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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第十六章 異世界生活編11 そろそろノンビリできるよね編
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01 ナナシ、道路工事が終わったのでマッタリする為にお風呂に行く。with シルフィ&王妃様


色々と頼まれた事をこなした。

俺がこの国の役に立つことを示せたし、メイド長も味方に付けた。メイド長に関してはベクトルがちょっとアレだが。

きっと、この王宮でのんびりとごせる様になっただろう。

…大丈夫だよね?

…以前にも、同じ事を思った様な気がしますが、大丈夫だと信じています。



王妃様から頼まれていた王都内の道路工事が終わった。


また報酬をたんまりともらったんだけど、王宮に居るとお金を使う機会って無いんだよなー。

時々、【多重思考さん】たちに食材の買い出しを頼まれることがあるけど、お金を使う機会なんてその程度しかないので、所持金が貯まっていく一方いっぽうだ。

あまり沢山たくさんのお金を死蔵しぞうしてしまうと、この国の経済に悪い影響が出てしまいかねない。割と公共工事っぽいことをやっていたりするので受け取る報酬が高額になる場合があるからね。今回の道路工事とか。

何かお金を使う方法を考えておかないといけなくなりそうだね。


それはそれとして。

頼まれていた事が終わったことで、一仕事ひとしごとやりげた気分になった。俺がしたことは【製作グループ】に丸投げしたことだけなんだけどね。

それなのに、何となく一仕事ひとしごとやりげた気分になる、不思議。(苦笑)


こういう時はお風呂だな。


お風呂にふやけるくらいかって、疲れを取ろう。

うん。

『何もしていないから、まったく疲れていない』という不都合な真実は何処どこかに置いておいてな。



夜。

お風呂に入る為にかくに行きます。

今夜は、シルフィの他に王妃様もご一緒です。シルフィがさそったんだそうで。


『いずれは王妃様もお風呂に入りに来るかもしれない』なんて事は考えていた。

その時は護衛のメイドさんも一緒に付いてくるだろうと思って、お風呂を広く作っておいたしね。

でも、今回は護衛のメイドさんは一緒ではないらしい。

まぁ、護衛が居なくても、誰も来ない森の中だから問題は無いだろう。結界も張っているしね。


サクッと二人と一緒に転移する。

かくに来る時はいつもは居間に来ていたんだけど、今回はお風呂場の建物の前に来た。今回はお風呂にしか用事がないからね。


ふと見ると、何やら王妃様が驚いているご様子だった。

そう言えば、王妃様に転移魔法を使ったのって、今回が初めてだったっけ?

そんな気がするな。よくおぼえてないけど。


そんな王妃様のご様子を特に気にせずに、銭湯せんとうっぽい見た目の建物の中にご案内する。(←いや、気にしろよ)

下駄箱げたばこが有るけど、他に人は来ないし、ものさえ脱いでくれればそれでいいので、「ここで靴を脱いでくださいね。」とだけ言って、『女』と白抜しろぬきされたあずき色の暖簾のれんくぐって、二人を中にご案内。

板張りの脱衣所で、王妃様に一通り説明する。

その王妃様は、まだ、さっきの転移魔法に驚いているご様子で反応がにぶかったので、「分からない事があればシルフィに訊いてください。」と言って、既に何度かここに来ているシルフィに丸投げしておく。(←ここでも毎度おなじみの丸投げです)

最後に二人に【クリーン】を掛けておこう。

【クリーン】を掛けておけば、後は服を脱いでお湯にかって、がって体をいて服を着るだけだからね。

では、ごゆっくりー。


俺は、女湯を出て玄関に戻り、『男』と白抜しろぬきされた紺色こんいろ暖簾のれんくぐって、男湯へ。

自分に【クリーン】を掛けてパパっと服を脱ぎ、『浴槽にドボン!』です。

お風呂は最高だぜ!

うひょー。(←もう少し落ち着きましょう)



ノンビリとお湯にかって体をふやけさせていると、【多重思考さん】から隣街となりまちの『魔術師の街』についての報告が。

なんでも、あの街に居た魔術師たちの多くが街を出て行ったんだそうだ。

あれ? どうして、そんな事になったのかな?

