

一つ食べてみよう。

「【クリーン】。」

魔法で綺麗にしてから、かじりつく。

リンゴっぽい味がした。

甘さが足りない感じがしたが、自然にえているやつだから、贅沢ぜいたくは言えないよね。

ガジガジと一つ完食して、残りを【マジックバッグ】に仕舞った。


さて、食料の調達は、これでいいかな。

猪の肉がまだ残ってるし。

いや、野菜が足りないか。

しかし、森で収穫できる野菜って、何か有るかな?

山菜のイメージが頭に浮かぶが、アク抜きが必要な感じがするな。

うーん、やめておこう。

森の中で野菜を探すよりも、早く街に行くことを考えた方が良いだろう。


昨夜寝た場所へ戻ろうと考えたところで、昨夜は土の上で寝たことを思い出した。

「寝床になりそうな草を探そう。」

うん、そうしよう。

【目玉(仮称)】の手助けが欲しいなと思い、【並列思考】さんに【目玉(仮称)】を作ってもらって、森の中に放った。

自分も草を探す為に、森の中を歩くことにした。


草を見ながら森の中を歩く。

時々、【鑑定】をしながら歩く。

ふと、立ち止まる。

「そもそも、どんな草が良いのか、分からなかったね。」

枯れた藁を積んで、その上にシーツを被せる様子が、頭の中に浮かんだ。

うーん。

草を集めるって感じではなかったね。

藁なんて森の中には無いよなぁ。

むしろ、枯れ葉を大量に集めないといけない感じか。

大量の枯れ葉が有る場所を探せば良いのかな?

そんなことを考えていたら、【並列思考】さんの一人(?)から、「葉っぱはなんとかなります。」と、頭の中で言われた。

その場所に【目玉(仮称)】が居るのが感覚で分かったので、【目玉(仮称)】を目印に【転移】した。


その場所に来た。

ここは拠点を作っている場所の様だ。

沢山たくさんの木が、地面から引き抜かれて、置いてある。

根っこがしっかりと付いている事と、根っこに土が付いていない事から、【分離】の魔法を使った事が分かる。

【分離】さんマジ便利。

まわりを見渡すと、ところどころでゴーレムが丸太を運んだりしていた。

頭の中に声が聞こえた。

「沢山、木を引き抜いたので、これらの葉っぱが利用できます。」とのことだった。

なるほど。

この葉っぱを集めて、乾燥させれば良いのか。

よし、葉っぱを集めよう。

そして、考える。

どんな魔法を使えば、葉っぱを集められるかな?

