< 01 リスタート >
神さまのうっかりが原因で、異世界に転生することになった”ある男”。
異世界に来て、試しに魔法を使ってみたところ、MPが枯渇して気絶してしまいました。
目を覚ました彼は、この世界で生きていくことの難しさを感じます。
彼は、この世界で生きていく為に必要なことを考え、色々な準備を始めます。
彼の、その奮闘の様子です。
目が覚めた。
地面が見える。
地面に両手をついて、体を起こす。
顔に砂や小石が付いていた。
それらを手で払った。
魔法を使おうとして、気絶してしまったことを思い出す。
「魔法を使うことは出来るけど、すぐに魔力が尽きてしまうということかな。」
「魔法には頼れないな。」
この先、慎重に行動しなければならないな。
「はぁ。」
溜息が出た。
魔法が使えることに期待したのだが…。
この先、苦労しそうだ。
魔力がすぐに回復することは無いだろう。
今日はもう魔法を使えないな。
「と、なると、身を守る手段は小剣だけだな。」
素人に何が出来るんだろうね。
「はぁ。」
また、溜息が出た。
街に行くことに決めていたな。
食料を手に入れる為にね。
どの方向へ行けば街が在るんだろうな?
周りを見渡して、街を探すことにする。
荒野の地平線の辺りを見渡す。
太陽の位置から、たぶん東だと思う方角に、何かが在った。
さらに、じっと見る。
何かが在るのは分かるが、何なのかが分からない。
「うーん…。分からん。」
双眼鏡の様な物が有ればいいのにな。そうすれば、大きく見えるのに。
そう思って、双眼鏡をイメージして、両手を双眼鏡のような形にして遠くを見る。
そんなことをしても、大きく見えたりしないはずなんだが、遠くに在った何かが、何故か大きく見えた。
そして、体の中から何かが抜かれる様な感覚があった。
「え?」
びっくりした。
びっくりしたが、せっかく大きく見える様になったので、遠くに在るその何かを、そのまま見続ける。
「城壁?」
「砦…、なのかな?」
街と言うよりは、砦の様に見える。
あそこに行くのには、少し躊躇いが有るな。
他に街っぽいモノがないか、調べることにした。
他に街っぽいモノは無かった。
しかし、収穫はあった。
どうやら魔法が使える様だ。
今日はもう使えないと思っていたので、うれしい誤算だ。
魔法を使ったことで、レベルが上がったりしたのかもしれないね。気絶したけど。
ステータスの確認は、また気絶するのが怖いので止めて、どんな魔法が使えるのか、確認をすることにした。




