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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第十四章 異世界生活編09 魔術師の街の騒動 後編 <勝負>
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52 王宮での出来事09 ナナシ、二度寝の危険性を知る。それと、お風呂場の改築を考える


「今日は来客があるので、昼食やお茶の時間をご一緒できません。(しおしお)」


朝食の席で、シルフィにそんな事を言われた。

ふむ。そうなのか。

まぁ、王女様なのだから、そんな事も有るよね。

むしろ、今までそういう事が無さ過ぎた感じがするね。

まぁ、シルフィだからなー。(←失礼です)


さて。

シルフィが昼食やお茶の時間に居ないとなると、その時間に俺が王宮に居る必要って無いな。

かくに行ってダラダラしていようかな?

朝食を済ませたら、かくに行って二度寝にどねをしてしまうのもいいかもしれないね。(ニマニマ)

「…何だか嬉しそうですね?(ジットリ)」

シルフィにそう言われてしまった。ジットリとした目で。

俺は、あわててシルフィの誤解をく。

「いやいや、そんな事はないよっ。うん。ただ、『かくに行って二度寝にどねをしようかな。』って思ってただけだからねっ。(ビクビク)」

二度寝にどね…。うん。いいですよね。二度寝にどね。(ニッコリ)」

おや? 笑顔だ。

どうやら、かくに居た間に、シルフィに二度寝にどねの良さを教えてしまっていた様です。

二度寝にどねが気持ち良い』ってだけで俺は何も悪くないんだけど、何だか悪いことをしてしまった様な気持ちになってしまうのは何故なぜなんだぜ?



朝食を終え、部屋に戻って食後のお茶を楽しみます。

シルフィの背後にひかえているクリスティーナさんのおかげで、まったく『楽しむ』って感じぢゃあありませんがっ。

黒いオーラのアツに負けて、いつもより大分だいぶ早く食後のお茶を飲み終えると、クリスティーナさんはシルフィを小脇こわきかかえられて持ち去って行きます。

すっかり見慣みなれた光景とシルフィのおしりです。

見慣みなれてよい光景ではないと思いますが、もうどうでもいいやー。(諦めた目)


よし。

かくに行って、ダラダラすることにしよう。(ニマニマ)

ケイティさんに、おやつの時間まで戻って来ない事をげて、ササッとかくに転移します。

おやつはちゃんと食べますよ? 王宮のおやつは美味しいので。



かくに来た。

よし。二度寝にどねだ。(ニマニマ)

いそいそと寝室に行き、寝巻ねまきに着替えてベッドに入ります。

おやすみなさい。

ぐぅ。



起きた。

「んーーー。」と体を伸ばす。

やっぱり二度寝にどねは最高だぜ!

引き続き、そのままベッドでゴロゴロダラダラします。(←すっかりダメな人です。よい子はマネしてはいけません)



ゴロゴロダラダラする事と天井のシミの数をかぞえる事にきたので、他に何かやる事がないか考える。(←天井のシミの数をかぞえ始める前に考えましょう)

『食材を買いに行きましょう。』

「………………。」

頭の中で【多重思考さん】にそう言われて、何だか力が抜けた。

ゴロゴロダラダラしていただけのなのに、抜ける力が有るなんて不思議だね。

それはそれとして。

どうして【多重思考さん】は、そうやたらと食材を買わせようとするのかなぁ。

『ダーラムさんを餌付えづけするのに必要です。』

「『餌付えづけ』言うなや。失礼だろ。」

『食材が無ければ料理を作れないのは当然のことです。ふぅ、やれやれだぜ。』

「『ふぅ、やれやれだぜ。』とか言うなや!」

【多重思考さん】が失礼です。


うーん。どうしようかなぁ。

先日、食材の買い出しをしたばかりだからまだ余裕は有るはずだけど、今日みたいに時間が有ることってあまりないからなぁ。

そんな事を考えていたら、【多重思考さん】に体を勝手に操作されて着替えを始めていました。

「おい。」

『お気になさらず。買い出しなんて、【目玉】を使って森の木の数をかぞえている間に終わらせてしまいますから。』

「そんな無駄な事しねぇよっ! 一体いったいどれだけ買い物する気なんだよっ! それに、体を勝手に操作されて買い出しになんて行かれたら、のんびりと森の木の数なんてかぞえていられねぇよ!」

