< 30 新・王宮での生活27 ナナシ、量産型ペンギン型ゴーレムを作る02 >
ゴーレムを可愛く鳴かせることが出来るのか実験をする。
『ゴーレム』と聞くと、石で出来ていて人型で角ばったモノを想像してしまうので、ソレと『可愛く鳴かせる』がいまいち繋がらなくて字面的に微妙なんですが、それはどこかに置いておきます。
先ず、ゴーレムのプログラムの中の『発音』の項目について調べる。
デフォルトは、胴体の前面を振動させて音を出す様になっているみたいだ。
ゴーレムらしい音の出し方だね。
ペンギン型ゴーレムの場合は、どうやって音を出そうかね?
骨格を振動させても、綿で包まれているから音は出せないよね。
綿や毛皮で包まれていない場所となると…。
クチバシでいいのか。
そうだね。クチバシを振動させて音を出そう。
次は、実際に出せる音が可愛いかどうかだね。
実際に音を出して、確認してみよう。
だけど、どうやればいいのかな?
ゴーレムに音を出させようと考えた事が無いから、いまいち分からないね。
『【製作グループ】にお任せください。』
俺が悩んでいたら、頭の中で【多重思考さん(多重思考された人(?)たちのリーダー)】にそう言われた。
【製作グループ(多重思考された人(?)たちの内の、物品製作をしているグループ)】は普段からゴーレムを使っているから、一番詳しそうだね。
彼らに任せて良いのなら、お任せしてしまおう。
『よろしく頼む。』
目の前の空中に、ペンギン型ゴーレムの頭部が現れた。
量産型の木で作られた物だ。
『これから音を出します。』
「キュウ」「キュウ」「キュウ」
おお。
割と鳥の鳴き声っぽい音がペンギン型ゴーレムの頭部から出た。
「クウ」「クウ」「クウ」
「キィ」「キィ」「キィ」
「コォ」「コォ」「コォ」
少し変えて音を出してみてくれる。
思っていたよりも鳥の鳴き声っぽくて、いい感じだと思う。
可愛いかどうかと訊かれるとちょっと分からないが、鳥っぽい鳴き声が出せているのだから、これで十分合格点だろう。
さて。
鳥っぽい鳴き声が出せる事は分かった。
次は、どういうタイミングで、どういう鳴き声を出すかを考えないといけないのか…。
めんどくさいね。
うーん。どうしようか?
『『呼び掛けると返事してくれる』という希望が有りましたので、呼び掛けられた時に、それに近い鳴き声を返せばいいんじゃないでしょうか。』
悩んでいたら【多重思考さん】にそう言われた。
おお。そうだね。
それなら、俺が悩む必要が無くなるね。
それでいこう。(ニッコリ)
よし。
ゴーレムを可愛く鳴かせる目途が立ったので、プログラム作りに取り掛かろう。
やる事は、『歩行モード』と『ぬいぐるみモード』の切り替えと、『所有者登録』、『所有者追尾』、『呼び掛けると返事してくれる』だ。
『歩行モード』と『ぬいぐるみモード』の切り替えは、それぞれ「歩行モード。」と「ぬいぐるみモード。」を”ワード”として設定しておけばいいね。
起動直後は、どちらのモードがいいのかな?
うーーん。どちらでもいい気がするな。
デフォルトは『歩行モード』にしておくか。
元々、歩いている様子を眺めて癒やされたくて作ったペンギン型ゴーレムだからね。
『所有者登録』は、「所有者登録。」の”ワード”で正面に居る人の魔力と顔を記憶させればいいね。
ちゃんと登録されたかの確認は、『所有者追尾』で確認できるだろう。
『所有者追尾』はデフォルトをONにしておこう。『所有者登録』がちゃんと出来ているかを確認する為にね。
『所有者追尾』をOFFにした時は、ランダムで歩かせる様にしよう。
『呼び掛けると返事してくれる』は、呼び掛けられた時に、それに近い鳴き声を返す。と。
名前を呼ばれた時にも返事を返す様にした方がいいかな?
そうしておいた方が喜ばれそうだね。
『名前登録』の機能も付けよう。
『名前登録』は、「名前登録。」の”ワード”で、名前を登録出来る状態にして、その後に言われた言葉を名前として登録する。
そして、名前を呼ばれたら、”デフォルトの鳴き声”を返す。
そうしておけば、名前が登録された事を確認できるからね。
”デフォルトの鳴き声”を決めないといけないね。
「キュウ」でいいかな?
