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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第五章 異世界生活編01 奮闘編
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< 07 並列思考を並列思考 >


【気配察知】の魔法を使いながら、森の中を東に向かって歩いている。

それとは別に、【並列思考】で周囲を警戒している。

【並列思考】で周囲を警戒しながら、更に、狩りの仕方の再検討をしたいなと思い、【並列思考】をさらに【並列思考】出来ないかと考えた。

「ちょっと、試してみるか。」

立ち止まり、【気配察知】の魔法を止める。

頭の中で、【並列思考】を、さらに【並列思考】出来ないか、問い掛ける。

頭の中に、沢山たくさんの文字が浮かんでは消えていき、その後には何も残らなかった。

こういう事は初めてだな。

いつもは、最後に魔法や文字が思い浮かぶのに。

諦め切れずに、【並列思考】をさらに【並列思考】する魔法を、頭の中でイメージする。

何かが組み上がるかの様な感じが、頭の中でした。

なんとなく出来る気がした。

そして、「【並列思考】。」と、となえる。

体の中から魔力が抜かれる様な感覚があった。

そして、【並列思考】を、さらに【並列思考】出来た事に気が付いた。

「やった。」

【並列思考1】には、引き続き周囲を警戒してもらい、【並列思考2】には、狩りの仕方を再検討してもらう。

俺は再び【気配察知】の魔法を使いながら、森の中を東に向かって歩いて行く。


「肉を食べることが出来たが、果実や炭水化物も欲しいなぁ。」

肉を食べて満腹になったのだが、栄養のバランスが気になった。

森の中で手に入りそうな炭水化物と言えば、芋とかだろうか?

ふと、猪が地面を掘り返していたのを、思い出した。

「芋が在るかもしれない。」

うん、希望が持てるね。

果実と芋を探しながら森の中を歩く。


芋の葉っぱっぽいのを見付けた。

【鑑定】する。

「芋の葉。実は食べられる。実から生える芽には毒が有る。」と、出た。

やったね。

芋を掘り返そうと思ったが、道具が無い。

「うーん、何か良い魔法はないだろうか?」

そう考えたら、【並列思考2】が、「【分離】でいけると思います。」と教えてくれた。

おお、ありがたい。

早速、芋の葉っぱを見ながら、「【分離】。」と、唱える。

次の瞬間。葉っぱから実、根っこまで、一繋ひとつながりになった状態で、芋が地面の上に置かれていた。

「すげぇ。」

根っこには土が付いていない。

土も根っこから分離されたんだろう。

「【分離】の魔法、万能すぎんだろ…。」

呆れた様な声が出たけど、しょうがないよね。

芋の実だけをって、【マジックバッグ】に入れた。


さらに東に向かって歩こうとしたところで、【並列思考1】から言われた。

「街に行くまでの食料は確保できたと思います。」

「森は移動にも睡眠にも向きません。荒野に戻るべきだと思います。」

とのことだ。

うん、そうだね。

頭の中の声に従って、方角を南に変えて歩いていく。


南に向かって少し歩いたところで、前方に何かが居るのに【気配察知】で気が付いた。

警戒しながら、近付いて行く。

二本足で歩く、背の低い生き物が居た。

数は三体。剣を持っている。

魔物かもしれない。

【鑑定】した。

「ゴブリン。弱い魔物。知能は低いが集団で行動できる。大群だと厄介。」と、出た。

よし、魔法で仕留めよう。

そう思ったら、【並列思考2】から、「私にやらせて下さい。」と、言われた。

【並列思考2】には、狩りの仕方を考えてもらっていた。

何か良い方法があるのだろう。

任せる事にした。

俺は見学だ。

と、言っても、並列思考なだけで、本人なんだけどね。


ビシッビシッビシッビシッビシッビシッ

三体のゴブリンたちに、【ストーンバレット】が撃ち込まれた。

ゴブリンたちがこちらを見る。

「あれ? 俺に気付いてませんか? 【並列思考2】さん。」

ゴブリンたちが、こちらに向かって来た。

ちょっとビビるが、【物理無効】の結界を張っているし、周囲を警戒する役目の【並列思考1】さんも居るから大丈夫だよね。

信じているよー。

ゴブリンたちにビビッていたら、ゴブリンたちが転んだ。

その直後、ゴブリンたちが穴に落ちていくのが見えた。

【並列思考2】さんが、何をしたのか教えてくれる。

浅い落とし穴を作って転ばせて、転んだ場所に落とし穴を作ったそうだ。

なるほど、簡単だね。

「【ストーンボール】で仕留めるので、ゴブリンが見える場所まで移動して下さい。」と、言われたので、穴のそばまで移動する。

ゴブリンたちを【ストーンボール】で仕留めた。【並列思考2】さんが。

さて。

ゴブリンたちの死体は埋めればいいのかな? それとも燃やした方が良いのかな?

その前に魔石が有るか調べるか。

【鑑定】で、魔石が有ることを確認した後、【分離】で魔石を取り出した。

【分離】で取り出した魔石は、俺の足元に転がっている。

「本当に便利な魔法だなぁ。」

魔石は少し透明感のある赤い色だった。

魔石がお金になる事を祈って、【マジックバッグ】に仕舞った。

ゴブリンたちの死体は、燃やした後で埋めました。


【並列思考2】さんに、ゴブリンを倒した方法について質問する。

猪を狩った方法が色々面倒だったから、別の狩りの仕方を再検討してもらっていたはずだったから。

「まだ検討中です。てへぺろ。」と、返ってきた。

「てへぺろ。」は、いらんやろ。

まぁ、いいや。

落とし穴の、イイ使い方を知ることが出来たからね。


さらに、南に歩いて行く。

森を抜けた。

少し先に道が見えた。

道まで行って、東に向かうことにした。


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