32 外伝 メイドさんたちがヤバイ (7日目 ナナシサイド)
オークの集落での戦闘が冒険者たちの全滅で終わった、その翌日。
今日も、森の中を姿を消して移動している者たちを監視している。
夜通し監視してくれていた【多重思考さん(多重思考された人(?)たちのリーダー)】から、気になる報告を受けたからだ。
その”気になる報告”である、彼らを【鑑定】した結果を【多重思考さん】から教えてもらう。
【称号】に、【這いよる者】、【暗殺者】なんてものが有った。
うん。どう見ても”カタギ”ではないね。
そんな彼らの持っている【スキル】は、以下の通りだった。
【剣術】、【短剣術】、【棒術】、【投擲術】、【格闘術】、【合気道】、【隠密】、【軽業】、【巨乳術】、【護身術】。
その中に、一つ気になるスキルが有りました。
”【巨乳術】” じゃじゃーん。
あ、これ王宮で見たこと有るやつだ♪
どう見てもメイドさんです。本当にありがとうございました。
彼女たちが昨日、あのオークの集落に居た理由を考える。
公爵家側の妨害か監視だったんだろうね。多分。
もう終わった事だし、俺が彼女たちを監視する理由は無いな。
放置でいいよね。
うん。
そう思って、『もう監視するのは止めよう。』と思ったら、【多重思考さん】から『別のオークの集落に向かっている様です。』と教えられた。
ふむ。
メイドさんたちが何の為にオークの集落に行くのか気になったので、そのまま監視し続ける事にした。
あのオークの集落の南西方向に在る、別のオークの集落にメイドさんたちが到着した。
姿を消したままのメイドさんたちが、オークの集団の一つに近付く。
結界を張ったのが【魔力検知】で見えた。
そして、姿を消したままのメイドさんたちがオークたちに斬り掛かる。
音がしない。
張った結界は、【遮音】結界だった様だ。
あっと言う間に、結界の中のオークたちを始末した。
同じ事を何度かして、オークの数を減らしていった。
ある程度減らした後、オークたちを包囲しながら、一気に殲滅していく。
オークやオークジェネラルの首があっさりと落ちる。
オークキングの首もあっさりと落ちた。
………………。
………………。
………………。
メイドさんたちがヤバイ。(真顔)
メイドさんたちがまぢヤバイ。(まぢ真顔)
怖えぇ。(真顔)
超怖えぇ。(超真顔)
絶対に敵に回しちゃいけない人たちだ。(超・確・信)
メイドさんたちは魔石の回収をしている。
それと、オークキングとオークジェネラルの死体も、【マジックバッグ】に回収している。
回収を終えたメイドさんたちは、現場から撤収し、街道の方向へ歩いて行った。
メイドさんたちが、”まぢヤバイ”という事が分かった。
また、色々な魔道具を持っている事も分かった。
魔力を検知できる魔道具も、持っていたりするんですかねぇ。
もし、持っていたら、王宮のあちこちに放っている【目玉(仮称。魔法で作られた目)】の存在がバレてますよねぇ。
覗きを疑われてもおかしくない状況です。
ヤバイです。
覗きを疑われたら殺されます。(断言)
バレているのかバレていないのかは分からないが、【目玉(仮称)】を見付からない様にする対策は、絶対に必要だね。
俺は【多重思考さん】に、再優先で検討する様に頼んだ。