【風属性魔法】に何かありそうな気がする。

少し悩んでから、あの魔法が使えることに気が付いた。

切り落とされた大きな枝と、その枝に沢山付いている緑色の葉っぱを見る。

そして、唱える。

「【分離】。」

俺の足元に、沢山の緑色の葉っぱで、山が出来た。

「【分離】魔法、万能かよっ!!」

魂の叫びだった。


【分離】の魔法で集めた沢山の緑色の葉っぱに、【ドライ】の魔法を掛けて、乾燥させた。

【マジックバッグ】に入り切るか不安だったので、ドーム型に【出入り不可】の結界を張って、風に飛ばされない様にした。

残った枝の処分方法を考える。

砕いて撒くのが簡単だが、まきとして売れないだろうかと考えた。

所持金が心許こころもとないので、お金を得る為にね。

まきだからたいしたお金にはならないだろうけど、一度売ってみよう。

沢山の枝を【風刃】の魔法で、薪として使いやすそうな大きさに切っていく。

切った枝で山が出来た。

これに【ドライ】の魔法を掛けて、乾燥させた。

さて、これを収納しなければならないんだが、【マジックバッグ】には入り切らない気がする。

別の収納魔法が必要だね。

俺のラノベの知識から、【無限収納】という単語が、頭の中に思い浮かんだ。

そして、【無限収納】という魔法が在ることも、頭の中で分かった。

よし、コレだな。

「【無限収納】。」と、唱えた。

魔法が発動したのは分かったが、何か変化が有った様には感じられない。

取り敢えず、試してみよう。

乾燥させた枝の山を見て、収納する様子をイメージする。

すると、それだけで乾燥させた枝の山が消えた。

頭の中で、【無限収納】の中身を確認してみる。

”薪:たくさん”と、言う表示が有った。

かたも確認しよう。

右手の手の平を上に向け、ここに薪を一本だけ取り出すのをイメージする。

手の上に薪が一本出て来た。

「おお、便利だな。」

薪をもう一度仕舞って、先ほど乾燥させた葉っぱも【無限収納】に仕舞った。

【マジックバッグ】に入れてある物も、全て【無限収納】に移すことにした。

先ず、リンゴを移すことにする。

時間停止させた状態でも収納できる気がするので、「時間停止で収納する。」と念じながら【無限収納】に仕舞った。

確認すると、”リンゴ:20個(時間停止)”と、なっていた。

よし。

猪の肉と芋も、時間停止で【無限収納】に仕舞った。

魔石や箸(と言うか木の枝)、”火を着けるのに便利な道具”、水筒などなど、どんどん【無限収納】に仕舞っていく。

最後に【マジックバッグ】も【無限収納】に仕舞った。

荷物がすっきりしたね。


昼食まで、まだ時間が有るので、ステータスの確認をすることにする。

目の前に”ステータスの一覧”を表示させる。


”名前:”

”年齢:1日”

”性別:男”

”職業:魔術師”

”レベル:5”


”HP(Hit Point):****/****”

”MP(Magic Point):4002/****”

”STR(Strength):29”

”DEX(Dexterity):29”

”VIT(Vitality):28”

”AGI(Agility):252”

”INT(Intelligence):32”

”MND(Mind):32”

”LUK(Luck):15”


【スキル】:【全魔法使用可能】【魔法創造】【鑑定】【多重思考】【言語理解】【無限収納】

【耐性】:【毒耐性】【麻痺耐性】【状態異常耐性】【疲労耐性】【睡眠耐性】【乗り物酔い耐性】

【付与効果】:【暗視】【物理無効】【魔法無効】

【加護】:【神サクラの加護(極小)】【神の寵愛】

【称号】:


名前が無いのは、昨日と同じ。

年齢が1日なのは、昨日が0日だったんだから、そうなるよね。

MPの値が、朝から少し増えたね。自然回復したんだろう。

表示がおかしいHPとMPは、まぁいいや。

それと【スキル】に【無限収納】が追加されているのと、【多重思考】というのが有るな。

【多重思考】は【並列思考】が進化したのかな?

昨夜、【並列思考】さんたちが、自分たちで並列思考を増やして、作業を分担していたと言っていたしな。

これからは、「並列思考さん」ではなく、「多重思考さん」と呼ぶことにしよう。


さて、【スキル】に身に覚えの無いのが有るね。

【全魔法使用可能】と【魔法創造】って、何ですかね?

「うーん。なんだろう? 神さまからの贈り物…なのか…なぁ…?」

分からないよなぁ。

沢山の種類の魔法が使えるのは、【全魔法使用可能】と言う、こいつのお陰だろうね。

【魔法創造】は、使った事が無いね。魔法を作ろうと思ったことが無いからね。

今後、何か魔法を作りたくなった時に、お世話になろう。

いや、使ったかな?

【並列思考】からさらに【並列思考】を作った時に、魔法を作ったかもしれない。

魔力を多く抜かれた様な憶えがある。


あと、【加護】にも何か有るね。

【神サクラの加護(極小)】と【神の寵愛】か…。

これは確実に神さまからの贈り物だろうね。

でも、”極小の加護”にも”寵愛”にも、身に覚えが無いね。

まぁ、”加護”ってことだから、有って困るモノぢゃあ、ないよね。

身に覚えが無いけど、まぁいいや。

これらに対して、何か出来る事も無いだろうしね。うん。


問題が有るとすると、ステータスを他人に見られた場合かな?

変なところが、色々有るからね。

でも、ステータスって、他人に見られたりするのかな?

他人に見られる恐れが無いのならば、何も問題無いね。

他人に見られる恐れが有るのなら、何か考えないといけないね。


”ステータスの一覧”を消して、昼食の時間まで、ゴーレムたちの作業をぼんやりと眺めていた。


設定

AGI(Agility)の値が9999でないのは、体の方がその値についていけないからです。

でも、レベルアップでの上昇率は高くなっているので、これからガンガン上がっていくことになります。


2019/06/20

ステータスの値を見直しました。レベルの割に値が低過ぎたので。

ステータスに、”性別”と【称号】を追記しました。

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