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姫様を助けたのは失敗だったが、割と好き勝手に生きています。  作者: 井田六
第十二章 異世界生活編07 新・新生活編
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< 31 新・王宮での生活28 ナナシ、量産型ペンギン型ゴーレムを作る03 >


今日は、『量産型ペンギン型ゴーレム』の初号機を完成させて確認作業をしよう。


部屋に来てもらったエイラさんが、素早く骨格を綿でくるんで毛皮をかぶせて縫い合わせていく。

すげぇ。

素晴らしい手際てぎわれします。

ケイトが何故なぜか自慢げな表情をしているのが、良く分かりませんがっ。

キミが育てたのかなー? そんな事は無いよねー。(苦笑)


出来上がったペンギン型ゴーレムに、魔道具を使って魔法を付与する。

付与する魔法は、【防汚ぼうお】、【撥水はっすい】、【リフレクション(熱)1倍】だ。

この魔道具は、【製作グループ(多重思考された人(?)たちのうちの、物品製作をしているグループ)】が、いつの間にか作ってくれていました。ありがとうございます。

この魔道具は、がたいね。

これが無いと、俺が作った骨格を被服部ひふくぶに渡して毛皮をかぶせてもらった後、もう一度俺のところに戻してもらって魔法を付与しないといけなくなるからね。

この魔道具のおかげで、(俺の)余計な手間がはぶけるね。


販売担当だという被服部のメイドさん(ミリィさんというお名前だそうです。)が説明書を見ながら、購入者第一号のエイラさんを相手に、販売の実演や所有者登録などをしている。

エイラさんが購入者第一号というのは、いいのかな?

ガッツリと関係者なんですがっ。

超笑顔で所有者登録をしているエイラさんの様子を見ていると、とても言い出せないけどね。

それと、所有者の変更を可能にする為の、『所有者情報削除の魔道具』が、ちゃんと機能するかどうかも確認したかったんだけど、それも言い出せる様な雰囲気ではないね。

まぁ、『所有者情報削除の魔道具』はエイラさんに預けるのだから、気が向いた時にでも確認してもらおう。


『所有者登録』なのだが、上手うまくいかなかった。

起動直後は、モードがデフォルトの『歩行モード』になっていた為、ランダムで歩き回ってしまったので。

その状態で持ち上げるとジタバタしてしまうので、顔を見せて所有者登録をするどころの状態ではなかった。orz

失敗したね。

起動直後は、『ぬいぐるみモード』にしておかないといけないのかな?

いや、『所有者登録モード』を作るか。

他にも何か問題が有るかもしれないから、専用のモードを作ってしまおう。

そうしておいた方が、問題が有った時の対処がしやすそうだからね。

そうしよう。


取り敢えず、『ぬいぐるみモード』にしてから所有者登録をしてもらった。

その後、モードを『歩行モード』にしてもらい、『所有者追尾』がちゃんと働くか確認してもらう。

所有者登録がちゃんと出来ているかを確認する為にもね。

ペンギン型ゴーレムをテーブルの上に置いて、エイラさんにテーブルのまわりを歩いてもらう。

ペンギン型ゴーレムは、エイラさんの方へ向かって歩いて行く。

よし。

『所有者登録』も『所有者追尾』も上手くいっているね。

エイラさんが自分の方に歩いてくるペンギン型ゴーレムを見て「ぐはっ。」とか言っています。

喜んでいるのかダメージを受けているのかよく分からないが、超笑顔なのでダメージを受けている訳ではないのでしょう。


次は、『名前登録』だ。

エイラさんに、ペンギン型ゴーレムに名前を付けてもらい、記憶させる。

そして、早速さっそくエイラさんに名前を呼んでもらう。

「ピエル。」「キュウ」

「ぐはっ。」「クカッ」

「…ピエル。(プルプル)」「キュウ」

「ぐはっ。(プルプル)」「クカッ」

…よし?

『名前登録』と『名前を呼ぶと返事をする』機能も上手く働いているみたいだ…。

「キュウ」と鳴いているのは、名前を呼ばれた時に”デフォルトの鳴き声”を返しているからなのだが、「クカッ」は何だろう?

『呼び掛けると返事をする』機能が働いた結果かな?

多分たぶんそうだと思うけど、確認したいな。

その確認をエイラさんにお願いしようと思ったのだが、エイラさんは体をプルプルさせながら床に向かって「うほおぅ。」とか「とうとい。」とか言っていて、それどころかではなさそうです。(苦笑)

なので、俺が確認しよう。

テーブルの上でエイラさんの方を見てパタパタうろうろしているペンギン型ゴーレムに向かって「きー。」と言う。

「キー」と返してくれると思ったのだが、返事を返してくれなかった。

あれ?

首をかしげる。

もう一度やってみたが、何も反応を返してはくれなかった。

『所有者以外の”ワード”をはじいているからでしょう。』

頭の中で【多重思考さん】にそう言われた。

うーーん。

そう言われたのだが、「きー。」は”ワード”ぢゃないと思う。

はじかれるのはおかしい。…はず。…なんぢゃないかな?

それとも”ワード”ぢゃないから、リアクションが無いのかな?

あれれー?

よく分からん。

よく分からんが、所有者の声に対してはちゃんと返事をしたみたいだから、まぁいいか。


これで一通ひととおりの動作確認は出来たかな?

あ。魔晶石への魔力の充填の確認をしていないか。

でも、時間がみじぎて、今は確認できないだろうね。

明日以降だね。確認が出来るのは。

それと、口の中に魔晶石を入れる動作の確認もしていなかったね。

でも、所有者以外の”ワード”をはじくように設定しているから、エイラさんにしてもらわないと確認が出来ないね。

エイラさんはいまだにアレな状態なので、確認は無理そうです。(苦笑)

これも明日以降だね。


それ以外は確認できたかな?

出来たよね。うん。

やったね。上出来だね。

うんうん。

俺は、量産型ペンギン型ゴーレムの出来に満足した。



エイラさんは、ソファーでペンギン型ゴーレムを抱いた状態でグッタリしています。

そして、「今日はもう仕事にならない。(とろけ顔)」とか、おっしゃっています。

ダメージを受けていた様ですね。超笑顔だったのに。

でも、まだ朝ですよー。

ちゃんと仕事してくださいねー。

それと、ニーナとケイト。

エイラさんを見てうなずいているが、君たちもちゃんと仕事をするように。


ペンギン型ゴーレムを抱いてダメになってしまっているエイラさんはほうっておいて、販売担当のミリィさんと問題がなかったか確認する。

『所有者登録』でつまずいた以外は、問題は無かったそうだ。

後で、『所有者登録モード』を追加した説明書を渡して、『所有者登録モード』の作業の確認をしないとね。


初号機を使った所有者登録などは、大きな問題無く終わった。

午後にもう一度、今度は『所有者登録モード』を追加した状態で、最終確認だね。

エイラさんも、午後になれば復活してくれるでしょう。…多分たぶん

これで、一旦、お開きです。

お疲れさまでした。


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