全力のツッコミです。まったく、【多重思考さん】はっ。


ふと、気になった事があったので、【多重思考さん】に訊く。

「今まで、俺が寝ている間に勝手に体を操作して勝手な事をしていたことなんて無いよね? 結婚式の前後と”あの事件”以降は。」

『………………。』

「おい! 返事しろや!」

『やっていません。やっていませんからご安心ください。ええ。…まだ。(ボソッ)』

「今、『まだ。』って言ったろ?! 今、『まだ。』って言ったろ!」

二度寝にどねをしている間に食材の買い出しが終わっているなんて、最高じゃないですかー。』

「何を仕出しでかすか分からないから怖いんだよっ!」

思いのほか二度寝にどねが危険だった! 斜め上な方向でなっ!



買い出しを終えてかくに帰って来た。

なんだか疲れた。

【多重思考さん】に勝手に体を操作されそうで、常に緊張していたからね。

いっその事、買い物専用ゴーレムでも…。いや、ダメか。あんまり目立つ事をしてゴーレム関係の仕事の依頼とか来てしまったら面倒だからね。

それに、そんなゴーレムを作ってしまったら、どれだけ食材を買い込むか分かったものではないからなっ。



【料理グループ】が作ってくれた昼食を済ませ、ソファーでダラー-っとします。

「ダラーー。」(←思わず口に出してしまう変な奴がここに居ます)

『この後、何をしようかなぁ?』と考えて、ふと、お風呂場の改築を思い付いた。

今、お風呂場には浴槽よくそうが一つしかない。それを改築して男湯と女湯を作ろう。

一昨日、クリスティーナさんにおしりはたかれて虚無きょむの目をしていたシルフィを、夜、ここのお風呂に連れて来た。

シルフィには喜んでもらえたのだが、浴槽よくそうが一つしかなかったから、シルフィがお風呂に入っている間、俺はやる事が無くて暇だった。

のぞきなんてしていませんよ?(←誰に言ってるんだよ)

そんな訳で、お風呂場の改築をしよう。

ワクワクした気持ちでお風呂場に向かいます。


お風呂場に来た。

ここは、短い廊下を歩いてお風呂場の建物に入って、さらに少し歩いてから階段を降り、直角に曲がった階段を降り切った場所が脱衣所になっている。

男湯と女湯を分ける為には、脱衣所の手前で分けなければならないのだが、どうしたらいいのかな?

階段の上で分けないと駄目だよな。それと、下の脱衣所が見えてしまわない様に壁を作らないといけないな。

階段の上に壁を作り、ドアを二つ作って男湯と女湯に分かれる。そして、お風呂場の建物をもう一つ作る。そんな感じかな。

うむ。

それで男湯と女湯に分けられるんだけど、お風呂から上がった後にくつろぐスペースも欲しいかな?

今は、居間まで戻ってくつろいでいるが、一人ならそれでいいけど、出来れば脱衣所を広くして、そこでくつろげる様にした方が良い気がするな。

何だか、シルフィから話を聞いた王妃様が来る様な気がするからねっ。

お風呂上がりに、異性の目を気にせずにすずめる場所が在った方が良いよね。

実際に改築しようとすると結構めんどくさいね。

いっその事、新しく建物を建ててしまった方が早い気がしてきた。

銭湯せんとうみたいな建物を新たに作ってしまおうかな?

その方が良い気がして来たな。


でも、新たに建物を建てるとして、建てられる場所は在るのかな?

玄関の横のスペースなら作れるかな?

