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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第十九章 『金色の牛』編
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04 モウケル子爵、ダンジョンへ (冒険者レアード視点)


< ベテラン冒険者レアード視点 >


俺が冒険者を引退する事を決めてから60日ほどった。

だが、俺はまだダンジョンにもぐり続けている。


今は、あの金色きんいろうしの魔物の情報を売ったモウケル子爵と一緒に。



荷車にぐるませた金色きんいろうしが突然姿を消してしまった、あの現象。

あの後も何度か試したのだが、やはり第二階層まで運ぶとあの魔物は姿を消してしまった。

しかも、ただ消えてしまうだけでなく、次につかまえに行く時には一つ下の階層に移動してしまっていた。

その為、今、あの金色きんいろうしは、最初に見付けた12階層ではなく15階層に居る。

これ以上、りをためすのは危険だと判断したモウケル子爵は、今回、とうとうご自身で15階層に向かう事になった。

まわりのお世話をする者も同行している所為せいで、50人ほどのおお所帯じょたいになってしまっている。

だが、俺自身がモウケル子爵の対応をする必要は無かったので、想像していたよりもずっと楽だ。護衛をする私兵も多いしな。



  ◇  ◇


何事なにごとも無く15階層までやってれた。

それと、目的の金色きんいろうしも無事に見付けることが出来た。


早速さっそく、モウケル子爵が金色きんいろうしに向かって頭を差し出し、められている。イイ笑顔で。

この光景を見るのは何度目だったかな?

あいわらずドン引きする光景だ。

俺は、”アレ”の経験者仲間でもある私兵のリーダーたちと並んでその光景を眺め、苦笑いをするのだった。



  ◇  ◇


ダンジョンから出て久しぶりの日の光を浴びると、誰からともなく歓声ががった。


金色きんいろうしに頭をめさせ、その効果が既に出始めているモウケル子爵はとても上機嫌だ。

食料を積んでいた荷車にぐるまには帰り道で狩った魔物の素材がせられていて、その臨時収入に私兵たちも浮かれている。

まぁ、モウケル子爵のまわりのお世話をしていた人たちは初めてのダンジョンに疲れ切った表情をしていて、彼らのことは気の毒に思うけどな。


俺は、一旦いったん、ここで彼らと別れる。

打ち上げ費用の為に、魔物の素材を冒険者ギルドで換金する為だ。

早々に護衛依頼完了のサインをモウケル子爵からもらってくれた私兵のリーダーには感謝だな。

ただ単に、早く打ち上げをしたいだけな気もしないではないが。



冒険者ギルドで護衛依頼完了の手続きと魔物の素材の換金をして、指定された酒場に向かった。

すっかり仲良くなった私兵たちと、早速さっそく、売り払った素材の代金をやまけして乾杯する。


とても楽しい打ち上げとなった。


冒険者を引退する事を決めてからのこれらの出来事に、何も思うところが無かった訳ではないが。


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