< 03 手紙 >
【リード】の魔法によって読める様になった紙を読む。
最初に、ローブについての説明が書かれていた。
「ローブに【認識阻害】の魔法が掛かっているので、これを身に付け、トラブル防止の為に素顔を晒さないで。」
うーん、トラブル防止ねぇ。
素顔を晒すと、どうなるって言うんだろうね?
でも、神さまがそう言うのなら、従っておいた方が良いよね。
さらに読む。
「結界魔法で身を守って。」か。
うん。身を守る手段は必要だよね。
結界魔法とやらに、どんなものが在るのか、頭の中で問い掛けると、いくつかのものが頭の中に思い浮んだ。
【物理無効】、【魔法無効】、【侵入不可】、【出入り不可】、【認識阻害】、【隠蔽】、【人除け】、【遮音】、【不可視】と、ある。
取り敢えず、自分の体に魔法を掛けるのをイメージしながら、「【物理無効】。」と、唱えて、【物理無効】の結界を張ってみた。
目には見えない様だ。
結界が在ることを感じることも出来ない。
そして、魔力が消費され続けているということも無い。
この魔法には、有効時間というのが有るのかもしれないね。
何か、結界の存在を知る方法って、ないのだろうか?
まぁ、それは後回しにしていいね。
結界を張れただろうということに満足して、紙の続きを読むことにする。
次に、「魔法で体に耐性を付与して。」と、書かれていた。
先ほどと同様に、耐性を付与する魔法とやらに、どんなものが在るのか、頭の中で問い掛ける。
すると、先ほどと同様に、いくつかのものが頭の中に思い浮んだ。
【毒耐性】、【麻痺耐性】、【石化耐性】、【恐怖耐性】、【疲労耐性】、【睡眠耐性】、【状態異常耐性】、【精神魔法耐性】と、ある。
うーん、色々在るね。
【毒耐性】を付与してみるかな。
毒の有る虫とか居るかもしれないし、必要だよね。
「【毒耐性付与】。」と、唱える。
うん。これも、全然分からないわ。
これも確認する方法とかないかな?
【ステータス】で確認できるような気がしたが、【ステータス】を使うのは、なんとなく嫌だったので、紙の続きを読むことにする。
次は、有ると便利なモノとして、【マジックバッグ】と【鑑定】と【並列思考】が、書かれていた。
持ち物が少ないので、【マジックバッグ】は不要だな。
これは、後回し。
【鑑定】を使ってみよう。
頭の中で、【鑑定】の魔法について問い掛けると、その文字が頭の中に浮かんでくる。
目の前に転がる石を見ながら、「【鑑定】。」と、唱える。
「石。どこにでもある普通の石。重さ32g。」と、文字が頭の中に浮かんだ。
おお。
この魔法は役に立ちそうだ。
この石の情報は役に立たないが。(笑)
次に、【並列思考】を考える。
が、今、必要ではない気がしたので、これも後回しだね。
次。
何かの記号と思っていたのは、地図だった。
現在位置と”街”の位置が書かれていた。
この”街”の位置は、東の方角に見付けた砦と思った場所を示している様に思える。
「あれが、街だったのか。砦じゃなかったんだ。」
かなり立派な壁が在った気がしたんだが。
ん?
”かなり立派な壁が在る”と、言うことは、壁の外側が、かなり危険ってことじゃないのか?
早く街に向かって移動するか?
しかし、かなり距離が在る。
食料が無い状態で移動するには、無理がある距離だと思う。
………。
「森で食料を調達しなければならない…、かな?」
ちょっと、真剣に考えなければならないな。




