13 4日目 公爵家サイド ギルドマスター視点 出発
昼前に、調査に向かわせていたすべての斥候が帰って来た。
用意していた地図に、”オークの集落の場所”と、もう一つの重要な情報である”オークキングの大きさ”が、併せて記されていく。
見付けられたオークの集落は3つ。
その中で、一番大きなオークキングが居る集落は、この王都から真北に2日ほどの距離の場所だった。
期日までに往復可能な場所だ。
よし、目的地は決まった。
「昼食後、西門から出て北に向かう。」
そう、指示を出した。
副ギルドマスターに留守中のことを頼み、俺も装備を調える為にギルドを出た。
昼食を食べて装備を調え、荷物を背負って西門へ行く。
西門に着くと、半分ほどが集まっていた。
ほどなく全員集まった。と思ったのだが、若手のA級パーティーのリーダーだった男が居ない。
周りの者に訊くと、元の仲間たちを追って王都を出たのだという。
呆れた。
だが、今更どうしようもない。
出発の号令を掛けて西門を出て、北に向かった。
この日は森の手前まで行き、そこで野営する。
テントを張り、食事をした後、見張りの順番を決めていたところで問題が起きた。
魔術師が見張りを免除されている事に不満を言う者が出たのだ。
魔術師に見張りをさせないのは常識だろうが…。
常識を知らない奴が居た事に頭が痛くなる。
こいつらと一緒にオークの集落を殲滅しなければならないのか…。
そう思うと、『さっさとギルドマスターを辞めておけば良かった。』と思った。