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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第十二章 異世界生活編07 新・新生活編
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< 32 新・王宮での生活29 ナナシ、量産型ペンギン型ゴーレムを作る04 >


エイラさんたちが帰った後。

俺はソファーに座り、量産型ペンギン型ゴーレムのプログラムの修正を行う。

『所有者登録モード』を追加しないといけないので、その内容を考える。


ペンギン型ゴーレムを起動した後の動きは、所有者が登録されているかをチェックして…。

登録されていれば、『歩行モード』にする。

登録されていなければ、『所有者登録モード』にする。


『所有者登録モード』は、『ぬいぐるみモード』みたいに動かない状態で、『所有者登録』を待っている状態だね。

そして、所有者登録を済ませたら、自動的に『歩行モード』にする。

『歩行モード』になると、『所有者追尾』がデフォルトでONになっているはずなので、『所有者追尾』を利用して『所有者登録』が上手うまくいっているのかを確認する。

これだけだね。

簡単だね。


所有者登録をしない状況っていうのは、あるのかな?

動作確認なんかをする時は、所有者登録をしないかな? しないね。

所有者登録をパスする仕組みも必要か。

そうすると…。

ペンギン型ゴーレムを起動して、所有者が登録されているかをチェックして…。

登録されていれば、『歩行モード』にする。

登録されていなければ、『所有者登録モード』にする。

『所有者登録モード』になったら『所有者登録』を待っている状態だが、その状態でもモード変更できる様にしておけばいいね。

『所有者登録モード』でも、「歩行モード。」と「ぬいぐるみモード。」の”ワード”で、それぞれのモードに切り替えられる。と。

『所有者登録モード』へも「所有者登録モード。」の”ワード”で切り替えられる様にしておく必要があるかな?

あまり使わない気もするが、『起動直後でないと『所有者登録モード』にならない』というのもアレだから、一応、切り替えられる様にしておこう。

所有者が登録されている場合は、パスしてしまえばいいんだしね。

うん。

『所有者登録モード』は、これでいいね。


次に、『呼び掛けると返事をする』機能の確認をする。

ちゃんと働いていない感じがしたからね。

そうは言っても、【多重思考さん】たちにゴーレムのプログラムの確認をお願いしていたので、その報告を聞くだけですが。

『確認が出来ました。『呼び掛けると返事をする』機能は、所有者に対してしか働かない状態になっています。』

『『呼び掛けると返事をする』機能を実行する際に、自動的にワードを作成して、そのワードを実行することによって返事をしていました。』

『これは、呼び掛けられた言葉を判別した後、その言葉に似た言葉を返す為にワードの作成と実行が必要になっていることが原因の様です。』

『この仕組みで返事をしている為、所有者以外のワードをはじく様にしている現状では、『呼び掛けると返事をする』機能は、所有者だけにしか働かない状態になってしまっています。』

ほう。

そんな仕組みが有ったんだね。

その仕組みを回避して返事をさせるのは、めんどくさそうだ。

これは、今の状態のままでもいいかな?

わざわざ手間を掛けてまで、変更するほどのモノではないからね。

うん。

これは、このままでいいや。


それぢゃあ、しなければならない変更は、『所有者登録モード』の追加と、『所有者登録モード』に関する細々(こまごま)とした設定だけだね。

よし。

既に骨格が出来上がっている量産型二号機に、この変更を適用してもらおう。

『よろしく。』(←相変わらすの丸投げです)



『量産型ペンギン型ゴーレム』のプログラムの修正を終えた。

安堵あんど溜息ためいきを一ついて、ソファーでダラーーっとする。

全身の力を抜いて、全力でダラーーっとしていたら、声を掛けられた。

「よろしくお願いします。」

ん?