うん。「キュウ」でいいよね。
登録した名前を変更したい時はどうしようか?
ロックする必要は無いのかな? オーバーライトしちゃっていいのかな?
個体を識別する方法として、名前を呼ぶと返事してくれる事って重要かな?
誰かに勝手に名前を変えられたら、分からなくなってしまって困るかな?
むむむ。どうしよう?
『登録されている所有者以外からの”ワード”をすべて弾いてしまえばいいのではないでしょうか。』
悩んでいたら【多重思考さん】にそう言われた。
そうか。それでいいのかな?
いい気がするな。
うん。そうしよう。
それなら、登録した名前をロックする必要は無いね。
所有者だけしか名前を登録できないのなら、オーバーライト出来る状態でいいだろう。
ふぅ。こんなもんかな。
ちょっと疲れたので、他に必要な機能や問題がないか、【多重思考さん】にチェックしてもらおう。
『よろしく。』(←相変わらずの丸投げっぷりです)
少し休憩してから、【多重思考さん】に何か問題がなかったか訊く。
『登録されている所有者以外からの”ワード”をすべて弾くように設定してしまうと、所有者を登録する前は、すべての”ワード”を弾いてしまって、所有者登録すら出来ません。www』
あかんやん!
何も出来へんやないか!
それと、草生やすなや。(苦笑)
えーっと、どうすればいいのかな?
『登録されている所有者以外からの”ワード”をすべて弾く設定は、所有者登録後に働く様にしましょう。』
まぁそうなるよねー。
それだと、所有者登録前にはすべての”ワード”を通す事になるね。
何か問題が有るかな?
無いか。無いよな。
『無いと思います。』
よし。
それぢゃあ、『登録されている所有者以外からの”ワード”をすべて弾く。』と『その設定は、所有者登録後から働く。』としておけばいいね。
ふぅ。
危ないところだったね。www
『他には何か有った?』
『所有者を変更する時はどうしましょう?』
…そうだね。それも考えておかないといけないね。
所有者が亡くなってしまった場合を考えると、誰かが所有者を変更する権限を持っていないといけないのかな?
俺がその権限を持っていていいのかな?
ゴーレムの寿命って、どのくらいなのかね?
『人間よりも寿命が長いと思います。』
そうかー。
そうなると、所有者を変更する権限を持つ魔道具が有った方がいいね。
でも、そうすると、その魔道具を使う権限を持つ人をどうやって決めるのかって話になっちゃうかな?
…そんな事を考えるとキリが無くなっちゃうね。
取り敢えず、販売も担当する被服部に、その魔道具を預けてしまえばいいかー。
被服部のエイラさんに、その魔道具を渡してしまおう。(←毎度おなじみの丸投げです)
その魔道具の製作は【製作グループ】にお願いしよう。
『よろしく。』(←これも毎度おなじみの丸投げです)
『それと、もう一つ。』
頭の中で【多重思考さん】が言う。
まだ何か有った様です。
『魔晶石に魔力を充填する機能を付けましょう。』
…ん?
ゴーレムを動かす為に組み込まれている魔晶石に周囲から集めた魔力を充填する機能は、既に付いていた気がする。
『そうではありません。』
おや?
『ゴーレムに組み込まれている魔晶石に周囲から魔力を集めて充填していますが、ペンギン型ゴーレムはあまり魔力を消費しないので常に魔力が余っています。その余っている魔力を品質の悪い魔晶石に充填して魔石の代わりに使ってもらえる様にしましょう。』
ほう。
それは、なかなかいいね。
魔石が品薄になってしまっている対策になるし、使い途の無い品質の悪い魔晶石の良い使い途にもなっているね。
良いアイデアだね。
でも、どうやって魔晶石に魔力を充填させるのかな?
ペンギンが卵を温める時みたいに、足の上にでも置くのかな?
『口の中に入れましょう。口に入る程度の大きさでも、魔晶石ですから魔力は十分に貯めておけます。』
ふむ。
では、そうするか。
ペンギン型ゴーレムをご購入すると、もれなく魔晶石が一つ付いてくる。と。
何かの宣伝みたくなってしまったが、それはどうでもいいや。
『口の中に入れた魔晶石に魔力を充填する機能』と、『口の中に魔晶石を入れたり出したりするプログラム』を追加して、『量産型ペンギン型ゴーレム』のプログラムが完成した。
やったね。
(更新間隔の変更のお知らせ)
五日おきの更新を、三日おきの更新(三の倍数日に更新)に変更します。
ストックがある程度溜まりましたので。
これからもよろしくお願いいたします。
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