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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第十二章 異世界生活編07 新・新生活編
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< 44 新・王宮での生活38 ニーナとケイトのペンギン型ゴーレム >


「メイド長から、ナナシ様にお返しする様に言われて渡されたのですが…。」


ダンジョンと買い物から帰って来たばかりの俺に、ケイティさんが戸惑とまどった様にそう言って袋を差し出して来た。

モソモソモソモソ

何だか、袋が動いてるんですがっ。

「…中身は何?」

「…分かりません。」

「………。」

ケイティさんが、いかにも手に持っていたくなさそうに袋を差し出して来たので、取り敢えずその袋を受け取った。

モソモソ動いているから、袋の中身は生き物なのかな?

でも、お返しされる様な生き物に心当たりは無いなぁ。

袋に入れっぱなしにしておくのは可哀想なので、結界を張って、その中に袋の中身をぶちまけた。

袋の中から出て来たのは、ペンギン型ゴーレムだった。それが二体。

モソモソしていたのはペンギン型ゴーレムだったのね。

生き物でなくて安心しました。

でも、これがここに持ち来まれた理由が分からない。

被服部ひふくぶから持ち来まれたのなら『何かの不具合かな?』とか思うけど、メイド長からだからね。

落とし物だったとしても、その場合でもやっぱり被服部ひふくぶに持ち込まれそうだしね。

分からないよね。

取り敢えず、その二体のペンギン型ゴーレムを見てみる。

見ると、一体の足が黄色かった。

足の黄色いペンギン型ゴーレムは、一体しか作ってない。

二体目に作った、ケイトのペンギン型ゴーレムだね。

いや、”ケイトがいつも抱きかかえていた”ペンギン型ゴーレムか。

ぢゃあ、もう一体はニーナのかな?

二体のペンギン型ゴーレムは、球状に張られた結界の底でジタバタしている。

取り敢えず『ぬいぐるみモード』にして大人おとなしくさせてから、結界を消して手に持った。

えーーっと。

二人から没収したってことなのかな?

一応、所有者は俺だから、ここに持ち来まれた事は分からないでもないが、二人から没収された理由が分からない。

それと、二人が俺の担当から外された理由もね。

分からない事だらけだね。

うーーん。どうしようかな?

どうしたら良いのか分からないが、取り敢えず、部屋の中を歩かせておくか。

そもそも、その為に作ったペンギン型ゴーレムだったしね。

もう随分ずいぶんと昔の話の様に感じてしまいますが。(遠い目)

二体のペンギン型ゴーレムを『歩行モード』にして、床に置いて歩かせる。

ヨタヨタヨタヨタ

ヨタヨタヨタヨタ

ヨタヨタと歩いている様子を少しながめてから、メイドさんたちに言う。

「取り敢えず、部屋の中を歩かせておくね。その為に作った物だから。」

「はい。分かりました。(キリッ)」

「はい………。」

ケイティさんは”キリッ”とした返事をして壁際かべぎわひかえた。

クーリは、窓側の壁際かべぎわひかえながらジーーーッとペンギン型ゴーレムを目で追っている。

時々(ときどき)クーリの手が動くのは、触りたいからなのだろうか?

何となく可愛かわいらしい仕草しぐさだったので、そんなクーリをながめてなごみました。



夕食後のお茶の時間。

シルフィをなでなでしながら、頭の中で【多重思考さん】から報告を聞く。

ニーナとケイトについてね。

『ニーナさんとケイトさんは、懲罰房ちょうばつぼうてきな部屋に入れられています。』

そうなのか。

何かやらかしたのかな?

何かやらかして、懲罰房ちょうばつぼうてきな部屋に入れらたから、ペンギン型ゴーレムが没収されたんだね。

何をやらかしたのかは分からないけど。

まぁ、それは今はいいか。

明日にでも、誰かから説明があるだろう。

あるよね?

ないかな?

それもよく分からんね。(苦笑)


二人には、後で”差し入れ”をしてあげよう。

取り敢えず、今は”シルなで”をしておく。

今日は色々な事があって、疲れてしまったのでね。

はぁ。(疲れた目)



< ニーナ視点 >


一人(さび)しく、体を丸めて寝ています。

”反省部屋”のベッドです。

固くて寒いです。

ペネラのぬくもりが恋しくなります。

明日も延々と反省文を書かされるのかと思うと、気が沈みます。

「はぁ…。」

溜息ためいきが出ました。


ぽす

「ん?」

…何かが顔の前に置かれた様な感じがしました。

暗くて分からなかったので、手でさわってみます。

モフ

…この手触てざわりは知っている気がします。

ソレの全体をさわります。

モフモフ

フニフニ

この手触てざわりと、この大きさ。

間違いありません。

ペネラです。

胸元に抱きます。抱き締めます。

ほんのりあたたかくてモフモフでフニフニです。

ほんのりあたたかくてモフモフでフニフニです。

『ありがとうございます。ナナシ様。』

転移魔法でここに送ってくれたナナシ様に心の中で感謝し、そのまま眠りにつきました。


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