声のした方を見る。

見たら、ニーナがこちらに、ジタバタしているペンギン型ゴーレムを差し出していた。

…『プログラムの修正をしてね。』って事ですね。アッハイ。

受け取ったペンギン型ゴーレムを停止させて、魔晶石に書き込まれていたプログラムをサクッと書き換えた。

「起動。」と言って、再起動させる。

これで『所有者登録モード』になっているはずだ。ジタバタしていないしね。

「ニーナ、所有者登録をするから、顔を見ながら「所有者登録。」って言って。」

「私は所有者登録をしません。その子はナナシ様の所有物ですので。」

「………。」

『そう思っているのなら、持ち帰ったりしないでよ。』とか思いましたが、何も言いません。

言っても無駄だと知っているので。

ぢゃあ、名前登録をするか。

「ぬいぐるみモード。」と言って、『所有者登録モード』から『ぬいぐるみモード』に変更して、ニーナに言う。

「ぢゃあ、名前登録をするから、「名前登録。」と言ってからこの子の名前を言って。」

「はい。」

「名前登録。ペネラ。」

ペンギン型ゴーレムは何のリアクションもしないが、これで名前が登録されているはずだ。

「これで登録されているはずだから、名前を呼んでみてくれるかな。」

「はい。」

「ペネラ。」「キュウ」

よし。

デフォルトの鳴き声を返したね。

ちゃんと名前登録が出来ているね。うむうむ。


これで登録は終了だ。

『ぬいぐるみモード』の状態になっているから、このままニーナに渡そう。

「はい。」

「ありがとうございます。(ニッコリ)」

ペンギン型ゴーレムを抱いて壁際に移動するニーナを見送った。

そして振り返る。

そこには、ジタバタしているペンギン型ゴーレムを差し出しているケイトが居た。

ですよねー。

こちらのペンギン型ゴーレムも、プログラムの書き換えをしました。

ケイトも所有者登録をしないとのことなので、名前登録してからケイトに渡しました。

「ありがとー。(ニッコリ)」

そう言ってケイトは、ペンギン型ゴーレムを抱いて窓側の壁際に移動した。

ちなみに、ケイトが付けた名前は「クリス」でした。

男の子っぽい名前の様に感じるが、オスなのかな?

ペンギン型ゴーレムの性別は、俺はまったく気にしてなかったね。

まぁ、どうでもいいか。

好きに名前を付けてくれていいよね。

「ふぅ。」

一仕事終えた俺は、溜息ためいきを一ついてから、ソファーでダラーーっとした。



お茶の時間です。

お茶をれてくれているニーナをながめています。

堂々としていて、美しくなめらかな所作しょさです。

その美しい所作しょさ見惚みとれてしまいそうになります。

そして、淹れられたお茶が俺とシルフィの前に置かれました。

………………。

ニーナがペンギン型ゴーレムを抱きかかえたままお茶を淹れてくれるのも、大分だいぶ見慣れました。

ですが…。

何でペンギン型ゴーレムはニーナの腕の中でジタバタしているんですかね?

何でわざわざ『歩行モード』にしちゃってるんですか? 『ぬいぐるみモード』で渡したのに。

腕の中でジタバタしちゃってるぢゃないですかー。

そうならない為の『ぬいぐるみモード』ですよー。

ニーナに何を言っても無駄だから、何も言いませんがっ。


ふと、ケイトの方を見る。

窓側の壁際かべぎわひかえているケイト。

両腕でペンギン型ゴーレムを抱きかかえています。

そのペンギン型ゴーレムは、ケイトの腕の中でジタバタしていました。

「おいーー!」

思わず声が出た。

俺の隣に座るシルフィがビックリしています。

「ごめん、シルフィ。おどかしちゃって。」

シルフィに謝ってから、ニーナに訊く。

「ニーナっ、何で『歩行モード』にしてるのっ? 何で『ぬいぐるみモード』にしてないのっ?」

「このほうが”抱き締めてる感”が有るからです。(キッパリニコニコ)」

それは、”抱き締めてる感”ではなく、”つかまえてる感”だと思うんですが!

ニーナのことは諦めて、ケイトに訊こう。

そう思いケイトを見たら、トロける様な笑顔でジタバタしているペンギン型ゴーレムに何やら話し掛けていた。

コイツもダメだ!

どうしたものかと考えたのだが、俺が何か言ったところでどうせ聞かないよね!

俺は、気にしない事にしました。

これまで、さんざん見ていた光景ですしねー。

そうです。

今更いまさら気にする必要なんか無いよねー。(諦めた目)


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