< 04 狩りの準備 >
これからの方針を考える。
・今、食料を何も持っていない。
・街までは遠い。(徒歩で丸一日くらいか?)
・街の外側が安全なのか分からない。
さて、この状況で、どう行動しようか?
1、食料無しで、強行軍で街に向かう。
2、森で食料を調達してから街に向かう。
うーん。
どちらも安全じゃないよね、これ。
使える様になった魔法で何とか出来るのは、”森で食料を調達する”って方だよね。
うーん。
この機会に魔法の種類や使い方を学んで、森で食料を調達しようか?
でも、魔力が十分に無いと、魔法に頼るのは危険だよな。
そうだな。
先ずは、魔力がどのくらい残っているのかを調べよう。
そうしよう。
【ステータス】の魔法を使って、魔力がどのくらい残っているのかを調べよう。
一度、気絶しているので緊張する。
頭の中で、【ステータス】の魔法を問い掛けると、その文字が頭の中に浮かんでくる。
そして、唱える。
「【ステータス】。」
目の前に、ステータスの一覧が表示された。
魔力はほとんど消費しなかった様に感じた。
気絶した時と、何でこんなに違うんだろうな?
不思議だな。
それはそれとして、意識を目の前の”ステータスの一覧”に向ける。
”名前:”
名前には、何も書かれていなかった。
存在が消滅しかけたとか、元の世界でのことが影響しているのかな。
”年齢:0日”
「0日って………。」
今日、生まれたってことになっているのかな?
「クソッ、ツッコミどころが多いわ。」
「むしろ、ツッコミどころしかないし。」
もう、めんどくさくなったので、魔力のところだけ見よう。
”MP:9728/9999”
これかな?
大きい数字だが、沢山有ると思って良いのかな?
何か魔法を使ってみて、この値がどのくらい減るのか見てみよう。
今の数字を地面に書いてから、一度、ステータスの一覧を消す。
さて、どんな魔法を使おうか?
何か動物を仕留められる様なヤツがいいな。
ファイヤーボール?
森の中では使えないか。
石の塊をぶつける?
これか。
うん。取り敢えず、これにしてみよう。
石の塊を飛ばす様子を頭の中で思い浮かべて、こんな魔法がないか、頭の中で問い掛ける。
すると、その文字が頭の中に浮かんだ。
そして、唱える。
「【ストーンボール】。」
魔法を放つ先を決めていなかったので、慌てて、少し先の地面に照準を合わせた。
そこに、バレーボールより少し小さいくらいの石が飛んで行き、ぶつかる。
ドガッ!
少し地面が抉れた。
「なかなかの威力かな?」
狩りに使えそうな威力は有ると思った。
「よし、ステータスで、どのくらい魔力を消費したか見てみよう。」
「【ステータス】。」
目の前にステータスの一覧が表示された。
MPの値を見る。
”MP:9713/9999”
MPは15しか減っていなかった。
かなりの数の魔法が使えることが分かった。
うん、これは朗報だね。
だけど、なんで気絶したのかが、さっぱり分からなくなったね。
なんで気絶したのかは、分かりそうにないので、沢山魔力が有って、沢山魔法が使えることを喜ぶ事にした。
よし、方針は決まった。
魔法を使って森で狩りをして、食料を調達する。
うん。
じゃあ、その前に、必要な魔法を考えて、安全に狩りが出来る様に準備しておこう。
狩りの状況を考えながら、必要な魔法を考えることにした。
獲物を仕留めるのに使う魔法は、以下の物を考えた。
【ストーンボール】、【ストーンバレット】、【ピットフォール】、【ウォール】、【ストーンウォール】。
他に、獲物を探すのに使う【気配察知】。
食べられるかどうかを調べる【鑑定】。
狩った獲物から肉を取り分ける【分離】。
肉を焼く【ファイヤー】。
取り分けた肉を保存する【マジックバッグ(時間停止)】。
他に、体に付与するものとして、【毒耐性】(←付与済み)、【麻痺耐性】、【状態異常耐性】、【疲労耐性】。
そして、夜遅くまで行動できる様に、【睡眠耐性】と【暗視】。
さらに、【並列思考】も付与した。
獲物を探しながら、周囲を警戒する為にね。
あと、結界も張ることにする。【物理無効】と【魔法無効】ね。
これで、安心して狩りが出来ると思う。
”獲物が居なかった”なんて事が無い様に、祈っておこう。