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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第五章 異世界生活編01 奮闘編
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< 09 今後の方針の練り直し >


荒野に張った結界の中で、今後の方針を考える。

言葉が通じないという問題が発覚して、街に行くのをめたので。

それと、対人戦闘についての問題も明らかになった。

どんな魔法が有るのかの知識は、蓄積されてきている。

しかし、魔法を即座そくざに発動させるには、その魔法を実際に使った経験がないと、むずかしいように感じた。

先ほどの冒険者たちとは、さいわい戦闘にならなかったが、戦闘になっていたら負けていた気がする。

結界で身を守れても、取り押さえられたら意味が無いと思うし。

殺さずに制圧する手段を持っていないと、この先、困る事が起きるかもしれない。

落とし穴にばかり頼る訳にも、いかないからね。


やる事は、こんな感じだと思う。


1、魔法を使いまくる

  魔法を理解することと、即座に発動できる様にする為ね。

2、対人戦闘の検討

  魔法で撃退したり、制圧したりする方法を考えておこう。

3、生活環境の改善

  すぐに街に行くことが難しくなったからね。いっそのこと、拠点を作るか?

4、言葉が通じない事の対策。

  これは魔法でなんとかなることに期待しよう。魔法でなんとかならない状況など、考えたくない。

5、食料の入手方法の検討。

  街に行けないなら、安定的に食料を得る手段が必要だよね。

6、街の情報収集

  街の治安の情報とか。そもそも街に入れるのかも分からなかったね。


「ぐう。」

結構やる事が有って、変な声が出た。

うーん、何からやろうか?

”魔法を使いまくる”からやるか。

よし、【並列思考】を増やして、魔法を使いまくろう。


現在、【並列思考】は二つだ。

一つだけだった【並列思考】を、さらに並列思考にして、二つにした。

今、一つを周囲の警戒に、もう一つを、狩りの仕方の再検討にてている。

これをさらに魔法で増やして、八つにした。

そして、仕事を割り振る。

一つは、引き続き周囲の警戒に。

他は、【火属性魔法】、【水属性魔法】、【風属性魔法】、【土属性魔法】、【雷属性魔法】、【闇属性魔法】、【光属性魔法】を、それぞれ使いまくって、理解してもらう。

俺の居る結界内の、俺から少し離れた場所に結界を張って、そこに向かって魔法を撃ちまくる様だ。

よろしく頼む。


俺は、言葉が通じない事の対策をする。

頭の中で、言葉を理解できる様になる魔法を思い浮かべ、問い掛ける。

すると、その魔法が頭の中に思い浮んだ。

それをとなえる。

「【言語理解】。」

魔法が発動した感触は有ったが、確認する方法が無いよね。

何かの機会に確認しないといけないね。


次に【転移魔法】について考える。

【転移魔法】で街の中に行けば、情報収集がはかどると考えたからだ。

それに森の中で食料を探し歩くのにも、役に立つと思う。

【転移魔法】自体は森の中で使っている。

落とし穴を埋めるのに、土を転移させた。

今回は何かを転移させるのではなく、自分を転移させる。

出来るよね?

ず、目に見える近い場所への転移を試す。

転移先を見て、そこへ転移する様子を頭の中で思い浮かべて、こんな魔法がないか問い掛ける。

予想していた通り、前に使ったその魔法が頭の中に浮かんだ。

そして、唱える。

「【転移】。」

目で見ていた場所に転移していた。

よし、成功だ。

やったね。

次に、行ったことのある場所への転移が出来ないかを考えた。

試そうと思ったが、【不可視】の結界を張ってあるココに帰って来れるのか不安だったので、それはめた。


街に【転移魔法】で移動して、情報収集をすることを考えていたが、何も自分自身が転移しなくとも、”目と耳の役割をする何か”を、送り込めば良いのではないかと思い付いた。

そういうモノを作りだす魔法はないだろうか?

宙に浮く見えない”目”を通して、離れた場所の様子を見たり、聞いたりする事が出来る。

その様なモノを作り出す魔法がないか、頭の中で問い掛ける。

頭の中に沢山の文字が見えた。文字が増えたり減ったりしている。

そんな状態がしばらく続く。

そしてすべての文字が消えた。

そんな魔法は無いってことだろうか?

うーん、条件に問題が有るのかな?

複数の物が足されたモノだからな。

機能を分解して付与していけば、出来上がる気がするな。

「宙に浮く」、「移動可能」、「不可視」、「見る」、「聞く」、「繋がる」。

分解してみたら意外と多かった。(てへ)

これを作るのは大変そうだな。

後回あとまわしにして、【並列思考】さんたちの手がいたら、手伝ってもらおう。


色々考えていたらおなかいたので、食事にする。

猪の肉を焼く為の平たい石が、周りにまったく無い事に気が付いた。

「あー、しまったな。」

どうするか?

そう言えば、【ストーンボール】の魔法は、石の塊を作り出せるよな。

石の板を作り出せる魔法が有るかもしれないね。

そう思ったら、その魔法の名前がすぐに頭に浮かんだ。その魔法を唱える。

「【クリエイトストーンプレート】。」

そのままの魔法で、そのままの物が、目の前に作り出された。

何か言いたくなったが、まぁいいや。

【ファイヤー】の魔法で上の面を熱する。

もう一枚、石の板を作り出して、その上で肉と芋を切る。

小剣で切るのはどうかと思うな。

「あー、包丁が欲しくなるな。」

街に行かないと手に入らないから、いつになるか分からないね。

値段が高かったりしたら買えないな。

本当に、いつ手に入れられるか分からないね。

「はぁ。」

溜息ためいきが出た。


焼いた肉と芋を食べ終え、片付けをしていたら、【闇属性魔法】と【光属性魔法】を担当していた【並列思考】さんから、作業が終わったと報告があった。

「早かったな。」と、頭の中で思ったら、「【精神魔法】と【治癒魔法】は、被験者が居ないとちょっと…。」と、言うことらしい。

うん、そうだよね。

【闇属性魔法】を担当していた並列思考さんには、【無属性魔法】を。

【光属性魔法】を担当していた並列思考さんには、ゴーレムの作り方や、操作方法を、それぞれお願いした。

ゴーレムの作り方や、操作方法は、拠点を作る為にね。

拠点は、いつか必要になると思うから。

いざと言う時に転移で逃げられるのだから、緊急避難先として拠点を持っておきたいよね。


「さて、この後どうするか。」

【睡眠耐性】とか【疲労耐性】とか付与したので、眠らなくても大丈夫だと思うんだが…。

色々あったから、疲れた気もする。

「うん。寝よう。」

そう決めて、寝る場所をどうするか考える。

「【クリエイトベッド】とか言う魔法は無いだろうしなぁ。」

諦めて地面に横になる。

地面に横になっただけなのに、体から力が抜けるのが分かる。

思っていたよりも疲れていたのかもしれない。

そう言えば、寝てしまったら、【並列思考】さんたちはどうなるんだろうな。

寝ている間も活動できるのなら、色々助かると思うんだが。

周囲の警戒をしてもらっている【並列思考】さんに、どうなるのか確認してもらうことにしよう。

確認をお願いしてから、眠りに就いた。


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