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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第十四章 異世界生活編09 魔術師の街の騒動 後編 <勝負>
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44 勝負16 『魔術師の街』サイド 再戦05end メイド隊隊長視点

私たちは、敗走する『魔術師の街』がわの者たちを監視していた。

クラソー侯爵の娘クララの危機に、その者が突然現れてオークを倒した。

メイド服を来たその者は…。

『『鉄壁』のケイト』だった。


何故なぜ、ケイトがここに?!


決まっている。

何かが起きたのだ。

『『鉄壁』のケイト』を派遣しなければならない様な”何か”が。


私は、ケイトの方へ向かって歩いて行く。

そのケイトは、メイド服を着ている。

きっと、急に”何か”が起きた所為せい着替きがえる時間が…。いや、ケイトの事だから、そもそも着替きがえる気が無かったのかもしれないな。

歩きながらそんな事を考えていたのだが、ケイトが帯剣たいけんしていない事に気付いて、あわててケイトが倒したオークの様子を確認しに走る。

ケイトが倒したオークにはまだ息があったので、短剣でトドメを刺した。

ふぅ。


さて。

ケイトを急いで派遣しなければならない様な”何か”が起きた様だが、一体いったい、何が起きたのだろうか?

近くにオークの気配がないか、ねんためさぐりながらケイトに近付く。

事情を訊こうとケイトに声を掛けようとしたのだが、そこでちょっと躊躇ためらう。

ケイトが立ち上がらせた領主の娘の表情が、”恋する乙女”の様だったから。

またか…。

ケイトの周囲では割とよく有る、いつものアレだ。

困ったな。

ちょっと声をづらい。

うらまれるのも、馬に蹴られるのもイヤだからな。

状況的には刃物で刺される可能性が一番高いのかな? 彼女はオークキングの討伐に参加していたのだから、短剣ぐらいは持っているだろう。

………………。

ケイトから事情を訊くのは後にして、先に仲間たちを集めておくか。

私は、周囲に居るはずの仲間たちにハンドサインを送る。『状況変更。集合。』と。

取り敢えず、仲間たちが集まるのを待とう…。


ほどなく、仲間たちが集まった。

仲間の一人に、倒れている同僚(多分たぶん)の世話を頼んでから、ケイトに近付く。

近付き過ぎない様に慎重しんちょうに距離をはかりながら、ケイトに声を掛ける。

「ケイト、こっちはどうすればいい?」

「彼女を守りながら、グラアソまで帰るよー。」

「分かった。で、何が起きてこうなった?」

「さぁ?」

「…そうか。」

何も聞かされていないんだな。

まぁ、ケイトだしな。


私は、領主の娘に挨拶あいさつし、彼女を護衛しながらグラアソに向かうことを説明した。

それと、彼女と一緒に居て、先ほどまでオークと戦っていた女性について、「気を失っているが打撲だぼく程度で無事だ。」と伝えると、ホッとした様な泣き出しそうな表情をした。余程よほど心配していたのだろう。


領主の娘に怪我は無さそうだったので、早速さっそく、移動することにする。オークが現れる恐れが有るからな。

気絶している同僚(多分たぶん)は仲間の一人に背負せおってもらい、私たちは真南まみなみに向かう。

きっと、むかえの馬車を寄越よこしてくれるだろうから、最短距離で森を抜けるのが、一番早く街に帰れる方法だろう。

今の状況がよく分からないままな事に少し不安が有るが、その事は諦めよう。

むかえの者たちと合流すれば誰かが教えてくれるだろう。同僚(多分たぶん)についてもな。

そんな事を考えながら、私たちは真南まみなみに向かって森の中を歩きだした。



森の中を少し歩いたところで、後ろを歩くケイトたちの足音がんだ。

振り返ると、ケイトの隣にナナシ様が居た。

なるほど。

ケイトを領主の娘のところに連れて来たのは、ナナシ様だったのか。

つまり、『ナナシ様に協力を頼まなければならないほどの”何か”が起きた。』ということだ。

気を引き締めて、彼女をグラアソまで送り届けなければならないな。

ナナシ様は、ケイトに何かを手渡てわたして、すぐに姿を消した。


ケイトは、ナナシ様から受け取った物を領主の娘に渡そうとする。

少し会話をした後、ケイトがソレを領主の娘の首に掛けた。

ナナシ様から手渡てわたされた物は、ネックレスだった様だ。

領主の娘が再びケイトの腕をつかむ。”恋する乙女”の様な笑顔で。

その事に、遠くない未来に必ず起こる問題を想像してしまうが、それは私の仕事ではないから気にしないでおこう。うん。

余計な事は考えずに、彼女をグラアソまで無事に送り届けよう。

それが、今の私たちの仕事だからな。


私たちは移動を再開し、真南まみなみに向かって森の中を歩いた。


短かったので今日更新。次回更新は6/3です。

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