【目玉】を使って、上空から眺めてみる。

少しせまいが、今のお風呂場の建物を解体すれば、新たに建物を建てるスペースを作れそうだ。

うん。そうしよう。

でも、今のお風呂場を解体しなければならないとなると、今夜シルフィに『お風呂に入りたい。』と言われたら困ってしまうな。

別の場所に建物を建てて、転移魔法で移すか?

建物を一つ、転移魔法で移そうとすると、魔力が足りるか不安になるな。

どうしたものかな?

悩んでいたら、頭の中で【多重思考さん】に言われた。

『資材が揃えば、一日も掛からず作れますよ。』

あれ? そんな短期間で出来るの?

でも、仕切る壁が少ないし、作る物も浴槽よくそうと脱衣所の棚くらいだから、そんなものなのかもしれないね。

『ええ。それに、このかくを作った時よりも【多重思考】の数が大分だいぶ増えましたし。』

「………………。」

【多重思考】の数についてはあまりれたくないなぁ。

どのくらいの数が居るのかは、もう怖くて聞きたくありません。(遠い目)


記憶の中にある『銭湯せんとう』をベースに、頭の中で新築するお風呂場の構想を練る。

大勢おおぜいの人をまねく予定なんて無いから、小さい建物でいいね。浴槽よくそうが大きくなるとお湯を入れるのも大変だし。

でも、念の為、浴槽よくそうは二つずつ作っておくか。人が少なくても多くても対応できるようにね。

王妃様が来ることになれば、メイドさんが一緒に付いて来るだろうし、余裕を持たせておいた方がいいだろう。

そんな感じで、『小さい銭湯せんとう』という感じの構想を練り上げた。

よし。

後は【製作グループ】にお任せだ。

『よろしく。』(←相変あいかわらず丸投げがざつです)

『お任せください。明日の夜までに仕上げます。』

うむ。

これで、お風呂場の件は片付いたね。(←丸投げが済んだだけです)

ぢゃあ、俺はお昼寝をするかなー。

昼食を食べておなかふくれたし、頭を使って疲れたからね。(←ダメな人の言い訳にしか聞こえません)

いそいそと寝室に行き、寝巻ねまきに着替えてベッドに入ります。

おやすみなさい。(本日二回目)

ぐぅ。



かくでのんびりぐっすりして、王宮に帰って来た。

おやつを食べにね。

王宮のおやつは美味おいしいぜー。ヒャッハー。


おやつを食べ終えて、ソファーでダラー-っとします。

今日は、いつになくのんびり出来ているね。

俺の望んでいた『ごとけて、のんびりごす生活』って感じがします。

うんうん。


そんな事を思い、満足感にひたってダラー-っとしていたら、王様と大臣が部屋にやって来た。

おや?

ダーラムさんのところに手紙を届けた件の報告書に、何か不備ふびでも有ったのだろうか?

そんな事を考えていた俺に、向かいのソファーに座った王様が笑顔で言う。

「素晴らしい魔道具を作っていただいた。どうもありがとう。」

そう言って王様は、首から下げたネックレスを俺に見せる。

ああ。あのネックレスは王様のところへ行ったのか。

「こちらは報酬です。タダでいただける様な品物ではございませんので。どうぞお受け取りください。」

そう言って大臣がテーブルの上にお金が入っているらしき革袋を置くと、改めて礼を言ってから二人は部屋を出て行った。

うーむ。すごく喜んでくれたみたいだね。

喜んでもらえて、俺も嬉しくなります。

でも、意外だったね。

あのネックレスは王妃様のところへ行くと思っていたのにね。力関係(てき)に。

別に、王様のところに行った事に驚いてなんかいませんよ?(←ダウト)


2020.09.12 修正

脱字を修正しました。


すっかりマイペースなナナシパートです。

勝負が行われている最中なのですが、無関係な事には無関心で、のんびりマイペースなナナシでした。


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ポイントが増えると嬉しいので!

気が向いた方だけで結構ですので、よろしくお願いいたします。

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