前から評判の悪かったあの街の魔術師たち。街の人たちがとうとうブチ切れて、追い出してしまったのかな?

せっかく、魔術師たちの評判を少しでも改善させようと思って、あの街のすぐそばに魔法で畑を作ったのにね。ギャラリーも呼んでもらってね。

【多重思考さん】から詳しく説明を聞くと、『魔術師の街』に在った『魔術師ギルド』が解散させられて、その所為せいで魔術師たちの多くが街を出て行ったらしい。

でも、『魔術師ギルド』を解散させたところで、別の街でもう一度作り直すだけになっちゃうんぢゃないのかなぁ。

『そうなってしまわない様に各街かくまちで魔術師を確保させるようにした様です。各街かくまちでポーションを作らせるようにして。』

ふーん。

『少し前に王妃様に頼まれた『ポーションを作る魔道具』は、ポーションの生産が上手うまくいかなかった場合にそなえたものですね。』

へぇー。

『それだけではまかない切れない状況も考えて、各街かくまちに国が治療院をもうける事にもなりました。先日の『【ヒール】の指輪』は、その治療院で使う為のものです。』

あー、そーなんだー。

『………………。』

【多重思考さん】が何か言いたげなのは、何でなんですかね?


『『魔術師の街』の素行そこうの悪い魔術師たちのMP(Magic Point)を”1/1”にする様に指示した事はおぼえていますか? おぼえていますよね? おぼえていますよねっ?』

『お、おう。』

【多重思考さん】のアツされながら、そう返事をする。

『その結果、ポーションの生産量が減って価格が高騰こうとうしたり、ポーションで大儲おおもうけしていると疑われた隣街の領主が勝負を仕掛けられたり、オークキングを狩りに行った魔術師たちが逃げ出したことで魔術師の評判がすごく悪くなった事は、少し前におはなししましたよね。』

『そ、そうだね。(タジタジ)』

その話を聞かされたから、悪くなった魔術師たちの評判を少しでも改善させようと思って、隣街のすぐそばに魔法で畑を作ったんだったよね。

お、おぼえてマスヨ。(←ちょっと怪しい)


俺は【多重思考さん】にあの畑について訊く。

『それぢゃあ、結局、魔法を使ってあの畑を作った事は、魔術師の評判の改善にはつながらなかったのかな?』

『『魔術師ギルド』が解散させられたのはそれとは無関係ですね。『魔術師ギルド』が解散させられたのは、大勢おおぜいの魔術師を集めた結果、ポーションの価格決定権を握ってしまったことが原因ですね。』

あー。魔術師の評判だけが問題ぢゃなかったのか。

せっかく、畑を作ったのに、何だか釈然しゃくぜんとしないね。

でも、あの街に魔術師が大勢おおぜい居たのは俺の所為せいぢゃないから、『魔術師ギルド』が解散させられたのも俺の所為せいぢゃないよね。ポーションの価格決定権を握って目をつけられたのがいけなかったんだね。

それなら、俺が素行そこうの悪い魔術師たちのMP(Magic Point)を”1/1”にする様に指示した事とは関係が無いから、俺の所為せいぢゃあない。

うん。

安心したね。


『はぁーーー。』


俺がそうやって安心していたら、【多重思考さん】に長い溜息ためいきかれてしまった。

いや、『言われた』が正しいのか。【多重思考さん】は溜息ためいきけないだろうからね。


【多重思考さん】に長い溜息ためいきかれてしまった事には納得しがたいものがある。

でも、俺がいつの間にか仕出しでかしていた他の事でも非難めいた事を言われるのは嫌だったので、気にしないでおくことにします。

気にしなければ、どうということはないのです。

ええ。


あー、お風呂は最高だぜーー。


俺は、たっぷりとお風呂を堪能たんのうしました。


以前、被服部ひふくぶのミリィさんにお願いした暖簾のれん、ここに初登場です。

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