< 06 地球の在る世界の神06 姉の話 >
姉に連絡を取り、相談することにします。
姉は、学校の成績があまり良くなかったので、あまりパッとしない世界で神をしています。
パッとはしませんが、なにやら他の世界とは異なる特徴が在る様で、とてもレアなケースとして調査、研究が行われているそうです。
姉は、面倒だと嫌がっている様ですが。
以前はよく帰省していたのですが、共通の趣味を持つご友神が出来てからは、ぱったりと帰って来なくなりました。
学生時代に一度、母の命令で様子を見に行ったことがありました。
ご友神と一日中机に向かい、何やらしていました。
食事も睡眠もあまり取っていない様だったので、食事を作ってあげたら、「女神さまだぁ。」とか言って、とても喜んでもらえました。
「あなたたちも女神さまでしょ、なに拝んでんの。」と、呆れたのを憶えています。
あと、夜遅くに騒ぐのはどうかと思いました。
「締め切りがーー。」とか、「無理だーー。」、「手を動かせーー。」、「諦めるなーー。」とか、「やっぱり妹さんにー。」、「身内だからいいだろー。」、「身内だからだめなんだろー。」とか、いろいろ聞こえてきました。
碌に寝ていない疲労困憊の状態で、丸一日外出したかと思えば、翌日には丸一日ベットの中。
何かの修行でしょうか?
姉を一人暮らしさせて良いのか不安になりました。
姉が丸一日ベットの中で過ごした翌日。
ご友神と、「戦利品の分配だーー!」、「このカプがあれば、あと10年は戦える!」とか言っているのを聞いて、何か危ないことをしているのかと不安になりました。
その翌日。
帰るわたしが、「たまには帰って来てね。」と、言うと、「私は腐っちまったからよ。」と、格好付けながら嬉しそうに言う姉の姿には困惑しました。
母を不安にさせる内容が多かったので、色々伏せて報告しました。
数日後、姉から電話がきました。
「徹夜が多くてテンションがー。」とか、「妖精さんが物を隠したり置いたりするのー。」とか、「ページは数えられるけど、栄養ドリンクの本数が数えられなくなるのー。」とか、「食事を作ってくれる女神さまが魔法陣から現れるのー。」とか、徹夜の危険性を熱弁する、少しまともな状態の姉でした。
「私は腐っちまったからよ。」と、格好付けながら嬉しそうに言ったことを憶えてるか訊いたら、悲鳴が返ってきました。
徹夜の恐ろしさを教えてくれる、良い姉だと思います。
母には色々伏せて報告したことを話すと、とても感謝されたので、その時の恩をタテに、相談させてもらうことにします。




