< 12 ???さん視点01 >
天から落ちて来る人を見付けました。
久しぶりです。
前の人は、30年くらい前でしたでしょうか?
私は、天と地上の間の”曖昧な場所”で、落ちて来た人を神力で、ふわりと受け止めました。
落ちて来た人を調べます。
質素な服を着ています。
所持品は無い様です。
お金ぐらいは持たせてあげて欲しいものです。
困った神さまです。
落ちて来た人を詳しく調べます。
所謂3点セット(【無限収納】、【鑑定】、【言語理解】)も、持っていない様です。
【言語理解】すら持っていないのは、どういうことなのでしょうか?
罪人か何かなのでしょうか?
それとも、神さまのミスなのでしょうか?
落ちて来た人を、さらに詳しく調べなければなりませんね。
【スキル】と【加護】を持っている様です。
先ず、【スキル】調べます。
【全魔法使用可能】と【魔法創造】という【スキル】を持っています。
初めて見る【スキル】です。
と、言うか、これは神さまが勝手に作ったものですね。
このままでは、発動しないのではないでしょうか?
本当に困った神さまです。
【スキル】の件は、一先ず置いておいて、【加護】を調べます。
【加護】は二つ有りました。
一つは【神サクラの加護(極小)】でした。
神さまの名前が付いている【加護】は、初めて見ます。
この世界の神さまの加護を受けている場合は、”神”としか表記されませんので、他の世界の神さまなのでしょう。
他の世界の神さまから加護を受けているなんて、どういうことなのでしょうか?
気にはなりますが、後回しにしましょう。
この落ちて来た人には気になることが多いので、後でまとめて考えることにします。
もう一つの【加護】を見ます。
【神の寵愛】
「神のかg…、え? 加護じゃない? 寵愛? え? え?」
これも、初めて見るものでした。
いったい、どうなっているのでしょうか、この人は?
今回落ちて来たこの人は、いったい何なのでしょうか?
【神の寵愛】を持っているということは、罪人とかではないのでしょう。
と、なると、【言語理解】すら持っていないのは、神さまのミスという事ですね。
所持品を持っていないのも、神さまのミスなのでしょう。
本当に困った神さまです。
そして、おかしな【スキル】は、寵愛に相応しい【スキル】を与えようとした結果なのでしょうね。
他の世界の神さまの加護を受けているのも、【神の寵愛】を受けるほどの人ならば、納得できますね。
さて。
そうなると、発動しなさそうな【スキル】を、きちんと発動する様にしなければなりませんね。
【全魔法使用可能】と【魔法創造】が発動可能になる方法を考えます。
魔法が収められている”書庫”へのフルアクセスを、許可すれば良いのでしょうか?
レベルや属性による制限が無くなって、文字通り、全魔法使用可能となるでしょう。
いえ、フルアクセスは駄目ですね。上書きが出来てしまいます。
上書きのみ禁止で、他のすべてを許可すれば良いでしょう。
【スキル】の名称はそのままで、””書庫”への上書き以外をすべて許可”で良いでしょう。
しかし、これだけでは魔法を創造することは出来ませんね。
魔法を創造する為には、何が必要でしょうか?
考えます。
見て、書いて、組み立てる能力でしょうか?
理解して、組み替える能力でしょうか?
理解して、書き加えて、組み替える能力ですかね?
それでは、既に有る魔法を改造できるだけになってしまいますね。
これでは”創造”ではありません。
存在しない魔法を作る方法を考えます。
想像を魔法に変換する能力ですかね?
そうです。これです。
想像を魔法に変換し、”書庫”へ書き込めば良いのです。
これで、【魔法創造】が実現できるでしょう。
私は【魔法創造】のスキルを、”想像を魔法に変換し、”書庫”へ書き込む。”と定義しました。
しかし、この【スキル】は、強力過ぎなのではないでしょうか?
【神の寵愛】のことも、気になります。
神さまは、この人に何をさせる気なのでしょうか?
それも考えなければなりませんね。
設定
神サクラの加護が”極小”なのは、レベルが低い(レベル:0.1)ためで、全力全開でなんとか絞り出しても、これが限界でした。
神の”寵愛”は、創作活動で、アレコレやり過ぎた結果です。




