12 3日目 公爵家サイド ギルドマスター視点 魔術師集まらず
公爵家からポーションが届いた。
貴族たちから集めてくれた物だ。
有り難い。
当日、持って行く分を確保して、残りを人集めの方に回した。
若手のA級パーティーのリーダーだった男と、後から向かわせたB級冒険者が帰って来た。
二人だけだった。
え?
魔術師は?
A級パーティーのリーダーだった男から事情を訊いた。
「隣の街の副領主は協力してくれそうに思った。でも”魔術師ギルド”は、そうではなかった。」
「魔術師たちは、全員、冒険者ギルドを辞め、新しく作られた”魔術師ギルド”に所属していた。」
「魔術師ギルドのギルドマスターは、『魔術師たちは魔法の研究に忙しい。オークの討伐などに出せない。』、『研究の方が、はるかに国益になる。』と言って、まったく相手にしてもらえなかった。」
「副領主は、魔術師ギルドのギルドマスターに意見する気が無い様でした。」
とのことだった。
状況は、俺たちにとって随分と悪い様だ。
A級パーティーの女性たちの事は彼には話さずに、リーダー格の者たちを集めて打ち合わせを行った。
斥候たちは、明日の昼には帰ってくる予定だ。
斥候たちの報告を聞いてから目的地を決め、すぐに出発する事とした。
異論は出なかったので、この日はこれで解散となった。
2019.12.31 修正
隣の街の”領主”となっていたところを、”副領主”に変更しました。
後の話と整合性が取れなくなってしまいましたので。