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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第十八章 のんびりしよう(できるとは言っていない)編
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02 ナナシ、買い物に行く。(材木屋)

(人名)

ケイティ ナナシ付きメイド。真面目まじめ。鎖骨が好き。

クーリ ナナシの護衛の一人。最強格の一人。『じゅうげき』のふた持ち。

クリスティーナ シルフィ付きメイド。



王妃様から依頼された携帯電話を作るのに、その材料を買いに行くことにする。

【多重思考さん】にお願いすればすべての材料を揃えてもらえるんだけど、経済を回す為にね。



何故なぜか着替えの時にはいつも上機嫌になるケイティさんにえさせられながら、俺は、”携帯電話(がた)ゴーレム”を作る為に必要な材料を考える。

本体の素材になる木材と、魔晶石と、他には何が必要かな?

うーん。

それだけか。

使う材料は意外と少なかったね。

でも、ゴーレムを作る時って、いつもそんな感じだったね。


着替えを済ませて、出掛けるおとものケイティさんとクーリを引き連れて玄関まで降りる。

玄関には、既に馬車が待ってくれていた。

この馬車は、元公爵の持ち物だった豪華な馬車を俺が魔法で内部を異空間化して拡張したやつだ。

なにに、この内部を拡張した馬車を使うのは初めてになるのかな? 移動は大抵たいてい【転移】を使うし、買い物は全部ケイティさんに頼んでいたからねー。

以前、【多重思考さん】たちが勝手にゴーレムを使って市場で買い物をして、それを注意されてからは、すべて買い物はケイティさんに頼んでいる。

改めて考えると、俺って馬車を使う機会自体がまったく無かったんだね。

でも、馬車の魔改造は趣味みたいなものだったので、まったく後悔はしていません。うむ。


馬車に乗り込む。

馬車の中には普通に座席が置かれているけど、その間を通り抜けて奥のカーテンを開けて、本来はあるはずのない空間に入る。

そこにはソファーセットがシレッと置かれていて、ここだけ見ると普通の居間にしか見えません。

空間が拡張されている効果をまざまざと見せつけてくれています。うむうむ。(←満足げ)


天井付近では、サメ型ゴーレムが泳いでいる。サメ型ゴーレム2号機の『サメ子ちゃん』だ。

初号機の『サメ子さん』がシルフィに持ち去られ、クリスティーナさんの手にわたった後も返って来なかった。なので、新たにふくのミリィさんに頼んで作ってもらって、ここで泳がせています。

うっかり部屋で抱いているところをシルフィに見られてしまうと、またヒョイって取り上げられちゃうからねー。

サメ型ゴーレム2号機の『サメ子ちゃん』は、馬車の中で使うことを前提に少し小さく作ってもらった。抱き枕としても使うので、ほんのすこししか小さくならなかったけど。


ソファーに向かいながら、『移動中は『サメ子ちゃん』を抱いてモフモフしていよう。』と思い、手元に呼び寄せようとした、その時。

シュバッとジャンプしたクーリに『サメ子ちゃん』がつかまえられてしまった。

ネコだね。

少しった感じで全身を伸ばして『サメ子ちゃん』を両手でガッシリとつかまえた空中姿勢なんて、特にネコっぽかったです。(ニッコリ)

シュタッと着地したクーリは、つかまえた『サメ子ちゃん』を抱き締めてほおずりしている。

すっかりネコモードになってしまった様です。時々「うにょうにょ。」言ってるし。

俺はソファーに腰をろして、そんなクーリの様子をでてほっこりします。

ですが、クーリをでるのは、むしろ、クーリが正気に返ってからが本番です。

正気に返って部屋のすみうずくまるクーリの姿をニヨニヨとながめるまでがクーリをでる作法なのです。(←ヤな作法だな)


ネコモードになってしまったクーリを放置して馬車を走らせる。

馬車の中は異空間になっているので、走っている振動がまったく伝わってこない。

だから、きっとクーリは目的地に到着するまで馬車が動いていることにも気が付かないだろう。

それと、俺たちがクーリをながめていることにもね。(ニヨニヨ)



目的地に到着。馬車からりる。

クーリは『サメ子ちゃん』をギュッと抱き締めています。赤くなった顔をかくす様に。

そんな、前がまったく見えていないクーリを、俺が手を引いてあげています。

護衛をしている様にはまったく見えないけど、まぁ大丈夫だろう。【多重思考さん】たちがいつも周囲を警戒してくれているし、ケイティさんも居るんだしね。

顔を赤くするカワイイクーリを見れたことに心の中で感謝します。(ニヨニヨ)


材木屋さんに入る。

店員さんに木材の見本をアレコレ見せてもらって、色の違う木材を何種類か購入。

俺が代金を支払うことにケイティさんが何か言うかと思ったが、そんな事はなかった。

王妃様からの依頼で作る携帯電話に使う材料だし、その代金を先払いされているからだね。代金の中には材料費も当然入っているんだからね。

でも、その”王妃様から受け取った代金”をすべてシルフィに渡してしまった事を思い出し、【無限収納】の中にあるお金だけで足りるか心配になってしまったけど、十分に足りました。

普段、お金を使わないから、たまにこうして買い物に出ると”うっかり”が発生してしまいそうです。気を付けねばっ。


代金を支払ったところで、ふと、経済を回す為にはここで加工までお願いした方がいいことに気が付いた。

購入した木材を【マジックバッグ】に仕舞しまう前に、店員さんに加工の相談をする。

欲しいのは、2mm(かく)くらいの小さな立方体のブロックだ。

店員さんに作り方を聞いてみると、ず、断面がその寸法になる様に四角い棒を作り、それを寸法通りの長さに丁寧ていねいに切り落とすとのこと。

まぁ、そうなるよね。大きさてきにもね。

かどの処理はどうしようかな?』と思ったけど、 モノが小さすぎてヤスリけなんて出来ないだろうから、そのままでいいや。不都合があっても【製作グループ】が何とかするだろう。(←コイツ丸投げしかしないくせにこの態度である)

その小さな木のブロックを沢山たくさん使って”携帯電話(がた)のゴーレム”を作るので、店員さんに『寸法の厳守』をしっかりとお願いして、加工代を先払いして材木屋さんをあとにしました。


次は、魔晶石を作る為の魔石を買いに、魔道具屋さんに行こう。



『クーリ、カワイイよ、クーリ。』な、そんな回。


(設定)

(サメ型ゴーレム)

トイレの”ブツ”を魔法で処理したさいに発生してしまう水素を処理する方法を考えた時に製作されたゴーレム。天井付近を泳ぎながら水素を水蒸気に変える。また、抱き枕に相応ふさわしいモフモフ感をあわっている。

馬車の中で使うのには天井が低くててきさないのだが、『ソファーセットが置かれているあたりでは使えるだろう。』と考えて製作。馬車の中で泳がせている。

馬車の中にはサメ型ゴーレムとは別に【加湿の魔道具】(サメ型ゴーレム同様、水素を水蒸気に変える)も設置されていて、こちらの魔道具で主に水素の処理をすることになっている。馬車を使う機会がそもそも無いので、トイレで発生する水素を処理する必要自体がほとんど無いのだが、その事はスルーされています。

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