表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/400

03 外伝 ギルドマスターの悩み


そろそろ、ギルドマスターをめる事を、考えてもいいのかもしれない。


最近、そんな事を考える様になった。

理由は、冒険者たちの評判が良くない事だ。

粗暴そぼうな冒険者が冒険者たちの評判を落とす事は、以前から、ある程度は有った。

イザという時に、街を守ってくれる戦力としての期待もあり、大目おおめに見てもらえていた。

今までは。


最近はそうではない。

『冒険者たちが居ない方が街の治安が良くなるのでないか?』と、ハッキリと口にする者が増えてきた。

”イザという時”という状況がまったく起きていない事と、冒険者たちが問題を起こす事が原因だ。

ギルドとしても、冒険者たちが一般人に迷惑を掛ける行為は無視出来ない。

対策として、冒険者をやと巡回じゅんかいさせて監視させているが、十分な効果は上がっていない。

何か新しい対策を考え出さなければならないだろう。


その様な状況の中、さらに問題が起こった。

魔術師の多くが、パーティーを離脱して隣の街に移住してしまったのだ。

隣の街が、魔術師たちを優遇ゆうぐうする政策をった事が原因だ。

その政策のうわさが広がると、パーティー内でのあつかわれかたに不満を持っていた魔術師たちが、パーティーを離脱して移住していってしまった。

初めのうちは、そんな魔術師たちを、せせら笑う者が多かった。

しかし、パーティーの戦力低下や、治癒魔術師の不足。それとポーション製作者の減少とポーション価格の上昇などによって、怪我人の発生率と依頼失敗率が急激に上昇した。

そして、怪我を完治させるまでの休業日数の増加が無視できない状況になってくると、今度は街の治療師のかこい込みをはかり、奪い合い、さらに怪我人を増やしていまうという事態まで起こる様になった。

そんな愚行ぐこうは、街の住人たちの目にも触れるし、大変な迷惑も掛けてしまう。

さらに冒険者たちの評判を落としたことは、言うまでもない。


本当に、とんでもない状況になってしまっている。

状況の改善をはかろうとしたパーティーが、かつての仲間を好待遇で迎え入れようとしたそうだが、それにこたえた者は居ない様だ。

隣の街の政策を真似まねて状況の改善をはかろうと調査に人を派遣したのだが、対策に使えそうな良い報告は無く、なかなか状況の改善が見込めないのが現状だ。

一時的なものだと見ている者も居るが、自分はそうは思わない。

この先、改善の見込みは無いのではないか?

今のうちにギルドマスターをめてしまった方が、良いのではないか?


最近、そんな事を考えている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